東京都立大学 公立大学
人文社会学部
人文社会学部は、人類が築いてきた知的財産を相続し、現代の問題解決の糧として役立てつつ新たな知見を加え、未来に継承する格闘と躍動の場です。人間とは何か、心とは何か、歴史とは何か、言葉とは何か……問いは無限にあります。
ここ数十年の急激な情報技術革命は、われわれの生活に刺激と効率と利便をもたらし、創造的活動の余白を広げました。スマホでググれば多くの知識と情報が立ちどころに得られます。しかし、そこで満足してしまえば大学で学ぶ意味はありません。知識と情報の根拠を吟味し、師友との協働によって、さらに深く、高く、広く、知の領野を切り開かねばなりません。そうしてこそ、混迷の時代にあってより良く生きる知恵と方途を探ることが可能になるのです。
●アドミッション・ポリシー
人文社会学部は、人間・社会・文化の広い分野について、高い専門性をもって学ぶことのできる特色を持った学部として高い評価を得てきました。人間・社会・文化への広い関心をもとに、人文社会諸学の原理や研究方法を修得することを目標としています。また、学んだ成果を言葉で表現し、発信することのできる、社会の形成者の育成を目的としています。
【求める学生像】
人間・社会・文化に関する広い関心と強い探究心を持つと同時に、人文諸科学の原理や研究方法を学ぶ意欲を持つ人
こんな学問が学べます。
- 哲学
- 文化人類学
- 比較文化学
- 歴史学
- 考古学
- 社会学
- 人間科学
- 心理学
- 社会福祉
- 語学(外国語)
- 語学(日本語)
- 言語学
- 教育学
法学部
法学部は、長年に及ぶ研究教育活動の成果を踏まえつつ、次世代に求められる法律学及び政治学に関する専門教育を行います。ネット社会化に象徴されるように、現代社会はその構造を急速に変化させています。それによりさまざまなメリットを享受できると同時に、これまで経験したことのない新たな問題も生じるようになっています。このような状況下、私たちは「一人ひとりの能力を引き出す専門教育」を心掛け、現代社会の諸問題に積極的に取り組む人材を育成しています。専門分野の基礎知識や体系的な諸理論を学ぶ講義科目と、学生の主体性が発揮される専門演習とを、車の両輪の働きをなすよう配置し、各専門分野をリードする教員をそろえています。
●アドミッション・ポリシー
私たちの日常の諸活動は、ことごとく社会秩序の安定の上に成り立っています。その秩序の形成には、公正なルールの確立とその適切な解釈と運用、さらには社会的諸力を結集させてそのルールに実効性をもたせることが必要です。そして、これこそが法学部のなかで学ばれる「法」や「政治」の働きなのです。
現代社会のグローバル化の急速な進展のなかで、環境問題や地域紛争、失業問題や社会保障不安など、さまざまな社会問題が生じて、私たちの日々の生活を脅かしています。こうした状況に適切に対応していくためには、社会の基本原理やルールを知った上で、問題の性質を自ら見極め、必要な情報を取捨選択し、問題解決の手段や方法を論理的に構成しなければなりません。このようなことから、今日、法や政治の原理的な探求が切実に求められるようになっています。
法学部では、学生一人ひとりの能力を引き出す少人数教育を通じて、現代社会の複雑性を踏まえた法的思考(legal mind)を修得し、多様な人々と協働する良き社会人としての特性(civility)を備え、現代に山積する諸問題に果敢に挑む有益な人材の育成を目的としています。
【求める学生像】
1.現代社会の諸問題を解決するために法学・政治学を学びたいと思う人
2.社会的に有意義な活動に積極的に取り組もうという意欲がある人
3.法曹、公務員、企業等、社会の第一線で活躍したい人
こんな学問が学べます。
- 法学
- 政治学
経済経営学部
自由に動く人々が社会の目的に向けて役立つよう活動するための最小限のルールとは何か、またそこで自分はどのように行動すべきか。このような問題について経済的価値と時間的価値の観点から考える学問が経済学や経営学です。
皆さんが日常生活で使っている商品やサービスは、企業や政府が生み出しています。それには、原材料となる「モノ」、企画・製造・販売する「ヒト」、活動を支える「カネ」が必要です。経済学・経営学は、これら「ヒト・モノ・カネ」にまつわる人間の行動や社会・ビジネスの発展の源泉を考えます。ロジカルに考える一方で、自由な発想と論理的な思考力を伸ばすことに適しています。今、このような経済学や経営学を理解し組織を動かすリーダーが求められており、その養成に努めています。
