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専門演習(飯田昭人ゼミ)
子どもや若者の生きづらさについて、臨床心理学的知見を用いて考えていくのが、3年生飯田ゼミの特徴になります。 例えば、ソーシャルメディアの問題を臨床心理学的視点で考えていった際、ゼミ担任である飯田昭人の論文『大学生におけるSNS使用状況と連帯感,社会関係資本,人生に対する積極的態度との関連(北翔大学短期大学部研究紀要第58号, 1-12, 2020)』および著書『メディアにおける子ども・若者の影響を正しく理解する(さっぽろ子ども・若者白書2020,第5章さっぽろの子ども・若者とメディア)』を輪読し、ゼミ生がそれぞれ自らも利用しているSNSについての心理的影響を考察していきました。 最初は、SNSのもつ否定的影響である「依存」や「執着」などの側面も語られる一方、徐々に肯定的な側面についても話題にするようになりました。特に、LINE、Instagram、X(旧Twitter)の3つのツールによる心理的影響について、前述した論文をもとに、なぜInstagramの使用が「連帯感」を高めることになるのか、なぜInstagramによって連帯感が高まることで人生における積極的態度が形成されるのかについて、熱く議論しました。 Instagramでは「インスタ映え」に代表される、長い文章ではなく、視覚的効果のある画像とその時の素直な短い気持ちの表出された文章を通して、若者は「連帯感(つながり)」を意識し、そういったリアルな場面ではない、ネット上の「つながり」を駆使して、多様な世界を若者なりに生きているということなどを、ゼミの中で議論していきました。 リアルな出会いだけが大切なのではなく、LINEやInstagramなどによる「つながり」が若者の積極的態度を促進することの背景について、ゼミ生全員で考えていき、結果的にSNSは、若者たちにとっての「サードプレイス(家庭や学校とは異なる第3の居場所)」となる可能性があると結論付けました。 このゼミでは、私に質問がある場合を除き、ほとんど学生を信じて見守ることに徹底し、学生たちが自らの力で考え、また仲間たちの発言から学ぶ姿勢を大切にしています。