東海・北陸エリアのゼミ・研究室検索結果
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森長研究室
建築設計やインテリアデザインにおいて、居心地のよい空間を検討する際、私たちは空間のレイアウトや見た目、材質の肌触りや断熱性能などには気を配るものの、音についての配慮を忘れがちです。しかし、暑すぎる室内では快適に生活できないのと同じように、うるさい場所では眠りにくいし、音の反響が大きい部屋では、会話もしづらいはず。快適な空間づくりには、音環境について検討することも非常に重要です。 「室内を静かにするためには遮音をすればよいのですが、建築物の防音性能を高めるには限界があります。また、静かすぎる環境では不安を覚えて落ち着かないなど、遮音しすぎるとかえって居心地の悪い空間になってしまう場合もあります。そのため音環境について考える際は、防音や騒音削減というアプローチだけでなく、『その空間の音を人はどのように感じるのか』という視点で考えることも大切なのです」 そう語るのは、大同大学建築学部建築学科建築設計・インテリアデザイン専攻の森長 誠先生。心理音響学を専門にしている森長先生は、まちを走る自動車や電車の音など、環境騒音がもたらす人の心理的・生理的な面への影響を客観的に評価する研究に取り組んでいます。"
宮本研究室
ものづくりの現場では、材料の表面に物理的・化学的な処理を施して表面の性質を変える「表面改質」を行うことがよくあります。たとえば金属製品の多くは、材料となる金属を表面改質することで、強度や耐摩耗性、耐食性(さびにくさ)などを向上させています。この表面改質を行うために、これまでさまざまな表面処理方法が考案・実用化されてきました。身近なところでは塗装やメッキ加工、熱処理などもそのひとつ。そして、ほかにもたくさんある表面処理方法から、材料や目的に応じた方法で表面改質を実施して高品質なものづくりを実現しているのです。しかし、「これからもまだまだ新しい表面改質技術や、よりよい表面処理方法が考案・実用化されていくはず」と語るのは、大同大学工学部機械工学科の宮本 潤示先生。 「金属だけに着目してみても、世の中にはたくさんの種類の金属があり、処理条件なども考慮すると加工方法の選択肢も膨大にあります。私たちは、表面改質について研究をし尽くしたとは到底言い難く、この分野はいまだ発展途上だと思っています」 長年、金属の表面改質の研究に取り組んできた宮本先生は、まだまだ無限の可能性を秘めている表面改質の世界の追求に、さらなる情熱を燃やしています。
舟橋研究室
生活必需品から娯楽品まで、現代の私たちのまわりにはたくさんのモノがあふれ、市場に出回るさまざまな商品が過当競争にさらされています。こうした状況のなか、人々に選ばれ、競争に勝ち残っていくモノを生み出すために重要になってくるのがプロダクトデザインの力。 「市場のほとんどのモノは誰かによってデザインされています。このとき使いやすさや便利さなどの機能性に加え、見た目や質感なども追求し、どれだけ新しい価値や魅力を提案できるか、そして感情や情緒に訴える、人々から選ばれる商品を生み出していけるかはデザインにかかっています。これが『プロダクトデザイン』の意義であり、役割です」 豊富な商品やさまざまなモノがあふれる現代にこそ、今まで以上に「プロダクトデザイン」の意義が高まっていると語るのは、大同大学情報学部情報デザイン学科の舟橋 慶祐先生。舟橋先生は家具や日用品をはじめ、伝統工芸品からロボットまで多岐にわたる分野で、さまざまな領域のプロダクトデザインを手がけている現役のプロダクトデザイナー。これまでにも100円ショップで販売されている雑貨から数百万円の光学機器まで、たくさんの商品を世に送り出しています。
川福研究室
世の中に自動車が登場してから100年以上、自動車は走行性能はもちろん、安全性や乗り心地においても目覚ましい発展を遂げてきました。自動車メーカーをはじめ、さまざまな研究者たちが、あらゆる部品の改良を続け、電子制御なども組み込みながら、自動車を快適で便利な乗り物へと進化させてきたのです。そして現在も、日々さらなる改良が続けられています。大同大学工学部電気電子工学科の川福 基裕先生も「より快適なクルマ」への挑戦を続けるひとり。川福先生は、ハンドル操作に電子制御を加えることで、誰でも乗り心地のよい運転ができるクルマを目指しています。 「山道の悪路を走るテストドライバーのクルマに同乗したときのことです。彼が『今から助手席の人が快適な運転から後部座席の人が快適な運転に変えますね』と言うと、それまでロデオマシンに乗っているようだった後部座席の人の揺れがピタッと止まり、反対に快適そうだった助手席の人の頭がみるみる揺れだしました。運転者の操舵でこうも違うものかと驚きました。そしてテストドライバーが感覚で行っているハンドルの微調整を電子制御でできるようになれば、より乗り心地のよいクルマが開発できるのではと考えたのです」 こうして川福先生は、車の操舵と振動の関係を解析し、振動を抑える研究を始めたと言います。
嶋田研究室
