ゼミ・研究室検索結果
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パロマ・トレナド・ゼミ(ゼミナール1)
トレナド・ゼミでは、現代スペインの社会問題に映画を通じてアプローチします。 1978年にそれまでの長期独裁政権が終了し、急速な民主化と社会の変革を経験したスペインでは、EUへの加盟、経済発展、女性の社会進出、科学技術や芸術の活性化を実現した一方で、過疎化、高齢化、移民問題などの社会課題に直面しています。 そうした社会問題が描かれた映画を題材として選び、テーマへの導入、映画の視聴、ワークシートの記入、小グループでの意見交換、クラス全体での討議、スペイン語でのレポートの提出、という一連の手順を踏んで、スペイン社会に対する理解を深めると同時に、スペイン語コミュニケーション能力を高めていきます。意見を述べ、他者の意見に耳を傾けることを通じて、映画を入り口とした言語文化研究の方法が見えてきます。
ササキ・アンナ研究室
ゼミでは文学・文章が旅人になって世界を巡っていることに思いを馳せて研究しています。著名な書籍は様々な言語に翻訳され、異国の地で作者の母国を代表するものとして読まれます。学生は児童文学、いろいろな時代の小説、著名人のスピーチ、ブログやSNS投稿等、様々な媒体の中から訳してみたい文章を選択し、翻訳作業を通じて世界に旅立つには何が必要かについて考えていきます。多くの初学者は翻訳イコール単語のマッチングという認識で翻訳ゼミに参加しますが、世界中の人々に読まれる翻訳文はより複雑な工程を経ていることを学んでいきます。 また、ゼミと並行して履修できる翻訳演習の授業では、地域連携のプロジェクトも行っていて、品川区の観光Mapなどの翻訳にも協力しています。 幅広い翻訳の経験を積んで、ゼミ生は、身近な題材、例えば、メイクアップ用語の翻訳などに着目したり、歌の歌詞の翻訳、ウエブサイト投稿の翻訳の比較、映画字幕や吹き替えの翻訳比較、絵本や文学の翻訳などについて卒業論文・レポートを書き進めています。
安斎 徹ゼミ
企画力・行動力・協働力を身につけながら、これからの社会やビジネスを如何にデザインするかを探求しています。日本一「ワクワクドキドキ」するゼミを目指して、企業や地域など広く社会と連携しています。 安斎ゼミの運営にあたっては、「企画1000本ノック」(企画力の向上を目指し、何か新しいアイデアを毎日3つ以上考え、1年間で1000個のアイデアで「企画ノート」を書き尽くすのが目標)や「リーダー輪番制」(案件ごとにリーダーを輪番で務め、全員が必ずリーダーを体験する仕組み。複数案件を同時多発的に進めることで、組織運営や業務遂行の醍醐味や難しさを体得)などユニークな仕掛けが施されています。 これまでに、博報堂キャリジョ研と連携した女子大生の人生観・価値観調査(2020)・女子大生のSNS実態調査(2021)・メディア企画の提案(2023)、「震災10年」から「未来」への懸け橋となる『陸前高田SDGs物語』の作成支援とクラウドファンディング実施(2021)、ホテル日航つくばと連携した「つくばSDGsツアーの企画」(2022~継続中)、ウエディングパーク・八芳園と連携した「Z世代と考えるジェンダーバイアスとこれからの結婚式を考えるプロジェクト」(2022)、沼田市観光協会と連携した「沼田魅力発信プロジェクト」(2022~継続中)、日本製紙パピリアと連携した商品開発(2022)など様々な案件に関わっています。「挑戦無くして成長なし」が合言葉です。
坂田 奈々絵ゼミ
