SOLUTIONS WEB 2025
SOLUTIONS WEB
2025

東京工学院専門学校

Contents01
地域の方々と文化的につながる場所を創造したい!音楽の力でチャレンジ

地域の方々と文化的につながる場所を創造したい!音楽の力でチャレンジ 【ミュージック科】

■課題解決に挑む学問
社会学・マスコミ・観光>>地域社会
■該当するテーマ
豊かな暮らし

地域の課題「幅広い世代に愛される場所づくり」に取り組む

地域の課題「幅広い世代に愛される場所づくり」に取り組む 私たちの豊かな暮らしにとって、地域文化の発展と交流は欠かせないものです。中でも各自治体は、文化振興事業には力を入れており、幅広い世代に愛される場所づくりを目指している公共施設も数多く存在しています。東京工学院専門学校ミュージック科では、2023年12月から始まった学外でのライブ活動が徐々に好評を呼び「専門学校生たちの若い力に期待して何かできないか一緒に考えてほしい」という民間企業や地域からご相談を受けることが増えるようになりました。時間にゆとりのある高齢者層や、日々を忙しく過ごすZ世代も喜んで訪れたくなるような場所づくりをしたいという志のもと、私たちは全力でこの課題に取り組むことにしました。

自信を持って実社会に羽ばたける人材づくりにつながる学びがある

自信を持って実社会に羽ばたける人材づくりにつながる学びがある まず、ライブのゴールを「音楽の力で、幅広い世代に喜ばれるステージづくりと集客を実現する」と設定し、プロジェクトをスタートしました。そこで以前、音楽フェスで繋がったアーティストたちと連携し、どんなプログラムにするかというコンセプトづくりと、クリスマスシーズンということで季節感をふんだんに取り入れたセットリストや演出に取り組みました。ただ、それぞれスタッフが頭に浮かぶイメージはあっても、それを仲間と共有し具現化していく作業は、学校で学ぶ以上に高いコミュニケーションスキルと結束力が必要とされます。学生たちが、実社会に出る前にこういった経験をできることは、大変貴重な機会であり、同時に名誉なことでもあります。在学中にこういった経験を1つでも多く積み重ねれば、社会に出てから自信をもって活躍できる人材になると確信しています。

学科を超え学生たちで企画運営した結果が、心の成長につながる

学科を超え学生たちで企画運営した結果が、心の成長につながる とはいえ、これまで経験してきた学外ライブの中で最も大きなホールでの開催だったため、集客人数が懸念されていましたが、いざ開催してみると想定以上の入場者数があり、目標を大きく超える結果となりました。また、ライブパフォーマンスも「過去最高の仕上がり」と担当教員たちが口を揃えて讃えるほどのクオリティで、予想を上回る大成功を収めることができました。
誰もがSNSで簡単に音楽パフォーマンスを発信できるこの時代に、個人の利益ではなく「みんなで幅広く楽しむためにできることは何か」をチーム一丸となって取り組み、さらには大人たちのプレッシャーに負けず目標を達成できたことは素晴らしい成果であり、新たなスキルを得たという自信や達成感にも繋がったようです。同時に、学生たちの心の器まで大きくしてくれたと感じずにはいられません。

Contents02
災害への備えを自分事としてとらえ、地域社会へ発信する

災害への備えを自分事としてとらえ、地域社会へ発信する 【情報システム科】

■課題解決に挑む学問
情報学・通信>>情報学
■該当するテーマ
健康・安全

時間や距離の隔たりが、防災を他人事にしてしまいがち

時間や距離の隔たりが、防災を他人事にしてしまいがち 地震や豪雨など、最近では毎年のように災害が起きています。近い将来、大地震とそれに伴う大きな被害が予想されており、被害を最小限にとどめるために、日頃から備えの重要性が繰り返し叫ばれています。
しかし、災害の記憶や防災への意識も、日々の生活によって薄れてしまいがちです。大きな被害が報じられていても、住まいから遠く離れた場所での災害は、どこか他人事として受け止めてしまうこともあります。そんな中、2024年元日に起きた能登半島地震をきっかけに、学生たちの間で『自分たちは災害を何も理解していない。備えられていない』という意識が高まりました。そこから、防災について知り、地域の皆さんへ発信していこうというプロジェクトが立ち上がることになりました。

