TCA東京ECO動物海洋専門学校 専修学校(専門学校) / 東京都 認可 / 学校法人 滋慶学園

企業との協働による国内希少動物・トウキョウサンショウウオ保全プロジェクト
【水族館・アクアリスト専攻/野生動物&自然環境クリエーター専攻】
■課題解決に挑む学問
農学・水産学・生物>>生物学
■該当するテーマ
官公庁・公社・団体
企業や外部団体、施設などと協働することで実践力を養う

企業などからそれぞれが抱える課題の解決や要請を受け、現場を知るプロたちと共にその行程や現場を体験できる「企業プロジェクト」を実施。ショーの企画やイベント運営・商品企画・環境調査など、外部から寄せられる課題・要請は実にさまざま。それらに対してオリエンテーションや企画立案、プレゼンテーションやイベント運営、そして商品化などを実際に手掛けることで、コミュニケーション力やプレゼン力など、社会人として必要な実践力を身につけることができます。水族館・アクアリスト専攻 野生動物&自然環境クリエーター専攻では、樹木葬ができる霊園を展開する「森の墓苑」との協働により、トウキョウサンショウウオの保全に乗り出しました。「森の墓苑」の運営管理団体は「日本生態系協会」。これまでに30年以上も自然と共存するための提案を随所に行ってきました。
外部との連携で絶滅危惧種である日本固有の両生類の保全活動を
トウキョウサンショウウオは福島県・茨城県・栃木県・千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県の計7都県の水田、湿地、池、水路などに生息する、体長8~13センチの両生類。日本の固有種であるこの生き物は令和2年(2020年)4月、特定第二種国内希少野生動植物種に指定され、販売・分布を目的とした捕獲・譲渡などの行為が規制されています。また、環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧種に指定。この生き物の数が減り続けている理由として考えられるのは、都市開発による生息域と産卵場所の減少。それに加え、アメリカザリガニやアライグマなどの外来生物による捕食、そして私たち人間による乱獲も原因と考えられています。本校では今後も学内での域外保全と現地の環境保全の両輪で、トウキョウサンショウウオを次世代につないでいきます。
トウキョウサンショウウオの学内飼育と観察により見えてきた課題
学生たちはトウキョウサンショウウオの保全に向けた生態調査として、2つの方法で飼育を行いました。まず「多頭飼育」。この飼育法では広い空間を用意し、十分な餌やりをすることで常に全個体に餌がいきわたる状態を維持します。次に「個別飼育」。一つの狭いスペースに個体を3匹ずつ集め、餌やりを最低限にして空腹状態にし、共食いを促しました。これらの調査で、サイズや形状に変化は訪れるのかを観察しました。調査の結果、トウキョウサンショウウオは止水池や上陸した際の隠れ家や餌場、適度に湿度のある土壌など特殊な環境に生息しているため、生息地を簡単に変更することができないことが判明。地域ごとに遺伝子情報が異なるため、各生息地の環境を保全して守っていくことが求められる、という結論に至りました。
- 学校No.1866