洋の東西を問わず、宗教と文化には深い関係があります。歴史の中で、人々の宗教的思考や観念は文化のうちに具体化され、また様々な文化が宗教思想や実践に強い影響を与えることもしばしばありました。このゼミでは東西ヨーロッパの古代末期から中世を中心に、建築をはじめとした文化や歴史的事象とキリスト教思想がどのような関係にあるかを探ります。 歴史の中で展開されてきたキリスト教をめぐる文化的営みは、目に見えず言葉で語りつくせないキリスト教の思想を、個々の状況の中でどのように理解するのかを問うことでもありました。こうした中で、宗教美術や建築は、思想と切り離せない関係をもつことになります。例えば中世の人々は、教会建築を構成する一つ一つの石を信仰者に、その鐘楼をイエスの教えを説く説教者に、そして建築そのものを聖書に登場する「天上のエルサレム」になぞらえました。このように、宗教芸術という「目に見えるもの」の背後には、様々な意味や解釈が存在しているのです。こうした思想的側面へのアプローチは、一歩踏み込んだ形で様々な文化や事象を理解することを可能にします。また、過去の人々が抱いた様々な問いに触れ、その意義について考えることにもなるでしょう。 そしてこのような問題を扱うためには、文章を読むだけでなく、実物を見たり経験したりすることも重要です。このゼミでは都内や近郊の教会建築等へのフィールドワークを積極的に行っています。
田和 真紀子ゼミ
日本語学は、日本語を「言語の1種」として観察し、その仕組みを明らかにする学問です。ことばを観察するポイントは大きく分けて、①音声(ことばを話す時に発せられる音)、②語(ことばの意味)、③文法(ことばが発せられる時の語順の規則)、④文字(ことばを記録するための媒体)の4つあります。私はこのうち②語と③文法の知識をもとに、いろいろな日本語のデータベースを使って特定の単語や表現を集めて比較・分類し、それらの用法に潜む規則性から、日本語母語話者が無意識のうちに表している意味や表現の傾向を明らかにしています。 田和ゼミでは、2年次の基礎演習ですでに品詞の情報が単語ごとについている「コーパス」というものを利用して用例を集め、用例に共通する単語や構文から意味・用法を明らかにする基礎を学びます。3年次では発展として、単語に分けられていない普通のテキストや新聞記事データベースを使い、自分で単語単位を考え、意味・用法を分析する能力を磨き、卒業論文のテーマを考えます。先輩の卒業論文を例にとると、新聞において「アベック」と「カップル」・「ハンサム」と「イケメン」が使われるようになったのはいつ頃からか、使用数が逆転したのはいつ頃か、そしてそれぞれの言葉の持つ意味はどのように変わり、そこにはどんな背景があったのか…など、何気なく目にする新聞やインターネットの日本語表現に潜む傾向や意味が明らかになりました。日本語の分析を手がかりとして、日本語で表現される世界を一緒に深読みしていきましょう!
工藤ゼミ
日本の歴史の95%以上は文字が無い先史時代(旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代)ですが、この時代の歴史を知ることができる唯一の方法が考古学です。また、考古学は歴史時代以後においても、文献には記録されない過去の生活文化を知ることができるため、とても重要なのです。 工藤ゼミでは、遺跡に残る様々な証拠から、日本文化の成り立ちやそのルーツを学生の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。遺跡などのフィールド調査や博物館見学なども行いながら、日本文化のルーツを紐解いていきます。
橋本ゼミ
「スポーツ」という言葉には、オリンピックを頂点とした「競技」というイメージがありますが、世界には競技スポーツに留まらない多種多様なスポーツが存在しています。そもそも英語sportの語源はラテン語のデポルターレにさかのぼることができ、気晴らしをする、楽しむ、遊ぶという意味を持っています。今日にもその要素は残されていますが、どちらかと言えば、勝敗がつく競技とのイメージが今日では少し強いのではないでしょうか。 橋本ゼミでは、スポーツの意味を広く捉え、トップアスリートが行う競技スポーツから、一見スポーツとは見なされない遊び、祝祭における気晴らし行為なども研究の対象としています。また、スポーツや運動は身体面で健康と結びつき、気晴らしは精神面で健康と結びつきます。卒業論文の執筆にむけて、ゼミではこうした「スポーツ」や「健康」をとりまく様々な文化的現象・現代的問題を取り上げ、文献調査やインタビュー調査を通して分析し、問題の所在や現象の要因を読み解く力を培います。 スポーツの歴史や世界に広がる様々なスポーツ文化を通して、これまで自分の中にあった「スポーツ」に対する固定観念にとらわれることなく、多面的にスポーツを捉える目を養って欲しいと思っています。
