建築・土木・インテリア分野の職業
建築士
大和ハウス工業株式会社
東京本店
流通店舗設計部 第三部 第三課
安藤 汐里さん
Profile![]()
入社年
2022年
出身
愛知県
学生時代専攻していた学部学科
工学部建築学科 住居デザイン専攻
今の職業を目指したきっかけ
幼い頃から美術館や商業施設等の大きな建物、ミニチュア模型の作品を見ることが大好きでした。また、中学時代は合唱部に所属していて、舞台に立つ際にいつも会場の構造等が気になっていました。その興味がいつしか「自身で建物を設計したい」「街に自身が設計にした建物を建てたい」という思いに変わり、建築士を目指すようになりました。父親が建築系の学科を卒業していたため、建築の道に進むことを応援してくれたことも後押しになったと思います。
Q.仕事内容を教えてください。
建物の設計を行う
営業が取得した土地に、お客さまが希望する用途の建物を建てられるか検討した後、その建物の図面を描くことが主な業務です。また図面作成と並行してお客さまと打ち合わせを行い、要望をヒアリングしながら図面に反映させていきます。その他、建物を建築するにあたり法令や条例などで役所に提出するよう定められている資料の作成や、役所協議なども行います。私は入社以来、実務経験を積みながら、入社1年目の2022年に二級建築士の資格を取得し、2023年には一級建築士の試験にも合格しました(*)。建物を支える骨組みとなる構造の設計については、必要な資格も異なるので、別の部署が担当。私は建物の間取りやデザインの設計のみを行っています。
*一級建築士を名乗るためには2年以上の実務経験が必要なため、現在は二級建築士となります。
Voice!
ミスを防いで自身でお客さまに説明できるよう、分からないことは上司や先輩に恥ずかしがらず確認し、理解できるまで聞くように心がけています!
Note1
設計する時に最も気をつけるのは法規関係
例えばその地域で決まっている高さの制限、容積、防火規定などの法令を守らないと違反建築物となってしまいます。一般的な住宅よりも店舗は面積が広いことがほとんどで、建物が大きければ大きいほど制限も厳しくなります。そのため図面チェックは念入りに行っています。また、大きな物件、特にホテルは構造や法規制、テナントの仕様が細かく定められていて、より複雑なこともあり、二人以上の設計担当者が付くことが多いです。一人の負担を減らし、分担して作業できることが残業時間の削減にもつながり、ダブルチェックでミスを減らせるという利点があります。
Note2
予算に合わせた素材の選定等
設計パターンをいくつか作成する
私の所属する部署では、店舗やホテル、事務所、オフィスビル、共同住宅など様々な用途の建物を設計していますが、その中でも私は共同住宅や老人ホームを担当しています。建物に入居するテナントの予算内で最適な設計をしなければならないのですが、お客さまの要望をすべて反映できない場合でも、使う素材(内装材・外壁など)を変えて多くの提案をして選択肢を増やすことで、要望に近しくなるように心掛けています。
Q.1日のスケジュールは?
デスクワークの日の1日!
\スタート!/
7:45
出社
メールやチャット、1日の業務内容等の確認を行います。
8:00
朝礼
毎週水曜日以外は部署全体の朝礼にオンラインで参加します。
8:15
企画図・実施図面(一般図)の作成
営業が取得した土地に希望の用途の建物を建てられるか検証し、検証後はお客さまに提案する企画図(単線の図面)を作成。その後、実際に建てる建物の壁などの厚みも考慮した実施図面を作成します。
10:00
DR(デザインレビュー)会議
自身が担当する案件を発表し、意見交換を行うDR(デザインレビュー)会議にオンラインで参加します。気になることを質問し、他の担当者が手掛ける物件を知ることで設計の知識を身につけます。
12:15
お昼休憩
社員食堂を利用したり、近隣にはお店もたくさんあるので、同じフロアの先輩とランチしたりすることも多いです。
13:15
書類作成
行政や審査機関に提出する書類は、図面の他にも膨大にあるので、毎日何かしらの資料を作成しています。
16:00
所属部門のミーティング
週一回、自身の所属する部署で会議を行い、社内事項や失敗事例等、様々な情報を部署全体に共有します。
17:00
終業
本日もお疲れ様でした!
Q.お仕事に必要なスキルは?
人前に立ち、自分の考えを
分かりやすく説明するスキルも重要
設計部は図面を描くだけと思われがちですが、お客さまとの打ち合わせはもちろん、他部署(構造や設備部門等)との社内打ち合わせの取りまとめや会議の進行も行います。はじめは緊張してうまく話せず、分かりやすく伝える難しさを感じることも多くありました。さまざまな部署や関係者との協力が欠かせない、自身だけではできない仕事がゆえに、「人前で話し、説明するスキル」が非常に重要です。学生のうちから人前で発表する経験をたくさん積んで、自分の考えをまとめて人前で話すことに慣れておくと良いと思います。また、入社後一番驚いた点は、1つの建物を建てるために本当に多くの人が携わり、長い時間を掛けて出来上がるという点。大学時代は、コストのことや安全性、法規、構造上の問題等は考えず、デザイン性を重視して設計の課題に取り組んでいたので、完成までの裏側を知ってものすごく驚きました。
Q.お仕事の魅力を教えてください。
「建物を建てた」という成果を
残せることが最大の魅力
長い時間を掛けて設計し、何度も図面を描いては描き直しての繰り返しで大変な過程はありますが、それが実際に建物として数十年も残り続け、誰かの生活の一部として使われるなんて、すごいことだと思います。そんな建築士としての喜びを初めて実感したのは、入社1年目で初めてドラッグストアの設計を担当した時のこと。どのように図面を描くのか、建物の壁や天井の納まり、法令等、何も分からない状態だったので、今ではあまり時間がかからないような内容でも、当時は時間が掛かり非常に苦労しました。しかし、図面作成から1年ほどかけて完成した建物を見た時、「初めて自分の設計した建物が建ったんだ」と実感し、とても感動しました。さほど大きい建物ではありませんでしたが、私にとっては唯一のものです。この先色々な建物を設計しても、一番印象に残るのはこのドラッグストアだと思います。お客さまが感動されていた表情やその時いただいた言葉を今でも覚えています。私が所属する流通店舗設計部では、たくさんの人が訪れる大規模な建物を担当しているため、一般住宅とはまた違った魅力があると思います。また、時代とともに建物のデザインや構造もどんどん進化していくので、最先端の建築にチャレンジできるところも魅力のひとつだと思います。
高校生へメッセージ
自分の好きなことへの興味と好奇心で、思うまま突き進んでみよう!
今、具体的にやりたいことが見つからなかったとしても、大学に入って将来考える時に、それまでの自分の興味関心から何がやりたいのか見えてくると思います。建築系のお仕事には、外装や内装のデザイン、住宅や大型施設等の設計、設備、構造等、幅広い分野があります。私も実際、高校生の時点では何が
やりたいか具体的なことは決まっていませんでしたが、「建物が好き」といった興味と好奇心で突き進み、建築の中でもデザインのことが学べる大学へ進学。建築士としてここまできています。考える時間と選択肢はたくさんあるので焦らず考えて選択してください!
※記事内容は、2024年11月取材時点のものです。