●アドミッション・ポリシー
社会が秩序を保ちながら大きく進化・発展していくためには、様々な人々、機関、国家の諸活動を適切に調整することが重要です。その際、2つの調整メカニズムが重要な役割を果たします。ひとつは、自由な意志を持った個人の諸行動を価格の変動を通じて自動的に調整する「市場のメカニズム」、もうひとつは、政策目標を設定し、計画を立案し、それに基づいて社会の様々な利害関係や行動を調整する「組織のメカニズム」です。前者を中心に社会を考察していくのが経済学であり、後者が広い意味での経営学です。これらは、現実により良い社会や組織を構想し実現するための両輪であり、社会や組織で起こりうる様々な問題を解決するための「政策科学」なのです。
経済経営学部では、教養教育と専門性の高い先進的な教育を通じて、社会や組織のリーダーとして、市場と組織という2つのメカニズムを理解し、社会全体を望ましい姿に導く政策立案能力と問題解決能力を涵養します。
【求める学生像】
1.経済・経営に広く関心を抱き、その事象を探り、これらの原理の解明に取り組みたい人
2.大学で学んだ知識や思考法を将来の経済・経営に活かし、社会に貢献したい人
3.ゼミナール・講義の場、その他大学における活動を通して他者と交わり、自己を向上させようとする人
こんな学問が学べます。
- 経済学
- 経営学
理学部
私たちの周りは謎に満ちています。数理にひそむ謎、宇宙や素粒子における謎、さまざまな物質を支配する法則の謎、生命誕生の謎――私たちは自然科学の手法を使って、こうした謎の解明へ一歩ずつ近づきつつあります。失敗を恐れず謎に挑戦してください。理学部は、皆さんが自分の力で自然界の謎や疑問の解決に一歩でも近づくことができるよう、実力をつける教育を実践します。しっかりした基礎力の養成、実験や実習による技術の修得や論理的な考え方の訓練、自主性を伸ばすための取り組み、大学院へもつながるカリキュラム、国際的な環境での研究体験の機会など、理学部は皆さんの真の学力を伸ばすため全力で応援します。ぜひ理学部へ来て、自然が用意した奥深い謎に正面からぶつかってください。
●アドミッション・ポリシー
理学部では、創造性に富み、夢を持ち、自然界の仕組みを明らかにしたり、人類の将来に関わる新たな課題に果敢にチャレンジしたりする研究者や技術者の育成を目指しています。したがって、理学部では、次に挙げるような資質を備えた人を求めています。
【求める学生像】
1.理学部各学科の教育目標に基づく学士課程教育を受けるにふさわしい基礎学力を備え、向上心が強く努力を惜しまない人
2.知的好奇心にあふれ、未知のものにチャレンジし、独創的な発想に富み、個性豊かに学習・研究に邁進できる人
3.倫理性に富み、自然や人類社会の現状と将来に世界的な視点から深い関心を持ち、その課題発見と解決に寄与する意欲を持っている人
こんな学問が学べます。
- 数学
- 物理学
- 化学
- 生物学
都市環境学部
都市環境学部では、都市環境を構成する自然、人間、社会、物質、エネルギー、情報、構造物・人工物、公共政策などをキーワードに、進展する都市機能と環境問題の関連性、大都市におけるエネルギーの高度利用・安定供給、インフラの老朽化と更新、大規模な災害への対応、都市・地域経済の活性化、少子高齢化への対応、多様な人々との共存、行財政運営のあり方など様々な課題を掘り下げて学び、研究します。大都市における人間社会の理想像についての学際的アプローチ、副専攻の導入、学部の提供する専門科目の履修や大学院進学の奨励、実験・実習・フィールドワークや課題解決・提案型演習の重視と多彩なインターンシップなどを通して実践的かつ多角的な判断能力や構想・提案力を養っていきます。
●アドミッション・ポリシー
都市環境学部では、都市の文化を継承しつつ、安全・安心・快適な都市環境を持続的に発展・維持させるための科学体系や施策について、専門分野ごとに、また学際的・文理融合的に掘り下げて学び、研究しています。本学部では、講義で系統的に基礎を固めるとともに、様々なフィールドワークや実験室での分析、シミュレーション、そして真摯な議論を通じて、都市環境を構成する人間、物質、エネルギー、情報、人工物、自然を解析し探究する能力を培い、都市環境の課題を発見し解決し得る先導的人材を養成する教育を行っています。
【求める学生像】
1.都市環境学部で主体的に学修して自らの夢を実現するための十分な学力と熱意を持つ人
