東海・北陸エリアのゼミ・研究室検索結果
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越智 亮研究室
本研究の目的は、スリッパや靴下の着用が転倒回避ステップ動作に与える影響について、動作解析装置と表面筋電図を用いて明らかにする事です。健常若年者18名を対象としスリッパ着用有無、靴下・裸足の4通りの組み合わせで、身体前傾姿勢から牽引解放による転倒回避ステップの運動学的データと足関節底背屈筋の筋活動量を記録しました。その結果、靴下の着用は一歩長を減少させて体幹前傾角度と下肢開脚角度の比率からなる着地姿勢の安定性の指標を減少させました。また、スリッパの着用はステップの踏み出し時に前脛骨筋の活動を増加させ、遊脚中や足接地時にヒラメ筋の筋活動量を増加させました。特に、靴下とスリッパの同時着用は転倒回避ステップにおける一歩長を短くしたり、着地姿勢の安定性を低下させたり、足関節底背屈筋の負担を増やすなど、転倒回避動作に負の影響を与える可能性が示唆されました。
植田研究室
近年、脱炭素社会の実現のため再生可能エネルギーの活用が望まれています。日本でも太陽光発電や風力発電などの導入が徐々に進んできてはいるものの、不安定な再生可能エネルギーだけでは消費電力をまかなうのは難しい状況です。燃料費の高騰などもあいまって、電力不足や電気代値上がりなどのニュースが世間を騒がせています。そこで、安定した電力供給体勢を確立するため「発電・送電設備の耐雷対策」という観点から研究に取り組んでいるのが雷研究のエキスパート、大同大学工学部電気電子工学科の植田俊明先生。 「風力発電の大きな課題のひとつに、落雷による発電機の故障が挙げられます。特に日本海沿岸で冬季に頻繁に発生する『正極性雷』と呼ばれる雷は、電荷量が高いのが特徴です。この地域にある多くの風力発電所が、この正極性雷の落雷に悩まされています。また送電線への雷撃により、停電や設備故障なども数多く発生しています。このように、耐雷対策は風力発電に限らず、すべての発電・送電設備に共通する課題です」 植田先生は、耐雷対策により発電や送電関連設備の故障を防ぐことが、安定した電力供給につながり、ひいては再生可能エネルギーの普及、そしてCO2の削減や電気代値上がりの抑制などにもつながると言います。
尾形研究室
近年のロボット技術の進歩はめざましく、オートメーション化した製造工場など、私たちの暮らしのさまざまなところで自動化・ロボット化は進んでいます。しかし、進化が進んでいるとはいえ、ロボットが人間の意図を汲み取り、思い通りに勝手に動いてくれるわけではありません。人間が思い描く目的にあわせて挙動するよう、機械やロボットはシステムや機構が設計されています。どんなに高性能なロボットであっても、思い通りに動いてもらうためには適切な「システム設計」が欠かせないのです。 「たとえば人間が無意識にしているような行動でも、紐解いていくと実は複雑なプロセスの上に成り立っています。ロボットに同じことをさせるには、その複雑なプロセスをモデル化してあげなければいけません。このとき、いかにシンプルで高精度なモデルを設計できるかが、ロボット開発の大きなポインになります。それが『システム設計』です」 そう語るのは、制御理論やシステム設計を専門にしている大同大学工学部機械システム工学科の尾形和哉先生。尾形研究室では、機械やロボットの運動性能を向上させるための考察を進めながら、機械制御の方法やシステムを検討し、実際にさまざまなロボットを製作しながら、実験研究に取り組んでいます。
藤井研究室