企業や行政にヒアリング。防災アプリの開発者からも話を聞く

企業や行政にヒアリング。防災アプリの開発者からも話を聞く 情報システム科をはじめ、建築学科やコンサート・イベント科などさまざまな科の学生が加わったプロジェクトチームはまず、過去の災害や現在の防災について知ることから始めました。ドローンの開発や運用を行う会社では、被災地を上空から撮影することで救援活動に貢献していたり、運用上の課題などについて学んだ他、災害の発生などを速報で通知するアプリの開発会社も訪問。災害発生から通知までの情報伝達の仕組みについて話を聞き、学校での学びを活かすことで同様のアプリを開発できるようになることや、すでに公開されているプログラムなどを活用すれば同じような仕組みが自作できるというアドバイスをもらいました。防災に対して自分の学びが関係し、どう活かしていけるかを知ったことが、プロジェクトを通して得た大きな成果となりました。

楽しみながら学べる防災ゲームを開発。将来はアプリ化に挑戦

楽しみながら学べる防災ゲームを開発。将来はアプリ化に挑戦 聞き取った情報をもとにしてチームは防災ゲームを開発。早速小学校で体験会を行いました。ルール作りや小学生への説明などはすべて学生が担当。楽しみながら防災について学んでもらい、家庭で話し合うきっかけ作りが行えました。現在はボードゲームですが、将来はアプリ化にも取り組んでいくことが今後の目標となっています。
チームは災害や防災について学ぶ一環として、能登半島でのボランティア活動を予定していました。現地の受け入れ機関との調整や、食事や宿泊の手配も学生自身が行って準備は整っていたのですが、「いざ、現地へ」というタイミングで豪雨災害が能登半島を襲いました。議論に議論を重ねた末に現地行きを断念することになりましたが、この議論もすべての学生が自分事として災害について考えた、貴重な機会となりました。

Contents03
市民主催の音楽フェスに参画し、大好きな音楽で地域貢献できる実体験を

市民主催の音楽フェスに参画し、大好きな音楽で地域貢献できる実体験を 【ミュージック科】

■課題解決に挑む学問
芸術・表現・音楽>>音楽
■該当するテーマ
豊かな暮らし

演者であり運営もする。集ってくれる人たちみんなで音楽を楽しむ場づくりとは

演者であり運営もする。集ってくれる人たちみんなで音楽を楽しむ場づくりとは 東京都国分寺市は、有名ミュージシャンが青春時代を過ごしたり、人気作家がジャズバーを営んでいたりと、音楽とゆかりが深いことで知られる街です。その国分寺市で「音楽の力で国分寺を元気にしよう」という思いを持った市民が、誰もが気軽に音楽を楽しむことができる「こくフェス」という音楽フェスを開催しています。本学は小金井市にあり、国分寺市とは地域包括連携協定を結んでいることから参画することになりました。運営スタッフとしてイベントに関わるだけでなく、演者としてステージに立つという2つの役割を担い、老若男女はもちろんハンディキャップのある方も集まる場で、みんなが一緒に音楽を楽しめる場にするためにはどうしたらいいのかという、これまでにない視野を広げることにつながり、学生たちにとって貴重な学びの場となっています。

学外の場所や人、新たな出会いに、学びや気づきがある

学外の場所や人、新たな出会いに、学びや気づきがある 東京工学院専門学校のミュージック科では、これまでライブパフォーマンスやステージの運営などの経験は多々あるものの、今回のように音響設備が整っていなかったり、年齢もジャンルも全く異なるアーティストとのコミュニケーションが必要とされるイベントは初めてで、準備は一筋縄ではいきませんでした。同時に、ステージでの見せ方や司会としての在り方など、一度に多くのことをこなさなければならない状況に、無事に実施できるか先生たちは心配していましたが、むしろ学生たちはますますパワーアップしていきました。ぐんぐん運営スキルが身につくと同時に、音響設備にもこだわりをもって工夫をこらすようになっていき、それは「好き」が「得意」に進化する瞬間でもありました。

自分たちも心から楽しんでこそ、多くの人々への貢献につながる

自分たちも心から楽しんでこそ、多くの人々への貢献につながる 演者と運営スタッフ、両方の役割を無事に終えたものの、新しい課題も見えてきました。どうすればよりよく改善できるか、何が足りなかったのか?など、参加メンバーたちで反省会を実施したのです。そこで、今回出会った異なるこだわりを持つ学外のアーティストと交流を続け、次回のイベントにつなげようという、新しいチャレンジを見出すことができました。
そして、その半年後には再コラボレーションを実現し、さらなる成果を得ることができました。それは、「任された」というプレッシャーや地域貢献ありきで難しく考えさせるよりも、まずは自分たちの大好きな音楽を楽しむという軸からぶれないようにし、1つ1つの課題に丁寧に向き合うことで、やがて結果として貢献につながると学生たち自らで気づいてくれたことが大きな成果だったといえます。