澤田(匡)ゼミ
心理学は、占いや魔術の類いではなく、調査や実験で得られた行動を数量化し、統計的な手法を駆使して「心」の謎に迫る科学の一分野です。例えば、身近な人の成功を妬むあまり、その人が失敗すると思わず心を弾ませるような経験に心当たりはありませんか。「シャーデンフロイデ」と呼ばれるこの感情は、すぐにでも消し去るべき邪なものだと考えてしまうかもしれません。しかし、こうした喜びにも、自分の価値を回復させるといった機能があることがわかっています。このように、決して良し悪しだけでは語り尽くせない人間の「心」について、調査や実験を用いて解明しようとする学問が心理学なのです。 澤田ゼミでは、学会への参加やオンライン調査の実施などを通じて、さまざまな感情や性格を研究対象として捉える視点を養います。4年次に執筆する卒業論文では、ゼミ生が拘りをもって向き合えるテーマを設定できるように心がけています。オンラインゲームの課金傾向尺度の作成、愛着スタイルとファン行動の関係、アイドルグループのメンバー編成変化の受容過程など、そのテーマは極めて多岐にわたっています。科学が描き出す「心」の有り様に目を向けながら、人生の糧となる教養を培ってもらえたらと願っています。
宇都宮ゼミ
食文化は、地域の風土により形成され、異文化との交流、科学技術の進展によって変化していきます。 例えば『すし』は、多く獲れた魚を長期保存するため、塩と米で漬けた「なれずし」が最初といわれ、それが「押しずし」となり、江戸時代に「握りずし」が誕生します。当時のネタは、冷蔵技術がないため、酢〆たものや醤油漬け、煮アナゴなど下処理されたものでした。新鮮な生魚を使った現代の「すし」が食べられるようになったのは冷蔵技術が発達したおかげです。すしは、郷土料理の一つとして日本各地域でさまざまな食べ方があります。また世界各国には、チーズやチョコを使った新しいSUSHIが生まれています。世界ではなぜその食材が用られたのか? 郷土料理のスシの種類は?それが継承される要因は? 宇都宮ゼミでは、自分が関心を持ったテーマに、まずは食が生まれた背景を文献調査します。次に聞き書きやアンケート、フィールド調査、官能評価などの方法を用いて分析し、卒業論文を書きます。これまで乳製品を使った乳和食や、持続可能な社会に向けた昆虫食、鶏肉禁忌から廃鶏の利用まで、関東と関西の納豆摂取1992・2020年比較などがあります。 過去から現在を知ることで、現在から未来を創造する、変わりゆく食文化を一緒に研究してみませんか。
石澤ゼミ
石澤ゼミは、国際関係をメディア・情報・世論から分析して理解を深めていくゼミです。そのためには国際関係についての理論的な枠組みを理解すること、メディアコミュニケーションについての基本的な枠組みを理解すること、国際問題についての理解と歴史的な変遷を理解することがベースになります。その上でこの種の問題の中心になるのはアメリカなので、アメリカの外交関係と同国のメディア・情報・世論との関係をまず学びます。次に日本を中心とした国際関係をみていきますが、その際には最も関係の深いアメリカ、次いで中国、韓国、台湾など東アジアとの関係を取扱います。 なお、このように「国際関係とメディア」という形で、学生が理解を深めた上で、その後学生の関心が国際関係だけの問題、あるいはメディアだけの問題という形に分かれて研究を進めていくことも可能としています。
澤田(知)ゼミ
澤田ゼミでは、イギリスの近現代小説を中心に、英語のフィクションを読み、英語圏文学・文化について学びます。「語る」という行為や、わたしたち自身と社会に関わる多種多様な問題を考えます。 読むという行為は、作家、そして自分との対話です。難しくて、とても面白い。授業では大好きなファンタジーをよく取り上げます。文学は、楽しく学ぶ以上に、学ぶということの本当の楽しさを知るのにうってつけの学問です。