2.広い視野と柔軟な思考力をもち、国際性を備えた巨大都市社会のリーダーになろうとする人
3.工学、自然科学、人文社会科学を融合した総合的アプローチから、多様な都市環境問題を解決しようとする意欲を持つ人
こんな学問が学べます。
- 地理学
- 観光学
- 応用化学
- 応用物理学
- 建築学・意匠
- 土木工学
- 環境学
- 環境工学
- 環境情報学
システムデザイン学部
科学技術の新たな概念や最先端テクノロジーがもたらすイノベーション(技術革新)によって、かつてはSFの世界にしかなかった技術やシステムが現実のものとなりました。それらは、多分野の複数の技術が連携・融合することで初めて実現されたものです。そうした新しい時代の技術には、人間中心のシステムの視点が求められています。本学部は、システム技術を機能と感性という二つの側面から総合的に教育研究する最先端の学部です。そして、2018年4月、社会・産業からの需要が著しく増加している情報系分野や機械系の生命分野を強化し、5学科からなる新しいシステムデザイン学部がスタート。確かな基礎に裏付けされた応用力と、豊かな創造性を持つ技術者・研究者を育みます。
●アドミッション・ポリシー
システムデザイン学部は、工学の普遍的基礎をなす機械工学、電気・電子工学、更に昨今の先端技術を支える情報科学/工学、ロボット工学、生命生体工学、そして総合工学の代表である航空宇宙工学をはじめとする各種応用分野の教育研究を行います。加えて、それら学問分野を総合して構成されるシステムを、機能と感性/アートの両面からデザインするシステムデザイン技術の創成を推進します。本学部は、複雑化した社会において人とのかかわりを大切にし、未来に夢を持ち、幅広いものの見方で新しい価値の創造に取り組む意欲がある人材の育成を目指しています。
【求める学生像】
1.先進的なシステムデザイン工学を修得するに十分な高校段階での基礎学力を持つ人
2.先進的な開発や人や環境に配慮した新しいシステムの創造に関心を持ち、機械、電気・電子、情報、航空宇宙、デザインなどの専門分野を複合・横断的に学びたい人
3.知的好奇心を持って、新しい価値の創造に積極的に取り組む意欲がある人
4.国内外の研究機関との研究交流・共同研究に興味を持ち、国際的に挑戦したい人
こんな学問が学べます。
- 機械工学
- 電気工学
- 電子工学
- デザイン工学
- 情報学
- 通信工学
- 情報工学
- システム・制御工学
- 宇宙・地球学
- 環境工学
- 環境情報学
健康福祉学部
今、日本の保健医療は大きな転換点に立っています。社会保障制度の見直し、需要供給バランスの不一致や格差拡大、専門知識・技術の高度化に伴う保健医療職の質保証等、早急に解決すべき問題が山積しています。このような状況で、質の高い保健医療を進めるには、一人ひとりの医療専門職が科学性と臨床能力を兼ね備え、どんな問題にも柔軟に対応できる応用力を持つ必要があります。しかし、何よりも必要なのは、患者や障がい者の方々、その家族や介護者の方が共に幸せになるように、常に相手を敬い、相手と一緒に歩み、相手から教わるという人間としての根本です。私たちは、明日の健康・医療を積極的に担おうという意欲と情熱にあふれた皆さんを心よりお待ちしています。
●アドミッション・ポリシー
生命の誕生から終焉に至るまでの多種・多様な健康・医療課題を有する方々と時間を共有し、その方々を敬愛し寄り添うことができ、かつ、自己の成長とともに豊かな人間性を得るために自己研鑽できる人材を求めます。
大都市の健康未来を創ることのできる実践的医療職・専門職を養成します。そのためには、幅広い教養を身につけ専門的知識・技術とともに医療的倫理観を基盤にして、患者の皆様や障がいを有する方々の病状や症状並びにその方々を取り巻く環境を把握し、様々な状況にも対応できる人材を育成します。
【求める学生像】
1.人の健康に関心を持ち、グローバル化した大都市東京の多種・多様な健康・医療課題に挑戦できる人
2.健康に問題を抱える人々を敬愛し、寄り添うことのできる豊かな人間性を有する人
3.豊かな教養と専門的学問知識(知の継承)を基盤にし、自ら考え、実践(知の応用・展開)できる人
4.現在の臨床医療の遂行にはチーム医療が不可欠であり、他の専門職を理解し協働して学ぶ姿勢を有する人
5.国際的視点を有し、異文化に対して寛容かつ柔軟に対応できる人
こんな学問が学べます。
- 看護学
- 医療技術学
- リハビリテーション・作業療法・理学療法
- 健康科学
- 保健衛生学
- 学校No.2138