Contents04
新開発のおもちゃで「ものづくりの街」をPRし地域を活性化させる

新開発のおもちゃで「ものづくりの街」をPRし地域を活性化させる 【ゲームクリエーター科】

■課題解決に挑む学問
人間・心理>>心理学
■該当するカテゴリー
メーカー

地域の知名度不足はビジネスの足かせになることも

地域の知名度不足はビジネスの足かせになることも 東京都小金井市は、精密機器をはじめとした各種の製造業が集まる「ものづくりの街」です。しかしその認知度はいまひとつでした。企業にとって「知られていない」ことは、ビジネスのチャンスをつかみにくかったり、人材の採用をしにくいというデメリットをもたらします。地域で暮らす人も「地元にはこれといった産業がない」と感じてしまい、街に愛着を持ちづらくなるほか、就職などで他の地域に出て行ってしまうという結果を招くこともあります。
このような状況に対して危機感を持ったのが、小金井市の段ボール製品メーカーです。「学生の若い着眼点や発想に期待し、段ボールを使ったおもちゃの企画提案をさせていただきました」と語るのは、ゲームクリエーター科の土方明日香先生。プロジェクトを通して学生が地域の企業や人と関わり、理解を深めることが地域の活性化につながるという期待もありました。

既存商品の利用シーンを観察し、課題を見つけ出す

既存商品の利用シーンを観察し、課題を見つけ出す プロジェクトチームに求められた役割は、「段ボールを使ったおもちゃの開発をすること」です。そのおもちゃを活用することで、地域が活性化することもチームがめざすゴールです。そこでメンバーはまず、段ボール製品メーカーにヒアリングを実施。段ボールの特性やこれまでの商品ラインナップなどを聞き取りました。さらに他社にも同様に聞き取りを行い、小金井市全体のものづくりへの取り組みと思いと理解を深めました。
また、段ボール製品メーカーが参加している地域の商工祭りにも訪問。既存品である「段ボールで作る機関車」を子どもたちが扱う様子を観察しました。このとき、子ども向けのキットながら製作の難易度が高く、ほとんどの工程を親が行っていることに学生たちは注目しました。そこで『もっと簡単で、子どもが自分で作ることのできるキットにしよう』というコンセプトが生まれました。

5分で「ものづくり体験会」が満席。地域のイベントを盛り上げる

5分で「ものづくり体験会」が満席。地域のイベントを盛り上げる おもちゃの開発にあたっては、企画も試作もすべて学生自身が学内で行いました。このプロセスでは、段ボールのほか、3Dプリンターやバーチャルな映像を活用。プランニングから造形まですべて学べる本学科の強みが、機関車制作が商品化する際にも発揮されました。そのおもちゃを持って商工祭りで「ものづくり体験会」に参加したところ、整理券が5分でなくなるほど好評を博しました。また、地域の保育園にこのおもちゃが購入されており園児たちに親しまれはじめています。おもちゃ作りの原動力は、『人に喜んでもらいたい』という気持ちです。そういった気持ちを備えた学生たちとともに、今後も防災や教育、エコロジーをテーマにしたおもちゃの開発に取組んでいきます。

Contents05
伊豆大島のペンションをリノベーションし、地域の活性化を図る

伊豆大島のペンションをリノベーションし、地域の活性化を図る 【建築学科】

■課題解決に挑む学問
工学・建築>>建築学・意匠
■該当するカテゴリー
メーカー

高まるリノベーション需要。地域の魅力向上策としても期待

高まるリノベーション需要。地域の魅力向上策としても期待 建築の世界では今、リノベーションの需要が大きくなっています。その背景に「古くても良いものは大切に受け継いでいこうという意識の高まりがある」と教えてくれるのは、建築学科の竹原誠先生。建築費の高騰という経済的な変化や、年齢や障害の有無によって使い勝手を左右されないバリアフリーに関する意識の浸透も、期待が高まる背景にあると指摘します。
学生たちが取り組んでいる伊豆大島のペンションをリノベーション・バリアフリー化するプロジェクトにも、同様の背景があります。また、全国の島と同じように伊豆大島は、人口の流出という課題を抱えています。ペンションは島外からの観光客などが利用し、リノベーションにより人の交流や経済の活性化が促され、地域のにぎわいが増すこともプロジェクトに期待された役割の1つでした。

