静岡県のゼミ・研究室検索結果
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崔琥研究室
2018年の大阪北部地震地震において、ブロック塀が倒れて児童が亡くなる事故がありました。これを受け、全国の自治体は助成金を出してブロック塀の撤去を推進しようとしています。しかし、建築学科の崔琥教授は多少の違和感を覚えています。「ブロック塀は、指針どおりに造れば倒れません。(前述の動きは)個人的には納得できない面があります」。しかし、安全性を確認するのはかなり難しく、きちんと施工したという話を信じるしかないとも話します。 そこで崔教授は、施工不良が起きにくい新型の耐震ブロックを考案しました。ブロックは、上の段と下の段で半ブロック分ずらしながら積み上げます。ブロック同士をつなぐのはブロックと同じ材質でできた「キーブロック」と呼ばれるH型の部品。このキーブロックを左右、および上下のブロックをつなぐようにはめ込みます。ブロックが上段と下段で互い違いになっていること、キーブロックでブロック全体がつながっていることで、高い耐震性能が得られる仕組みです。またモルタルを使わないので、組み上げるのも簡単です。「これで十分、優れた耐震性を発揮します。検証のため、高さ2mの塀を造って振動台で実験したところ、既存ブロックの塀は倒れましたが、新型ブロックの塀は倒れませんでした」。 モルタルで接着しないので、ブロックは、ばらして再利用することも可能です。また、モルタルを使わないことは、国際展開でも有利に働く可能性があります。水分の凍結が起こる寒冷地ではモルタルの施工に手間がかかり、ロシアなどでは嫌われています。また、東南アジアでは専門工ではなく住民自らが施工します。水も専門工も必要としない耐震ブロックは、海外でも注目を集めるに違いありません。
松本研究室
異常気象という言葉が毎年のようにニュースになる現代の日本。2004年は特に被害が大きく、土砂災害は2,537件にも上りました。国土交通省はこの年、堤防などの河川管理施設を対象に全国一斉の緊急点検を指示。しかし、現場からは「点検箇所が多く、人的な制約や時間的に厳しい」という悲鳴にも似た声があがりました。自治体の約8割から「予算制約があり十分な対策ができない」という回答も返ってきたのです。その後も激しく様変わりしていく自然の猛威に対して、少ない人員、少ない予算で点検やメンテナンスに取り組んでいく上での課題があぶり出されてきました。 こうした課題の解決には土木工学が対応するべきと話すのは、土木工学科の松本健作教授。松本教授が注目しているのは地中の「流動地下水」です。流動地下水は堤防の漏水や山地斜面の地滑りを引き起こすきっかけになりやすく、これを簡便な方法で探査/推定できれば防災につながるからです。 注目した方法は、地下1mの温度を測定して周辺と温度が違うゾーンを探る「1m深地温探査」です。複数の測定点のデータや現場の地形などから流動地下水の存在位置を高精度に特定するのですが、それには熟練の技術が必要となります。そこで松本教授は画像認識に広く使われる機械学習システムを用いて熟練技術者と同じように推定できるアプローチに挑戦しました。測定データの学習を繰り返すことでシステムの指定精度は高まり、テストでは熟練技術者に近い推定ができるところまできましたが、まだ課題も残っています。