伊藤ゼミ
開発途上国は実はとても「豊か」です。その豊かさを知ることなしに、国の開発に携わることはできません。伊藤ゼミでは、外部者がどのように開発途上国の人々と関わっていけるかを考えていきます。 市民社会を構成するアクターとしての非営利組織(NPO・NGO)の研究は比較的新しい分野であり、かつ、政治、経済、社会、文化等、多岐にわたる学問です。市民社会を活性化させる、つまり、human change agentとしてNPO・NGOが果たせる役割を、理論的根拠を精査しながら、しかし、潮流に流されずに、そのあるべき姿を追究していきます。その研究過程においては、『百聞は一見に如かず』ということわざの通り、NPO/NGOコミュニティにおける実践が必要不可欠です。実際の体験を通じて、これからの日本、国際社会の発展においてNPO・NGOが果たすべき役割を一緒に考えましょう。
大桃ゼミ
これまで受けてきた教育。当たり前と思っていたことが、世界的にみるとそうでないことも多くあります。その一方で、グローバル化の進展のなかで、日本の教育は国際機関や諸外国の影響を強く受けるようになりました。それでは、日本の教育にはどのような特徴があり、どのような変化や課題がみられるのでしょうか。 大桃ゼミでは国際比較を含めて教育の改革について検討を行っています。教育は個々人の成長や発達、社会の存続や発展、文化の継承や創造にとって重要な営みであり、そのためにまた多くの課題があります。教育の意味やそれを支える仕組み、教育のこれまでとこれからについて、国際的視点を交えて学生の皆さんと一緒に考えていきます。
クレイゼミ
大学で英語のスキルを伸ばす機会はとても多くありますが、特にお勧めできるのは翻訳、通訳の授業を受講することです。言葉を上手に訳するのは簡単なことではありません。しかし、そのプロセスを通して文法力、単語力、そして創造的に英語を使う力を身につけることができます。 クレイゼミでは文学作品の翻訳について学びます。若者向けのさまざまな作品(小説、戯曲)を実際に翻訳し、その内容について議論し、お互いの翻訳スキルの向上を目指していきます。また、翻訳を通して、語学の習得に必要な文化的背景も学んでいきます。
高橋ゼミ
今日、英語は世界のさまざまな場面で、英語を母語とする人々(ネイティブ・スピーカー)のみならず、英語を母語としない人々(ノンネイティブ・スピーカー)の間でも使われています。高橋ゼミでは、ノンネイティブ・スピーカーの数がネイティブ・スピーカーの数を上回る現状と英語が世界に広まった背景に注目します。なぜ他の言語ではなく英語なのか、英語の広がりによって生じうる「不平等」等、影の側面にも注目します。 また、英語の多様性についても理解を深めます。イギリス英語やアメリカ英語をはじめとする英語圏の英語にも、広がった先で新たに生まれた英語(インドの英語、シンガポールの英語、ナイジェリアの英語や中国の英語)にも、発音、語彙、表現、文法に特徴が見られます。例えば、皆さんはHow are you going?やHave you eaten?という表現や、journoやteacheressという言葉を耳にしたことはありますか。 このように、高橋ゼミでは世界における英語使用の現状や英語の多様性について理解を深め、母語が異なる人々をつなぐ『国際共通語』としての英語の役割と特徴について学びを深めていきます。
福祉開発フィールドワーク(2年次)
フィールドワークを通して「身近な地域にある貧困」に接近し、社会課題としての貧困を理解します。また当事者へのインタビューを行い、貧困や孤立に至るライフヒストリーをつかみます。さらに生活に困窮する子どもたちやシングルマザーの現状を学び、公的支援の役割について理解を深めます。そしてゼミでは地域のNPOや実践家とともに、「居場所づくり」や食料支援の活動を企画・運営し、孤立のないコミュニティを開発する力を身につけます。
文学部 国文学科(新古今時代の和歌)