現地を見て、話を聞く。「思い」に触れることで提案に熱がこもる

現地を見て、話を聞く。「思い」に触れることで提案に熱がこもる プロジェクトに取り組むにあたっては、実際の仕事と同じように「現地調査」を実施。学生たちは伊豆大島のペンションを訪問し、建物や内部の様子を細部まで調査しました。
今回のプロジェクトは、伊豆大島全体の街づくりの一部でもありました。そのため、町議会議員や伊豆大島の若手事業家など、島をあげて学生たちを迎えてくれ、それぞれの立場から島の未来に対する思いを聞かせてくれました。この「思い」に学生たちは大きく心を動かされ、話を聞いたその日のうちに深夜までかけてアイデアをまとめて、翌朝には関係者の前でプレゼンを行ったのです。リノベーションには建物の大きさや間取り、家具の配置などといった情報はもちろん大切ですが、それと同じように建物や街に対する思いが重要だと実感できたことは、学生たちにとって貴重な経験になりました。

新たな客層をイメージしながらプランを作成

新たな客層をイメージしながらプランを作成 現地調査の結果、バリアフリーに関して手を加える余地があることがわかりました。家具の配置などについても、宿泊客にとってもペンションのスタッフにとっても使い勝手が悪くなっている箇所が見受けられました。提案するプランでは、これらの改善策を盛り込みます。リノベーションの内容によっては、年代や好みなど、ペンションを利用する客層に変化をもたらすこともあります。オーナーや島の方々から聞き取った話を思い出しながら、「どんな人に来てほしいか」をイメージしてプラン作りを進めました。建築やインテリアでは、「おもしろそう」といった好奇心がとても重要。今回のプロジェクトでは、島の方々の思いに触れることで学生の意欲や好奇心が大いに刺激されました。竹原先生は、「2025年度以降もプロジェクトは続きます。好奇心にあふれた学生たちとともに、島に貢献できることが楽しみです」と今後への期待を語りました。

Contents06
未来への願いをカタチに。老舗和菓子店の400周年ロゴをデザイン

未来への願いをカタチに。老舗和菓子店の400周年ロゴをデザイン 【デザイン科】

■課題解決に挑む学問
芸術・表現・音楽>>デザイン
■該当するカテゴリー
流通・小売

企業の思いが込められたロゴ制作に挑戦

企業の思いが込められたロゴ制作に挑戦 企業や自治体、スポーツのチームなど、分野や規模は違っても多くの団体や組織はロゴマークを持っています。ロゴマークはいわば自分たちの「顔」。自分たちがどのような組織であり、何を考え、何を目指しているのかなどをぎゅっと詰め込んで、なおかつ端的に表現しています。イベントや節目の年などにもロゴマークは作成され、PRなどに活用されています。
市民音楽ホールのロゴデザインなど企業や行政と連携した取り組みに、豊富な実績を持つ東京工学院専門学校デザイン科へ、日本を代表する老舗和菓子店「森八」から創業400周年を記念するロゴデザインの依頼が寄せられたのは、2024年初頭のこと。和菓子にあまりなじみがない若い世代がデザインすることで、和菓子や「森八」への新しい価値付けや、より幅広い年齢層へ魅力が伝わることを意図し制作しました。

丹念なリサーチを実施。自由な発想もプラス

丹念なリサーチを実施。自由な発想もプラス 学生たちはまず、加賀百万石として知られる金沢の歴史や文化、その中で400年にわたって愛されてきた「森八」という企業の歩み・理念などを丹念にリサーチ。伝統文化やデザインに造詣の深い、若女将へのインタビューも行いました。
老舗企業への提案案件ということで、学生たちには相当のプレッシャーがかかっていきました。そこで先生のアドバイスがあり「なぜ学生に依頼してくれたのか」という点に立ち返って考えることで、学生ならではの発想を積極的にデザインに取り入れるようにしました。ロゴデザインの企画だけでなく、400周年用のショッピングバッグも提案。老舗店の包装紙やショッピングバッグが、購入者のあこがれや誇りになることがある点に目を付けたものでした。さらにWebサイトでの展開例を含めた提案も行い、ロゴマークのデザインを中心に多方面へとアイデアを広げていきました。

