大きく3種に分かれる学校の種類と特徴
高校卒業後に学びたいことや将来の夢に合わせて進学先を考えよう
高校卒業後の進路として、選択できる教育・研究機関※は、
主に大学・短期大学・専門学校の3種。高校卒業者の約80%がこの3種の学校に進学しています。幅広い知識や教養が身につく大学、短期間で教養科目と専門科目を学ぶ短期大学、即戦力となる知識や技術習得を目指す専門学校と、学校の種類によって学びの目的が異なります。
※学校教育法に基づくもの
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大学
学術的かつ理論的な学問を学びながら、さらに幅広い知識や授業を身につけるための授業を行う高等教育機関。医・歯・薬・獣医学系など一部の6年制の学部・学科を除き、
基本的に4年制です。卒業すると「学士」の学位が授与されます。
※医・歯・薬・獣医学系であっても、学科・コースなどによっては4年制の場合もあります。
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メリット
整った施設・設備で、落ち着いて学術・専門的な研究ができます。
一般教養課程も充実していて、さまざまな分野への就職が可能。
また、大卒しか取れない資格もあります。
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デメリット
自分で時間割を作るなど自由度が高い分、自己管理能力が必要です。
一般的な私立大学4年間でかかる学費は約400万円と私立短期大学に比べて高額となる傾向があります。
[出典] 文部科学省「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
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短期大学
幅広い教養が身につけられると同時に、職業や実際の生活に役立つ専門性の高い能力も身につく高等教育機関。2年制または3年制で国家資格取得を目指す専攻も。
卒業すると、「短期大学士」の学位が授与されます。
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メリット
取得できる資格の種類が豊富で、大学と専門学校のいいところを併せ持ちます。就職サポートが手厚い学校が多いです。私立短期大学2年間でかかる学費は約200万円と一般的な私立大学の学費の半額程度です。
[出典] 文部科学省「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
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デメリット
2年または3年の短期間で教養科目と並行して専門科目を学ぶことになるため、大学より学生生活が忙しくなりやすいです。
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専門学校
ある特定の職業に必要な知識や技術、資格を身につけるための学科やカリキュラムで、主に職業教育を行う高等教育機関。学科によって、1年制から4年制までさまざま。卒業すると「専門士」または「高度専門士」の学位が授与されます。
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メリット
専門知識や技術が実践的に学べるので、即戦力として働ける力が身につきます。業界の第一線で活躍する人が講師の場合も。特定の職業に関する就職情報が収集されており、同じ目標や夢を持つ仲間が集まっています。
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デメリット
カリキュラムの密度が濃く学生生活が忙しくなりがち。学びが職業に直結しているので、目指す職業を変更しづらいです。専門設備で学ぶ学科では、4年制大学より1年間あたりの学費が高くなることもあります。
※メリット・デメリットおよび学費はあくまで一例であり、学校によって異なります。
大学院の基礎知識
研究を深める一般の大学院と、
高度専門職業人を育てる専門職大学院の2つがある
大学院は、これまで大学の延長として研究者の養成を目的としてきました。しかし、国際化や情報化がめざましい勢いで進み、社会の仕組みや企業の在り方が複雑化する中にあって、さまざまな分野でより高度な専門知識を持った人材が必要とされています。そうした時代のニーズに応じて、専門性の高い職業人を育てるための場、また社会人が働きながら高度な専門知識を深める場として多様化しています。現在、大学院の種類は主に2つあり、学部卒業生がさらに専門分野を深く追究して研究に取り組む一般の大学院と、専門的知識を備えた実務家を養成する「専門職大学院」に大別されます。
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研究者の養成に主眼を置く、一般の大学院
学部の研究をさらに深め、専門分野の研究に取り組む大学院です。一般的には修士課程が2年、博士課程が5年あり、博士課程は前期2年・後期3年の区分制と5年一貫制の2パターンがあります。修了後はそのまま研究者の道を目指す人もいれば、専門知識を活かして企業に就職する人もいます。
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実社会で活かす高度な能力を磨く、専門職大学院
社会的・国際的に活躍できる高度専門職業人養成のニーズの高まりに応えて、2003年に専門職大学院が設置されました。これはスペシャリストの養成機関であり、高度専門職業人として求められる理論と実務の両方を学びます。事例研究・現地調査などの実践的な教育や、実務家の教員が一定数在籍することが特徴で、さらに修了すると国家資格の受験資格が取得できる大学院もあり、具体的なキャリア形成につながります。