私のゼミでは3回生で「新古今和歌集」を読んでいます。新古今時代の和歌は、それまでに詠まれた有名な和歌や、『伊勢物語』、『源氏物語』を踏まえて和歌を詠む、いわゆる本歌取りという技法が完成した時代。本歌取りとは、パイ包みの料理のようなものです。適当にかじりついても味はわかりますが、適切な場所からナイフを入れた時、パイに包まれた中に意匠を凝らした料理があることがわかります。作者の意図を理解して言葉を分析することで、本当の意味を汲み取ることができます。複雑で難しいところもありますが、その分、作者がこめた意味を理解できた時、「なるほど!」という驚きと喜びがあります。
文学部 英語文化コミュニケーション学科(イギリス文学・文化)
私のゼミでは、小説や詩、演劇作品といった文学を中心に、それらが映画化されたものや音楽なども対象にして、幅広くイギリス文学・文化を学びます。背景の歴史や社会との関連において、それぞれの対象作品をどのように解釈することができるのか、具体的な事例を交えながら一緒に考えていきます。例えば、女性の社会進出や人種差別などを扱った映画や小説、音楽などに触れて、関連資料を読んだあと、それらについて議論をしたり文章を書いたりします。こうしたことを通して、英語力だけでなく、感受性や想像力、美的感覚、他者に共感する能力、バランスの取れた批判的で創造的な思考力など、さまざまな力を養成し、自分の言葉で自分の意見を述べられることをめざします。
文学部 史学科(法から見た日本の中世社会)
3回生ゼミでは、前期は中世史料に慣れてもらうために、教科書を参照しながら戦国大名が出した法令の原文を読み、語句の意味を確認したり、逐語訳をしたりして、史料から歴史的情報を読み取る訓練を行います。あわせて、関連する史料や先行研究も調査してもらい、学問的な議論を行うための作法を学びます。後期には公家法・武家法・寺院法など多様な中世法の中から各自テーマを設定して、調査・考察を行い、その成果を発表してもらっています。歴史学を学ぶことを通して得られる思考法は、情報過多な現代においても必要な能力です。日々、流されてくる客観性を欠いたネットニュースや悪意のこもった情報、根拠のない噂・流言であたふたしないために役立つといえるでしょう。
発達教育学部 教育学科(ダンス教育、体育科教育、身体論、女性の身体、キャリア形成)
ゼミ生のほとんどが小学校・幼稚園の教員をめざしており、ゼミでは体育の授業づくりや子どもたちの身体、 女性の身体、教員としてのキャリア形成などについて学ぶ機会を提供しています。 卒業論文は、 自分で問いを立てるところからはじめ、 研究方法を設定して答えを見つけていく貴重な学びの機会です。 ゼミ生それぞれが、 ずっと考えていられるくらい自分が興味をもてるテーマを選んで取り組んでいます。 小学校の体育の教材づくりや苦手な子どもへの対応、 ダンスやスポーツのこと、 女性の痩せ願望やダイエット、 女性の働き方など、テーマはさまざまです。 自分の卒業論文についてゼミで発表したり、 仲間と対話したりすることを通して、自身の考えも広がり、深まっていきます。
心理共生学部 心理共生学科(臨床心理学、認知行動療法)
精神的問題からの回復への支援法の一つに「認知行動療法」というものがあります。ものごとに対する捉え方や考え方である「認知」や、ふるまいや習慣といった「行動」に焦点を当てる支援法です。こころの健康に関する心理学的支援法はさまざまあり、学問上は臨床心理学の領域に属しています。私自身は認知行動療法を中心に、精神疾患に対するスティグマ(偏見)や援助要請(援助を求めること)に関する研究などにも携わっています。ゼミには臨床心理学に関心のある学生が集まっており、各自が研究テーマを定め、調査や実験を行って卒業論文にまとめます。その過程では、考える力や主体性はもちろん、助け合いの力も伸びていきます。 また、学生には、①客観的な視点で考えることができる力、②主体的に疑問や意見をもつこと、③その疑問や意見を適切に相手に伝える力、を身につけてほしいと思っています。実際に2年間のゼミを通して、各自のテーマ以外の研究や難しい内容の研究についても興味深く聞き、それについての意見も述べてくれるようになっていってきます。また、お互いにフィードバックしていく中で褒められることも多く、自信がついていく学生さんもいます。さまざまな意見や思いを言葉にすることが促進され、相手の良い部分を探して見習うなど、お互いが高め合うようなグループになっていると思います。