お披露目の舞台はパリ。記念の年を彩る

お披露目の舞台はパリ。記念の年を彩る プレゼンテーションと審査を経た結果、企業のシンボルである「龍」と「400」をモチーフにして未来に続くイメージを融合させたデザインが採用されました。さらに決定したロゴマークを用いて、ショッピングバッグ、名刺、新聞広告もデザイン。ロゴは2024年11月、パリのエッフェル塔で開かれたお茶会の席でお披露目されました。
学生たちは、400年の歴史というとてつもなく重い歴史とプレッシャーに真剣に向き合い、プロジェクトを最後までやり遂げました。そこで得られたものは非常に大きいです。ロゴマークをはじめとしたデザインには、依頼者の夢や目標、願いが込められています。それらをカタチにするデザインという仕事は「人に寄り添う優しい仕事」「感性を通して社会に貢献する仕事」でもあります。そのようなデザインの側面にプロジェクトを通して出会ったことが、学生たちにとって大きな成果となりました。

Contents07
映像とネットを駆使して女子ホッケーの認知度を向上させる

映像とネットを駆使して女子ホッケーの認知度を向上させる 【映像メディア学科】

■課題解決に挑む学問
芸術・表現・音楽>>映像
■該当するカテゴリー
官公庁・公社・団体

世界での活躍を多くの人に知ってもらい、ファンの拡大を

世界での活躍を多くの人に知ってもらい、ファンの拡大を スポーツのなかには、サッカーや野球のように確固たる人気と競技人口を持つものもあります。一方で、一般にはあまり知られず、世の中からスポットが当たる機会が限られるスポーツも多いです。認知度や人気が高まらないと競技をする人も増えず、競技の存続そのものが危ぶまれる状況も起こりかねません。
同じような悩みを、日本ホッケー協会も持っていました。長年にわたる強化に支えられ、さまざまな国際大会に多数出場しており、昨年は特に最大の目標である世界大会への出場を6大会連続で決めていました。協会は、これを機にさくらジャパンの認知度向上へ乗り出すことに。そのパートナーとして、東京工学院専門学校映像メディア学科が選ばれました。「協会は若い世代にアピールしたいという狙いを持っていました。そこで、学生の発想に期待が寄せられ、依頼につながったのです」と映像メディア学科の相澤先生は振り返ります。

現地観戦やヒアリングを通して「何がポイントか」をつかみ取る

現地観戦やヒアリングを通して「何がポイントか」をつかみ取る プロジェクトで取り組んだのは、さくらジャパンの認知度拡大を目的とした映像制作とSNS展開です。学生たちはまず、ホッケーというスポーツそのものやホッケーおよび協会、そしてスポーツ全体を取り巻く状況などについてリサーチ。協会関係者へのヒアリングに加え、実際にさくらジャパンの試合観戦も行いました。この現地観戦がプロジェクトを進める上で大きな意味を持つこととなりました。
映像には届けるべき相手があり、商品の購入やサービスの利用を促したり、何らかのメッセージを心にとどめてもらったりするなど、「目的」があります。どんなに撮影や編集の技術を磨いても、届ける相手や届ける目的を見失っては「いい映像」は作れません。観戦しながら学生たちは、『ホッケーのおもしろさのポイントはどこか』『それを伝えるにはどうすればいいか』と話し合いを重ねることで、無意識のうちに、映像づくりの目的を考えることができたのです。

密着ドキュメントを作成。国際試合の応援ライブ配信も実施

密着ドキュメントを作成。国際試合の応援ライブ配信も実施 プロジェクトチームは、大会前にさくらジャパンが行った壮行試合や合宿、練習などの様子も撮影し、密着ドキュメントを作成、YouTubeで公開しました。また、選手にスマホでオフショットを自撮りするアイデアも学生ならでは。さらに大会当日は、国際映像に合わせてSNS上でプロが実況と解説を行うという、「応援ライブ配信」を企画・運営するなど、新しい取り組みにチャレンジしたことも大きな成果です。一連の取り組みは、選手からも協会からも非常に好評だったことから、今後はPRの対象を男子代表チームまで拡大したいという依頼が寄せられています。「小さな挑戦の繰り返しが大きな成果につながることを、今回のプロジェクトで学生は感じてくれたはずです。1人でも多くの『映像が好き!』という学生に、同じような経験をしてもらいたいです」と相澤先生は今後の抱負を語りました。