健康・スポーツ分野の職業
審判員
日本ラグビーフットボール協会
ハイパフォーマンス部門 プロフェッショナルレフリー
古瀬 健樹さん
Profile![]()
入社年
2024年(契約開始時)
出身
福岡県
学生時代専攻していた学部学科
商学部 国際貿易・開発経済学研究
今の職業を目指したきっかけ
通っていた中高一貫校で、ラグビーのプレーヤーとして活動をしていました。高校進学の際に授業のカリキュラムとの兼ね合いでプレーを続けられなくなり、この先どうラグビーと関われるのか考え、レフリーにシフトしました。そして高校の時に日本ラグビー協会の若手を育てるタレント発掘プログラムに参加し、活動を本格的に始めました。大学進学後もラグビー部に所属しレフリーとして活動を続けていました。進路選択のタイミングで、得意な英語とレフリー経験を活かして海外でも活躍できる存在になりたいと目標を定めました。協会との相談・交渉を重ねた結果、プロレフリーとして業務委託契約することができました。
Q.仕事内容を教えてください。
試合の旋律を創る決断と調和
重責を支える体づくりも
メインはやはりレフリー業務です。レフリーとは、スポーツの試合において競技規則に基づいて進行・管理する仕事のことで、国内外で行われる試合に参加します。それぞれの試合後に行うレビュー(判定を再評価・修正するプロセス)も大切な仕事です。試合後にレフリー側からの視点を伝えるなどの、日本代表チームのサポートの仕事もあります。また試合を円滑に支えるためにトレーニングをする、体づくりも仕事の一環です。時に取材対応などもします。
Voice!
ラグビーの審判員は例えるならオーケストラの『指揮者』のような役割です。試合全体を見ながら笛を吹く吹かないを瞬時に責任を持って取捨選択し、ゲーム全体の流れを担っていく仕事だと思っています。
Note1
熱狂のシーズンを駆け抜け
次へ繋げる勝利の解析
ラグビーのリーグワンのシーズンは12月〜6月で、10月頃から準備が始まるため、ここが一番大きな仕事となります。土日に開催される試合へレフリーとして参加し、平日には担当した試合のレビューと、他の方が担当した試合のレビューをシステムに入力。週の後半には次の試合に向けたプレビュー(次の試合に向けた準備作業)を行うなど、ルーティーンを回していきます。レビュー、プレビュー共にできるだけ細かく行い、審判員同士が集まりオンラインでミーティングを行うなど、それが次の試合の運営に関わってくるので、実際のレフリー業務としての動きと共にとても大切な作業です。
Note2
心技体を日々鍛え準備
最高のプレーを支える
審判員としての業務の合間にジムでのトレーニングやグランドでのフィットネストレーニングも行います。特に気をつけていることは、国内外で多くの試合を担当するために、常に一貫した準備を行うこと、加えて自身の体調やコンディションもシーズンを通して維持していくことです。6月のシーズン終了後には休む間もなく非常に重要な国際試合がありますので、1年間しっかりとパフォーマンスを発揮できる準備が重要になってきます。ラグビーの審判員は試合中に他の競技に比べて選手とコミュニケーションをとる機会も多いので、国際試合などにも必要な英語力を保てるようにしています。
Q.1日のスケジュールは?
オフィスで試合後のレビュー管理をした1日!
\スタート!/
7:30
トレーニング
自宅近くのジムにてトレーニング。週に一回体を休ませる日をもうける以外は常に体づくりは意識しています。
10:30
出社
メール等の対応が終わり次第、週末の試合のレビュー作業に入ります。12月から6月までの間に大体20試合程度は担当します。
13:00
お昼休憩
終了次第、お昼休憩。レフリーコーチや同じ部門の方とランチ。
14:00
レビュー再開
他の試合のレビューを行い、どのような事象が起きたのかを把握。自分以外のレフリーの試合を見てブラッシュアップするのも大切です。
16:00
MTG
他のレフリーを交えたグループで、週末の試合に向けたオンラインでのレビューMTGを行います。その後それぞれが担当した試合の傾向やチームの分析などをし、資料としてまとめます。
18:00
一旦帰宅
レビューが終わり次第一旦帰宅します。
20:00
オンラインMTG
審判員のディビジョン(編成チーム)で起きた事象を共有するレビューMTGにオンラインで参加することも。
22:00
終業
業務終了します。
Q.お仕事に必要なスキルは?
ピッチに立つ覚悟を支える
揺るがぬ自己管理能力
試合を担当するためには、ライセンスを取得しなければなりませんが、必ずスキルがなければレフリーをできないということはありません。業務委託契約チームに所属し契約している人や、プレーヤー後に転向した人、教師など他の仕事をしながらも続けている人もいます。女性レフリーも活躍しています。レフリーは一人で行う業務も多いため、責任感がある人や自己管理能力が高い人は向いているかもしれません。この仕事についてからさらに英語力の必要性を感じましたし、触れる機会も多いので英語力は向上すると思います。またレフリーも選手と同じようにグランドを走り回る必要があるため、体力や体づくりは高い基準が求められます。トレーニングは欠かさず行う必要がありますね。
Q.お仕事の魅力を教えてください。
何ものにも代え難い
試合後に包まれる達成感
プレーヤーとは違う立場ではあるもの、大好きなラグビーというスポーツに関われていること、そしてレフリーとして選手と同じピッチに立ち試合を作っていく一員であることは非常にやりがいを感じます。試合を1試合担当した後に感じる達成感は言葉にし難いものがありますし、常に同じ感情ではなく、試合によって色々な感情を味わえることも面白い部分です。2024-25年シーズンにリーグワンのレフリーを国立競技場で担当したことは一番印象に残っています。シーズンを走り切った最後に決勝の舞台でレフリーすることを目標に全員が活動しているので、それが実現したことを誇りに思っています。
高校生へメッセージ
広い視野で選択肢を狭めず好きを極める!
例えば今レフリーになりたいと思っている人も、色々な選択肢があると思うので、早い段階で選択肢を狭めずに広い視野を持って欲しいです。僕も今はレフリーをやっていますが、ラグビーという競技が大好きだという気
持ちが原点です。たまたまプレーヤーとは違う角度で道が開けて今に至ります。好きなことを極めれば仕事につながることもあると思うので、まずは自分の得意なことを伸ばしていただきたいです。
※記事内容は、2026年3月取材時点のものです。