【人間科学部 地域未来学科】
■課題解決に挑む学問
経済・経営・商学>>経営学
■該当するテーマ
経済
地域の生産性をいかに高めるかに関して、多角的に調査研究!
地域創生・SDGsや地場の基幹産業振興、地域リーダー人財養成などを専門とする木村先生は、「地域の生産性をいかに高めるか」を調査研究しています。「その地域が何で成り立っているかは、地域によって違います。それが製造業でも建築業でも農業でも、基幹産業の生産性が低い地域は停滞しがちです」と木村先生は言います。「リンゴ農家は果実の品質を上げるために間引きをしますが、それを廃棄するにも費用が必要です。この状態では生産性が高いとは言えません。しかし間引きしたリンゴをシードルにする工場があれば、廃棄費用が不要になるだけでなく、商品化による利益が見込めます。つまり地域の生産性は上がります。リンゴ農家と廃棄品を使って工場を運営したい人をマッチングするのが、私の仕事の一つです」と木村先生。しかし、地域で生産性を上げ、雇用の場を創れる人財がまだまだ不足しています。「地域で働く担い手の養成が急務なのです」。
全体最適と部分・個別最適。地域創生に重要なのは?
「多くのシャッターが閉まっている商店街では、一つの空き店舗に動きを創っても全体の底上げにはなりません。時代の移り変わりとともに商店街のあり方や役割も変化しています。今の商店街の役割を考えることが大切です」。商店街を盛り上げる際にすべての店を一つとして考える「全体最適」と、できる範囲で一番適した状態にする「部分・個別最適」があります。どちらも大切ですが、地域創生を考える場合は違う視点が必要です。「青森県八戸市にある『はっち』と呼ばれるミュージアムは、市民が企画したことを実現する場として、多目的スペースやギャラリーを設けるなど、整備しました。一部分に焦点をあてて最適を目指す『個別最適』を実践したケースです。市民のニーズを形にしたら人の流れが変わり、現在では産業・観光振興のため事業をともに行う場になりました。今後の地域創生を考えるうえで、市民との対話が重要です」と木村先生は言います。
学生の力を引き出し、伸ばすのが大学の役割!
基幹産業の生産性を上げるうえで人と人をつなぐ、地域で働く担い手であるリーダー・プロデューサーが必要。木村先生は「4年間の学びを通して、学生一人ひとりの能力を引き出し伸ばすのが大学」と言います。木村先生のゼミでは聴いた人が行動したくなるプレゼン方法をはじめ、良好な人間関係を築くうえで大切な自己理解・他者理解、「五感六育」、3C分析やSWOT分析などのマーケティング手法を体験的に学ぶ機会が豊富です。「例えばアメリカで1989年に出版されたスティーブン・R・コヴィー博士の『7つの習慣』では、個人や人間関係の効果性を最大限に高めるために実践すべき内容が紹介されています。私は学生たちに、そこに何か一つを加えるとしたら何が良いと思うのかを聴きます。最初は私の問いかけが必要でも、くり返すうちに自分で問いを立てられるようになります。そこで育まれた素養は、リーダー・プロデューサー人財として役立つことでしょう」。