家政学部 食物栄養学科(微生物学、公衆栄養学)
私は指導者、研究者でもありますが、京女の食物学科(現 食物栄養学科)で学んだOGの一人でもあります。「微生物学」の授業を受けたことがきっかけで「目に見えないのに一生懸命生きている」微生物についてもっと知りたい、細菌について研究したいという興味・関心につき動かされて現在に至っています。これまで特に食中毒や感染症を起こす、ヒトに有害な細菌を中心に研究してきました。ゼミでは、食品や環境に分布している細菌の性質や微生物制御などの食品衛生学的な研究と、高校生を対象にした食事や生活習慣に関する調査研究を行っています。実験・実習の機会が多く、時には大変な思いをすることもあると思いますが、管理栄養士免許証を手にした時には大きな達成感が得られるでしょう。
家政学部 生活造形学科(アパレル人間工学、被服体型学、被服構成学)
ゼミでは、アパレル(衣服) や繊維製品の設計に関する課題を取り扱います。 設計の基礎として、①人体の形態(骨格・筋・脂肪)と動作を理解し、 ②その測定方法や③人体の寸法や3Dデータの分析・統計処理、④衣服や製品設計技術などについて学びます。それらを基にして、ゼミ生の興味に合わせて研究テーマを設定し、データや情報の収集から分析し、わかりやすく説明できるスキルを学びます。テーマは、企業の委託を受けて既製服では合わないスポーツ選手の体型を3D計測して、体に適合した型紙を作ったり、バレエダンサーの踊りにくさを改善した衣裳を制作したり、障がい者のための服を設計したりと、ゼミが保有する充実した研究設備・機器とその解析技術を活用して、研究をしています。
現代社会学部 現代社会学科(企業を財務諸表から分析)
私のゼミでは「企業はどれくらい儲かっているのか?」「どれくらいの財産を保有しているのか?」など、さまざまな会計数値から企業を分析しています。財務諸表(決算書)の賃貸対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書だけではなく、新聞やビジネス雑誌の記事などと関連づけ、企業の経営戦略についても研究。3回生には他大学と合同でゼミの発表会を実施し、分析結果の発表をグループで行います。グループディスカッションやプレゼンテーションを行うことで理解を深め、他社の意見を取り入れながらまとめていくの能力を養っていきます。企業の財務諸表を読み解くスキルは、就職活動はもちろんのこと、社会に出てからもさまざまな面で役立つことでしょう。
データサイエンス学部 データサイエンス学科(スポーツデータ・マーケティングデータの分析)
私のゼミでは、スポーツ・マーケティングデータの分析に取り組み、実践的な知識や技術を学んでいきます。本ゼミの学びのキーワードは、データ分析による問題の具体化と抽象化を繰り返しです。この具体化と抽象化のループは、具体的な問題を抽象化して問題解決の糸口を探すなど、社会でもあらゆる場面に応用できる技能です。データ分析はチームで行い、個々の得意を生かしつつ、多様性を享受する姿勢も養います。一つのデータからでもさまざまな解釈があることを理解し、その違いを認められる多角的な視点と思考力を身につけてほしいと考えています。
生物分析検査学研究室
健康状態を維持するために、私たちは絶えず栄養素を摂取しています。生体内では、摂取した栄養素を、消化・吸収・代謝することで、生体反応を恒常的に制御しています。このような生命活動のなかから、からだの異常をいち早く見つけ出すことが臨床検査の使命であり、予防医学に寄与すると考えます。なかでも生化学検査は、血液中の成分を分析することにより、多くの情報を得ることができます。しかし、採取した血液中であっても生体反応は成分に含まれる酵素などのはたらきにより代謝が繰り返すこともあります。本研究室では、こうした生体内の目的成分を正確に分析する研究をしています。血中グルコースは、糖尿病の指標として正確な分析が必要ですが、血液中では血球内の解糖系酵素などにより低下してしまいます。そこで解糖系酵素の反応を抑え、血糖の低下を最小限にとどめることを目指しています。