人々の働き方が多様化し、さまざまな価値観が生まれてきている現代。それでも多くの人々にとって労働が生活の糧であることは変わりません。たくさんの労働者が企業と雇用関係を結び、それぞれの職場で人生の大半を過ごしています。そのため「雇用に関する制度や仕組み」は、多くの人々に影響する重要な社会基盤のひとつといえます。そんな雇用制度に関して、さまざまな観点から学術的な研究をしているのが、大同大学情報学部総合情報学科の藤井浩明先生です。 「雇用などを規定する経済的な合理性や仕組みができた歴史的な経緯について、明確になっていない点は数多くあります。そこで雇用労働に関する制度や慣習を分析することで、雇用の仕組みやあり方などを考えるヒントを導き出せればと考えています」 藤井先生は、雇用制度の成り立ちや変遷などについてさまざまな文献から情報を収集して整理。さらに、各企業がどのように労働者の賃金を決定し、昇進などの人事制度をどのように進めていっているのかなど、「雇用管理」や「労使関係(雇われる労働者と雇う経営者・使用者の関係性)」について、実証的な分析・考察をしています。
伊藤研究室
屋外スポーツの場合、アスリートのパフォーマンスは天候などによって左右されます。なかでも大きな影響力をもっているのが気温です。もちろん、気温以外にもさまざまな要因が複合的に関係しているので一概にはいえません。しかし、日頃からトレーニングを積んでいるマラソン選手であっても、風量やその他の条件は同じでも気温が低かっただけで大きく記録を落としてしまう、というケースもあるのです。そこで環境温度、特に寒冷環境下での人体の運動能力について研究しているのが、大同大学情報学部総合情報学科の伊藤僚先生。 「たとえば雪山で遭難して、凍傷や低体温症になっているなどの極端な状況をイメージしてもらうと、寒冷環境では人の運動能力が落ちるということは想像しやすいと思います。しかし、マラソンなどを思い浮かべると、少し寒いくらいのほうが気持ちよくて走りやすいと感じられる方も多いのではないでしょうか。実際はどうなのか、データを収集し、科学的に分析してみようとこの研究を始めました」 伊藤研究室では環境温度が人の運動パフォーマンスにどのような影響を与えているか、さまざまなデータを収集・分析し、生理学の観点からその仕組みなどを明らかにしようとしています。
船橋研究室
大同大学建築学部(仮称)※建築学科建築専攻、インテリアデザイン専攻で教鞭をとる傍ら、建築士や空間デザイナーとしての活動も積極的に行っている船橋仁奈先生。業界の第一線で活躍を続ける船橋先生は、建築設計や空間デザインにおける実践的な学びはもちろんのこと、設計思想や建築士としての姿勢など、設計やデザインへの心構えについても自分の実体験を踏まえたリアルな情報を学生たちに提供しています。 「建築設計にも空間デザインにも、長年人々が積み上げてきたセオリーのようなものがあります。それらを学ぶことはもちろん大切ですが、その枠組みにしばられすぎてしまうと、新しい発想が生まれづらくなります。そこで学生たちには、自分たちの感性を大切にし、自身の問題として建築やインテリアに向き合うことが重要であると伝えています。一方、実務における建築士や空間デザイナーには、仕事を依頼して下さる発注者がいるため、彼らの要望に応え、新たな価値を生み出し、信頼を得ることが求められます。結果として、デザイナーとしての感性や創造力、そしてそれらを言語化し、他者とアイデアを共有するための論理的思考も同時に必要になると言えます。感性と理論の両立を目指し、ひとりよがりではなく、他者の共感を得ることのできる設計・デザインを探求していく姿勢が、何より大切なのです。」 自己の感覚と他者の感覚を理解し、「共有できる感覚」を身につけることは、建築やデザインだけでなく、あらゆるものごとの基本であり魅力である、と船橋先生は言います。 ※2024年4月、設置構想中
松本研究室
