高校生のための進学ガイド

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学部・学科

多様化する学部・学科
学際系や文理融合って何?

志望大学を決める前にまず考えるべきは、どのような学部・学科でどんなことを学びたいのか、ということ。大学での学びは将来の夢や職業につながっていきます。 2022年度現在、大学は全国に807校あります(※)。近年、多様化している学部・学科ですが、主にどのような系統があるのか見ていきましょう。
※出典:文部科学省「令和4年度学校基本調査(大学の都道府県別学校数及び学生数)」

「学部」と「学科」の分類

専門とする学問別に大きく分類したのが「学部」
それをさらに細かく分けたのが「学科」

学部は、専門とする学問分野によって分けられた、大学内の教育・研究上の組織のこと。学科は、学部内での専攻をさらに細かく分けた組織のことを言います。例えば、文学部国文学科の場合、国内外の文学について研究する学部の中で、特に国文学について研究する学科、ということになります。入試では、一部学科別に学生を募集する学部もあるものの、ほとんどの場合、学部単位で受験し、入学してから学科を決めます。それぞれの学部は共通する特徴によって大きく人文科学系、社会科学系、自然科学系の3つに分けられますが、このカテゴリーに分類されない学部もあります。

  • 人文科学系

    人文科学とは、主に人間の精神や文化、あるいはそれらを可能にする人間自体を研究対象とする学術分野のことです。具体的には文学部、外国語学部、人文・教養・人間科学部、教育・教員養成系学部などがこのカテゴリーに属します。

  • 例1:文学部

    文学や言語をはじめ、思想や歴史、人間の生き方や文化・文明の本質などを研究していく学問分野。文学、史学、哲学など古典的な学問分野に加えて、近年では演劇、アニメやポップアートなども対象とした学科を設置したり、人文学と情報技術を結ぶ学科を設置したりと、非常に幅広い分野をカバーする学部になっています。

    例えばこんな学科

    • ・日本文学科・史学科・地理学科

    • ・心理学科・哲学科

  • 例2:外国語学部

    外国語を学んで語学力を身につけるだけではなく、地域研究・地域文化研究などを通して、その言語の背景にある歴史や文化、社会を体系的に学び、異文化への理解を深める学部。英語、フランス語、ドイツ語などの西洋言語は以前から多数存在しましたが、近年では中国語、韓国語、ベトナム語などアジア言語の学科も増加傾向に。また、グローバル人材育成に力を入れる学科が増えているのも特徴です。

    例えばこんな学科

    • ・英語学科・ヨーロッパ言語学科

    • ・国際英語学科・アジア言語学科

  • 社会科学系

    社会科学とは、国家や社会の仕組みなど人間社会のさまざまな面を、科学的に探求する学術分野のことです。法学部、経済・経営・商学部、国際関係学部、社会・社会福祉学部などがこのカテゴリーに属します。

  • 例1:経済学部

    マクロ・ミクロといった経済の理論を学ぶ学部です。グローバル化が進む中、国際的に経済を学ぶ学科や、環境問題に経済学の視点から取り組む学科、医療経営やスポーツ経営など新しい分野も拡大しています。近い分野を学ぶ学部に、企業や組織の運営やマネジメントを学ぶ経営学部や、流通の仕組みやマーケティングを学ぶ商学部があります。

    例えばこんな学科

    • ・経済学科・経営学科・金融学科

    • ・国際経済学科・環境経済学科

  • 例2:社会学部

    分野は大きく分けて2つ。一つは、人間が生み出すさまざまなコミュニティに対して、科学的・実践的にアプローチする社会学分野。もう一つは、社会福祉の制度や保険・医療など、福祉の現場で必要となる専門知識や技術を学ぶ社会福祉分野です。少子高齢化などさまざまな課題を抱える昨今、両分野ともにニーズが高まっています。

    例えばこんな学科

    • ・社会学科・メディア学科・産業関係学科

    • ・社会福祉学科・地域福祉学科

  • 自然科学系

    自然科学とは、自然現象の原理を解明し、その応用を追究する学術分野のことです。具体的には、医・歯・薬学部、看護学部、理学部、農・獣医畜産・水産学部、工学部などがこのカテゴリーに属します。

  • 例1:理学部

    物理学、化学、生物学、地学、数学など高校で学んだ理系科目を発展させて細分化した分野で、理論的かつ実験的な研究を行い、理論と実証を繰り返して、自然現象の本質に迫ります。近年では地球の環境問題を視野に入れた、環境科学系の学科も増えています。

    例えばこんな学科

    • ・数学科・物理学科・化学科

    • ・生命科学科・地球科学科

  • 例2:工学部

    自然科学を応用し、人間と社会にとって役立つものを生み出す学部。主には、電気・電子・情報系学科、資源・環境系学科、土木・建築系学科、機械工学系学科、金属・化学・エネルギー系学科に分けられ、研究内容は科学の進歩とともに進展していきます。

    例えばこんな学科

    • ・電子情報工学科・環境工学科・エネルギー工学科

    • ・ロボット工学科・航空宇宙工学科・応用自然科学科

新設・改組される学部・学科の動向

毎年生まれる多彩な学部・学科で自分に合った学びを見つけよう

1992年から続く18歳人口減少を受け、大学側は学生獲得のために魅力的な学部・学科作りに力を入れてきました。2012年に大学設置認可の厳格化が推奨されたことなどにより、設置の届出件数は一時期より減りました。しかし、ここ数年、毎年10~20前後の私立大学・短大が、医療、国際、地域、スポーツなど社会のニーズに対応した学部・学科の新設や改組を行っています(※)。研究内容が多様化したことで、名前だけ見てもどんな教育・研究が行われているのか分かりにくい学部や学科が多いのも事実。入学後のミスマッチを防ぐためにも、しっかりと情報収集しておきましょう。
※参考:文部科学省 大学設置室「大学等の設置認可申請書類等の公表ページ」

  • 学際系学部

    学際系学部とは、人文科学系、社会科学系、自然科学系の枠組みにとらわれず、学問と学問の接点(=学際)を研究する学部のことです。1990年代以降、政策や環境など社会問題を研究するため、文系理系を問わず、多彩な学問分野を取り入れる学部が続々と開設されました。特徴として、環境、情報、人間、国際、文化、地域、コミュニケーションなどが学部名となっていることが多いようです。トレンドとしては、「少子高齢化」「女性の活躍」「食の安全」など、社会課題を解決するための学問と学科系統の掛け合わせが見られます。

  • 文理融合学部

    従来、大学の学部は文系・理系に分けられることが多かったのですが、それらの融合を図ったのが文理融合学部です。文理学部、学芸学部、総合科学部、人文学部、リベラルアーツ学部といった学部がその代表です。1・2年生で文系・理系を問わずさまざまな学問を学び、3・4年生で専門分野を選択する方法のほか、4年間を通じて教養教育のみを行う学部もあり、グローバル人材の育成の面からも注目を集めています。

  • 幅広く学んでから専門を決めたい人にオススメ

    文理融合学部では、文系・理系、あるいは学科の垣根を低くして、さまざまな学問分野を広く学ぶことをコンセプトに掲げている学部が多いのが特徴。受験時に文系・理系を決めきれない人や、文系・理系の垣根を越えて学びたいと思っている人にはオススメの学部です。

学部・学科に関するQ&A
  • 似たような学部がたくさんあって迷ってしまう・・・