「社会基盤」を意味するインフラストラクチャー(インフラ)。道路・鉄道や、上下水道・電気等のライフライン、公園など、私たちの生活に欠かせない基盤となる施設やサービスのことを指します。なかでも都市の成長や発展に大きく影響するのが、道路などの交通インフラです。都市のあり方は、時代やそこで暮らす人々の生活様式などとともにつねに変化していきますが、「現在日本の都市は交通インフラを再整備し、大きな転換を考えるべき時期にある」と、大同大学建築学部建築学科都市空間インフラ専攻の嶋田 喜昭先生は言います。 「特定小型原付として電動キックボードが公道を走れるようになったり、自転車のシェアリングサービスが登場していることなどに加え、自動運転技術の研究や実証実験も進んでおり、近年人々の交通事情に大きな変化が起こっていると感じています。こうした背景に合わせた交通計画を検討し、安全で安心な道路を再整備していくことが、都市の公共空間の快適性向上につながり、ひいては地域再生などにもつながっていきます」 都市計画や交通計画を専門とする嶋田先生のもと、嶋田研究室ではさまざまな観点からまちの交通インフラについて検討し、将来の道路空間整備のあり方などを提言しています。
越智 亮研究室
本研究の目的は、スリッパや靴下の着用が転倒回避ステップ動作に与える影響について、動作解析装置と表面筋電図を用いて明らかにする事です。健常若年者18名を対象としスリッパ着用有無、靴下・裸足の4通りの組み合わせで、身体前傾姿勢から牽引解放による転倒回避ステップの運動学的データと足関節底背屈筋の筋活動量を記録しました。その結果、靴下の着用は一歩長を減少させて体幹前傾角度と下肢開脚角度の比率からなる着地姿勢の安定性の指標を減少させました。また、スリッパの着用はステップの踏み出し時に前脛骨筋の活動を増加させ、遊脚中や足接地時にヒラメ筋の筋活動量を増加させました。特に、靴下とスリッパの同時着用は転倒回避ステップにおける一歩長を短くしたり、着地姿勢の安定性を低下させたり、足関節底背屈筋の負担を増やすなど、転倒回避動作に負の影響を与える可能性が示唆されました。
崔琥研究室
2018年の大阪北部地震地震において、ブロック塀が倒れて児童が亡くなる事故がありました。これを受け、全国の自治体は助成金を出してブロック塀の撤去を推進しようとしています。しかし、建築学科の崔琥教授は多少の違和感を覚えています。「ブロック塀は、指針どおりに造れば倒れません。(前述の動きは)個人的には納得できない面があります」。しかし、安全性を確認するのはかなり難しく、きちんと施工したという話を信じるしかないとも話します。 そこで崔教授は、施工不良が起きにくい新型の耐震ブロックを考案しました。ブロックは、上の段と下の段で半ブロック分ずらしながら積み上げます。ブロック同士をつなぐのはブロックと同じ材質でできた「キーブロック」と呼ばれるH型の部品。このキーブロックを左右、および上下のブロックをつなぐようにはめ込みます。ブロックが上段と下段で互い違いになっていること、キーブロックでブロック全体がつながっていることで、高い耐震性能が得られる仕組みです。またモルタルを使わないので、組み上げるのも簡単です。「これで十分、優れた耐震性を発揮します。検証のため、高さ2mの塀を造って振動台で実験したところ、既存ブロックの塀は倒れましたが、新型ブロックの塀は倒れませんでした」。 モルタルで接着しないので、ブロックは、ばらして再利用することも可能です。また、モルタルを使わないことは、国際展開でも有利に働く可能性があります。水分の凍結が起こる寒冷地ではモルタルの施工に手間がかかり、ロシアなどでは嫌われています。また、東南アジアでは専門工ではなく住民自らが施工します。水も専門工も必要としない耐震ブロックは、海外でも注目を集めるに違いありません。
松本研究室
異常気象という言葉が毎年のようにニュースになる現代の日本。2004年は特に被害が大きく、土砂災害は2,537件にも上りました。国土交通省はこの年、堤防などの河川管理施設を対象に全国一斉の緊急点検を指示。しかし、現場からは「点検箇所が多く、人的な制約や時間的に厳しい」という悲鳴にも似た声があがりました。自治体の約8割から「予算制約があり十分な対策ができない」という回答も返ってきたのです。その後も激しく様変わりしていく自然の猛威に対して、少ない人員、少ない予算で点検やメンテナンスに取り組んでいく上での課題があぶり出されてきました。 こうした課題の解決には土木工学が対応するべきと話すのは、土木工学科の松本健作教授。松本教授が注目しているのは地中の「流動地下水」です。流動地下水は堤防の漏水や山地斜面の地滑りを引き起こすきっかけになりやすく、これを簡便な方法で探査/推定できれば防災につながるからです。 注目した方法は、地下1mの温度を測定して周辺と温度が違うゾーンを探る「1m深地温探査」です。複数の測定点のデータや現場の地形などから流動地下水の存在位置を高精度に特定するのですが、それには熟練の技術が必要となります。そこで松本教授は画像認識に広く使われる機械学習システムを用いて熟練技術者と同じように推定できるアプローチに挑戦しました。測定データの学習を繰り返すことでシステムの指定精度は高まり、テストでは熟練技術者に近い推定ができるところまできましたが、まだ課題も残っています。
廣瀬研究室
学びには、効果的な進め方があります。個別の興味や価値観・特性に沿った一人ひとりに合う学びの支援が求められている今、私たちの研究室では効果的な学びの進め方に着目し、情報技術を応用して人が学ぶ活動を支援するシステムをデザイン・開発し実証を行っています。具体的には、人の学習行動をデータ化して分析し、その結果をもとに個別の学習行動を最適化するための支援手法をデザインしていきます。画像生成AIや大規模言語モデル、チャットボットやVR、メタバース等を利用した学習支援を研究しています。 変化の激しい今の社会を支えていくには、学び続けられる人が求められます。しかし、学ぶことを苦手とする人もいます。学びの対象も、体系付けされた学びやすい内容であるとは限りません。関連することも多く、複雑かつ高度になってきています。効果的な学び方を知ることで、必要に応じて効率よく自分自身をアップデートしていくことができます。