フードマーケティング研究室
食文化栄養学科では、栄養学や調理のみならず、食文化やデザイン、経営学やフードコーディネートまで学修します。研究室でのゼミでは、実在する企業のメニュー開発を学生自身が行ったり、自らカフェ営業をプランするなどを通じて、商品化までの一連の作業を経験します。さらに、企業や店舗の環境と制約を理解することを経て実際の仕事をイメージすることができるとともに、食ビジネスの技術と知識を身につけ、即戦力を目指した指導を行っています。 社会は常に変化しているので、外食などのあり方や人々の意識への洞察力を重視した、価値を高めるための技術と創意工夫が求められます。学問を社会での実践に変換できるチカラを高めることを目指して、実務家教員の経験と企業連携を活用した、独自のプログラムを採用しています。
環境教育研究室
本研究室には、家庭科教諭をめざす学生が多く、家庭科教育の内容と方法について研究しています。小・中・高の「家庭科」の中に「消費生活と環境」という領域があります。そこでは持続可能な生活をするために、資源やエネルギーの使い方や製品サービスの購入方法をどのように変化させればよいのかを学びます。 家庭科を学ぶ生徒が、国連SDGsとも関わらせながら、持続可能なライフスタイルについて主体的に考えられるように工夫した授業案を作成したりしています。 以下、卒業研究のタイトルの一部を紹介します。 ・LCAを踏まえた食育に関する研究 ・地元産農林水産物を積極的に使用している飲食店の「地産地消」に関する意識 ・家庭科における水を大切にするための授業計画 ・エコクッキングの認知度、意識、実行率と今後の課題―女子学生を対象とした調査を基に― ・家庭科におけるごみ問題の教育の検討―ごみ処理施設の調査を通して― ・広がりを見せるフードバンクの成果と課題―事例調査を基に― ・持続可能な社会における古民家再生の在り方 ・子ども食堂の可能性 ・生協におけるSDGsの取り組みとSDGs達成度への貢献可能性について ・CSR報告書からみえるSDGsに対する取り組みと今後の課題
食品栄養学研究室
食品のおいしさは様々な要因で決まっています。食品のおいしさを決める要因の中に「コク」がありますが、その定義は決まっておらず、曖昧に使われてきました。研究室では、「食品のコクは、味、香り、食感のすべての刺激によって生じる総合感覚であり、これらの多くの刺激により、3つの要素である複雑さ(深み)、広がり、持続性を感じる味わいである」と定義しています。 現在、それぞれの要素を、客観的な数値で表すために研究を進めています。コクのある食品には、カレー、シチュー、豚骨ラーメンなどがありますが、これらの味わいの複雑さ、広がり、持続性を数値で表すことができれば、AI(人工知能)での評価が可能となるので、これらの研究を通して、「コクの見える化」の実現を目指しています。また、食品のコクについて世界に発信し、「コクの国際化」も目指しています。
保健養護学研究室
肥満・痩身、生活習慣の乱れ、メンタルヘルス、アレルギー疾患の増加、性に関する問題など、子供たちのかかえる健康課題は多様化・複雑化しています。このように多岐にわたる健康課題の解決に向けて、養護教諭は専門性を発揮しつつ、中核的な役割を果たしながら学校保健活動を推進していきます。より専門性の高い養護教諭を育成するために、本研究室では以下のテーマに取り組んでいます。 ・養護教諭養成課程在学生を対象としたフィジカルアセスメントに関するweb配信教材の検討 ・性別違和を感じている子どもへの対応意欲に関わる教員の個人内要因に関する研究 ・感覚処理感受性の高い子供(HSC)に関する研究 ・1次トリアージ教育についての研究 など