音楽・イベント分野の職業
音楽の権利関係に関する職業
ソニー・ミュージックパブリッシング
外国シンクロ・ライセンス部 外国ライセンス課
杉田 菜摘さん
Profile![]()
入社年
2022年
出身
東京都
学生時代専攻していた学部学科
教養学部 人類学専攻
今の職業を目指したきっかけ
仕事は生活の大部分を占めるので、せっかくなら自分が好きな分野に関わりたいと思っており、その中の一つに音楽がありました。幼少期や学生時代に9年ほど海外で過ごしていたのですが、そこで日本の音楽を通して友達ができたり、海外の音楽をきっかけにその国の言語や文化に関心を持ったりという経験をしました。それを機に、音楽を通じて海外との文化の橋渡しになるような仕事ができたらいいなと思い、ソニーミュージックグループへの入社を決めました。音楽の権利の仕事は配属発表で初めて知りました。
Q.仕事内容を教えてください。
海外と日本の間に立ち
楽曲の使用可否を慎重に交渉
私は外国ライセンス課に所属しており、主に「ライセンス業務」を担当しています。「ライセンス業務」とは、楽曲を使用したい使用者と楽曲の著作権を持つ権利者の間に立ち、許諾の可否の確認や条件の調整を進める仕事です。海外から現地の関連会社を通じて国内の楽曲を使用したいという申請もあれば、逆もあります。国を越えて海外の言語を使いながら、相手の顔が見えないメールで交渉するため、やり取りの中で使用条件などの誤解が生まれないように、細かなニュアンスを汲み取りながら伝えることを心がけています。
Voice!
人と人の間に立つ仕事のため、丁寧なコミュニケーションが大切。両者が気持ち良くスムーズに確認できるような伝え方が重要だと日々感じています。
Note1
使用者や権利者との密な連絡で
納得のいくポイントを探る
使用者と権利者の間に立ち、楽曲使用に関する交渉をする立場のため、双方の希望の板挟みになってしまうこともあります。なかなか話が前に進まないときには「どのように折り合いをつければ良いのだろう……」と悩む場面や、初めて対応するような事案もあり、経験が豊富な先輩に相談しながら、日々学んでいます。コミュニケーションを丁寧にとりながら、双方の納得がいくように探るのは大変ですが、担当したライセンス申請に無事許諾が下りて世の中に出た際や、使用者や権利者から感謝されたときには、頑張って良かったなとやりがいを感じます。
Note2
楽曲使用料支払いに関する仕事を兼務
毎日のタスク管理で効率良く進める
「権利の登録/使用料の分配業務」も兼務しています。楽曲使用の際に発生する著作権使用料を正しく集めるため、作家名や権利率などの情報を整理してデータベースへ登録し、集まった使用料を国内の権利者へ分配する仕事です。細かく地道な作業なので集中できる時間を確保したり、支払日から逆算して経理に提出する資料を作成したり、スケジュール計画が大切です。業務の幅も多岐にわたるため、限られた時間の中でスムーズにこなせるように毎朝タスクを書き出し、優先順位をつけて作業をするように心がけています。
Q.1日のスケジュールは?
音楽の権利に関する職業の1日!
\スタート!/
9:30
出勤
フレックス制のため、出勤時間は日によって異なります。時差のある海外とのやりとりがある仕事なので、深夜に来ていたメールを確認しながら、その日のタスクを整理します。
10:00
会議
部署内の会議が週1回あります。対応中の申請に関する進行報告や相談、共有事項などをメンバー同士で話し合います。
12:30
お昼休憩
社食だったり、近所のお店を開拓したりと日によってさまざま。同じ部署の同僚と食べたり、他部署の同期とランチしたり。アイドルやアニメなど、エンタメの話題で盛り上がることも多いです。
13:30
ライセンス申請の対応
メインの業務である、ライセンスの申請に関するタスクを進めます。朝リストアップしたタスクと並行して、時差の少ないアジア圏と、リアルタイムでメールのやりとりをします。
15:00
著作権使用料の分配業務
著作権使用料の支払い時期が近づくと、締日に向けて準備作業を進めます。お金を扱うため、集中して作業できる時間を確保するように心がけています。
17:00
新規楽曲登録
新しくリリースされた楽曲の権利情報をデータベースに登録します。作家名や権利率などのデータ登録は、正しく楽曲使用料を徴収してもらうために必要な業務です。
18:30
終業
翌日のタスクをまとめて業務を終了します。業務が立て込む時期には残業をすることも。
Q.お仕事に必要なスキルは?
情報収集力や情報整理能力が求められる
円滑なコミュニケーションも大切
ライセンス業務では細かい使用内容や条件を扱うことが多いため、情報収集や情報整理をする力が求められます。また、権利者や申請者、社内スタッフなど、関係各所とのやりとりが多いため、コミュニケーションを取ることが得意な人にも向いていると思います。さらに、特に詳しい音楽ジャンルがあると業務でも活かせる場面があります。同僚の中には法学部出身で学生時代から著作権を勉強している方もいますが、私はこれまで著作権に全く触れたことがありませんでした。入社後に研修を受けたり、先輩方から教えていただいたりして、音楽の権利の種類や使用する際の手続きについて学びました。
Q.お仕事の魅力を教えてください。
携わったライセンス使用が多くの人に届く喜び
好きな音楽の知識を仕事で活かす
国境を超えて、楽曲を多くの人に広めるお手伝いができるのがこの仕事の魅力だと思います。以前、ある海外のアーティストから、DVD化がされるライブで日本の曲をカバーしたいとの申請がありました。無事に許諾が出て実際にライブでその曲が歌われたのですが、その様子が大きな話題となったんです。自分が確認に携わったライセンス使用が多くの人に届き、楽曲が再注目されるきっかけとなったことを知り、とても嬉しく大きなやりがいを感じました。また、配属前は著作権に関わる仕事って「なんだか堅そうだな……」と感じていたのですが、やってみると実はクリエイティブな部分もあったのが意外でした。私の部署では、海外の提携会社から「映画で使う曲を探している会社があり、イメージにあった曲を提案してほしい」という依頼がくることも。想像を膨らませながら、自分の感性を活かして提案できる場面があり、とても楽しかったです。
高校生へメッセージ
「自分の好きなことはなんだろう」身近な経験から将来の可能性を探してみて
将来の仕事を考えたとき、何を基準に選べば良いのか悩む人もいるかと思いますが、私のように、好きなことや興味のあること、嬉しかった経験はなんだろうという観点から考えてみるのもいいかもしれません。 私自身、高校生の頃は明確な進路を考えられていませんでしたが、思い返せば純粋に目の前のことに
取り組んだ経験や感じたことが、進路を決める際にとても役に立ったと感じています。自分が一番納得できる、後悔のない選択ができるよう願っています!
※記事内容は、2026年2月取材時点のものです。