健康・スポーツ分野の職業
監督・コーチ
駒澤大学
硬式野球部 ヘッドコーチ
林 裕也さん
Profile![]()
入社年
2019年
出身
北海道
学生時代専攻していた学部学科
経済学部 経済学科
今の職業を目指したきっかけ
高校時代、野球部のキャプテンを務め、甲子園では複数回の出場・優勝を経験しました。大学卒業後は、社会人野球で9年ほどプレーし、その後コーチに就任しました。高校生の頃からコーチを目指していたわけではありませんが、キャプテンとしての経験や当時の監督の言葉もあり、指導者という選択肢を意識するようになりました。社会人野球を経験し、今後の進路を考えていたタイミングで、当時の野球部監督から声をかけていただきました。伝統ある駒澤大学の野球部に携われること、監督の考え方に惹かれたのもあり、「指導者に挑戦してみよう」と思ったことがきっかけです。
Q.仕事内容を教えてください。
技術から生活・メンタル面まで!
トータル指導でとことん選手に向き合う
チームとしての方向性を決めるのは監督ですが、私はその方針に基づきながら、より具体的な選手指導を担当しています。その中でも特に大切にしているのが生活指導です。コーチというと技術面の指導をイメージされることが多いですが、大学生はまだ心身ともに成長途中の年代です。また、野球は個人競技ではなくチーム競技。誘惑の多い学生生活の中では、少しの気の緩みが部全体の雰囲気に影響してしまうこともあります。そのため、技術を磨くだけでなく、チーム全体が同じ目標に向かって進むためにも、学業や生活面も含めて、引き締めるところはしっかり引き締めながら選手たちが高い志を持って取り組める環境づくりをするようにしています。また、メンタル面のサポートもコーチの大切な役割のひとつです。技術面に関する悩みだけでなく、ときには進路相談に乗ることもあります。
Voice!
野球はポジションによって必要な技術やトレーニングの内容が異なるため、コーチも複数人で分担して指導しています。私は現在はヘッドコーチとしてコーチ陣全体の統括を担っていますが、もともと外野手・内野手・打者などの指導を担当していました。
Note1
選手の自主性・自発性を尊重したコーチング
生活面も含めた“指導”と聞くと、少し厳しいように聞こえますが、基本的には選手の自主性や主体性を尊重しながら指導するように心がけています。もちろん、選手がだらけてしまったり、チームの士気が下がらないよう、必要な場面ではしっかり指導します。ただ、厳しさだけを押し付けるコーチングにはならないよう、過度な規則は設けず、全学年の選手がプレーに集中できるように気をつけています。
Note2
選手とのコミュニケーションはオン/オフのスイッチが大切
生活面での指導も行っているため、基本的にほぼ毎日、選手とともに過ごしています。以前は、一緒に寮に住んでいたこともありました。オフの時間も一緒に過ごすことになるため、コミュニケーションの取り方はとても重要です。練習中や指導中の“オン”の時間は、気を引き締めて指導をしています。一方で、悩みを相談しやすい存在でいられるよう、“オフ”の時間には「気のいい兄貴分」のような距離感で雑談をすることもあります。
Q.1日のスケジュールは?
練習日の1日!
\スタート!/
6:30
出勤・掃除の見回り
選手たちは起床後にグラウンドや寮の掃除を行うため、起床前に出勤し、掃除の見回りを行います。
7:00
朝礼ミーティング
短時間でも必ずミーティングを実施します。試合の予定や振り返りだけでなく、生活面や学業についての話もしています。
7:30
スタッフミーティング
練習開始前に、監督を含めたスタッフ全員で、練習メニューや試合方針のすり合わせを行います。
8:00
グラウンドイン
グラウンドに入り、練習を開始します。活動中は選手と一緒にグラウンドに立ち、近くで動きを見ながら指導をしています。
11:30
昼食
練習の合間を見て、監督や他のコーチと一緒に昼食をとっています。
18:00
練習終了・ミーティング
夕方ごろまで練習を行い、終了後は振り返りのミーティングを実施します。人数が多いため、指導内容に齟齬が生まれないよう、ミーティングの時間を大切にしています。
19:00
終業
明日の練習もしくは試合のスケジュールを確認のうえ、退勤します。
Q.お仕事に必要なスキルは?
チームや選手一人ひとりを“見る力”と
根気強く“向き合う力”が何より大切
プロを目指す選手もいる世界なので、もちろん指導者として技術的な引き出しを持っていることは必要だと思います。ただ、技術や指導力以上に大切なのは、“見る力”と“向き合う力”だと思います。伝え方も重要ですが、まずは一人ひとりの特性や状態に合ったアドバイスをする必要があり、そのためには、普段から選手のことをしっかり理解しておかなければなりません。また、指導を受けたいと思ってもらえる存在であるためにも、ときには粘り強く、選手の本気に真摯に向き合う姿勢が大切だと感じています。
Q.お仕事の魅力を教えてください。
チームや選手がいい方向に
向かっていくときの達成感
コーチは、いわば縁の下の力持ちです。選手との信頼関係や、チームとしての力をコツコツと積み上げていくことが大事な仕事です。だからこそ、その積み重ねが周囲に認められたり、結果として表れたときには、何にも代えがたい達成感があります。戦績や優勝など、目に見える成果はもちろんですが、周囲から「変わったね」「よくなったね」と声をかけてもらえたときには、がんばってきてよかったと改めて感じます。また、野球は技術や戦略も含めて複雑な競技です。指導の一つひとつが選手にとって大きな分岐点になることもあります。だからこそ、教え子たちが自分のアドバイスを受けながら成長していく姿を見るたびに、誇らしい気持ちになります。
高校生へメッセージ
まずは「好きなこと」「興味を持てること」を見つけてほしい
好きな気持ち、挑戦し続ける気持ちが大切
何事も、すべてが上手くいく世界ではないし、高校生のうちから将来の進路を明確に決めるのは難しいことだと思います。私自身も、高校生の頃からコーチを目指していたわけではありません。ただ、自分自身が「やり
たい」「やってみたい」と思えることの方が、長く続けやすいと思います。今はまだたくさんの選択肢がある時期だからこそ、自分が少しでも挑戦したいと思えること、興味を持てることを見つけて欲しいです。
※記事内容は、2026年4月取材時点のものです。