異常気象という言葉が毎年のようにニュースになる現代の日本。2004年は特に被害が大きく、土砂災害は2,537件にも上りました。国土交通省はこの年、堤防などの河川管理施設を対象に全国一斉の緊急点検を指示。しかし、現場からは「点検箇所が多く、人的な制約や時間的に厳しい」という悲鳴にも似た声があがりました。自治体の約8割から「予算制約があり十分な対策ができない」という回答も返ってきたのです。その後も激しく様変わりしていく自然の猛威に対して、少ない人員、少ない予算で点検やメンテナンスに取り組んでいく上での課題があぶり出されてきました。 こうした課題の解決には土木工学が対応するべきと話すのは、土木工学科の松本健作教授。松本教授が注目しているのは地中の「流動地下水」です。流動地下水は堤防の漏水や山地斜面の地滑りを引き起こすきっかけになりやすく、これを簡便な方法で探査/推定できれば防災につながるからです。 注目した方法は、地下1mの温度を測定して周辺と温度が違うゾーンを探る「1m深地温探査」です。複数の測定点のデータや現場の地形などから流動地下水の存在位置を高精度に特定するのですが、それには熟練の技術が必要となります。そこで松本教授は画像認識に広く使われる機械学習システムを用いて熟練技術者と同じように推定できるアプローチに挑戦しました。測定データの学習を繰り返すことでシステムの指定精度は高まり、テストでは熟練技術者に近い推定ができるところまできましたが、まだ課題も残っています。
鍋島研究室
建物内を快適な空間にしようという機運が高まる中、鍋島佑基准教授は「デシカント空調システム」に注目しています。デシカント(desiccant)とは乾燥剤のことで、水蒸気を吸着する素材を湿度調整に使います。 「デシカント空調システム」を用いて蒸し暑い夏に冷房と除湿を同時に行なっているときの流れをイメージすると、外からの湿った空気をデシカント・ローターに通すことで水蒸気を吸着し乾燥します。湿度調整が終わった空気を温度調整機構に送り、温度を下げた後、室内に供給。一方、水蒸気を吸着したローターは半回転し、熱した空気(エアコンの排熱や太陽熱など)を吹きかけて、水蒸気を脱離し外に放出します。 通常のエアコン(コンプレッサー方式)でも除湿はできますが、「結露」を原理に水分を取り除くため、過剰な冷却と加熱という相反する処理によってエネルギーの無駄が生じます。また、空調機内部に結露があるとカビが発生したりメンテナンスの手間が増えるなどの問題が生じるのです。 デシカント空調システムは、これらの問題を解消します。外気導入が前提なので、コロナ禍の室内換気にも対応。室内の空気だけ温度を下げる従来のエアコンとの差別化になっているのです。
伊藤庸一郎研究室
「新たな産業革命」とも呼ばれる今日のAI(人工知能)ブーム。企業の多くが期待をふくらませている一方で、その有用性はまだ実感できていない様子です。その理由として、企業を含めた多くの人々がAIに対してユーザー一人ひとりのニーズに向き合い、世話や面倒をみてくれる「おひとりさま」「やさしい」AIを求めている、ということが挙げられるでしょう。ただし、このような機能は、現在のAIトレンドでは実現困難とされています。 スマートデザイン学科では、1年次からAI生成プラットフォームを使用し、各人が「おひとりさま」向けの「やさしい」AIの構築に携わります。 本学科の教員の約半数は実務家教員(2023年1月現在)としてそれぞれAIビジネスや研究開発によって主な収入を得ているビジネスマンです。従来の学校教育と実社会の現場をシームレスにすることにより、学産融合を果たし、学生も在学中からAIビジネスの現場を知る機会を得て、文字通りの「アクティブラーニング」を体験し、それを自己の携わるAI開発に直結させることができるのです。 今後5年間でAI技術はさらに身近になり、もっと私たちの暮らしに身近に寄り添うAIサービスを実現することでしょう。その時、ユーザー一人ひとりに仕立てたきめの細かい、テーラーメードなAIサービスを作る、いわゆる「人間中心型AI」を作るデザイナー、「スマートデザイナー」が多く必要とされ、今の学生たちがその役割を担うことになるでしょう。その役割を果たせるよう、スマートデザイン学科では必要な専門知識や技能を習得するカリキュラムを核に、一人ひとりの感性や夢の具現化に直結する技を学びます。 そして、今、デジタルクローンとして様々な人物の感性や思考そして職能を模倣するAIを日々学生それぞれが作っています。