北海道のゼミ・研究室検索結果
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美術分野 絵画ゼミ
美術分野では、学⽣たちの興味関⼼に基づいて、「絵画」「彫刻」「グラフィックデザイン」「マンガアニメーション」の研究領域に分かれます。それぞれの研究領域に共通した⽬標は、描写⼒・造形⼒などを中⼼とした多彩な表現スキルを学び、現代の多様なアートシーンで活躍できる⼈材を育成することです。少⼈数教育による内容の濃い学びと広い制作スペースなど充実した施設環境の中で制作活動を⾏うことができます。さらに、美術の教員養成にも⼒を⼊れています。 絵画ゼミは、1・2年次でドローイングや美術表現演習、美術概論や構想法など絵画表現の基礎的な技能や知識を学習するほか、油彩画を中心に技法研究を行います。また、作品を見る力やコミュニケーション力を養うことを目的に、作品鑑賞や合評会を実施します。3年次からは大作制作や連作制作にも取り組み、制作スキルを高める一方、自分自身を見つめながら表現したいテーマを追求します。また、油彩画以外の様々な絵画素材・技法にも⽬を向けその基礎知識を学びます。さらに、様々なコンクールや美術展に挑戦したり、展覧会の企画運営をしたりして、より濃密に社会と関わり、それに携わる⼈達と触れ合いながら⾃らの創造性と人間性を磨いていきます。卒業後は、美術作家やデザイナーとして、また、デザイン関連を始めとする企業人として、免許・資格を活かして、アートスペースなどの学芸員として、そして中学校・⾼校で美術教諭として幅広い場で活躍しています。多様なアート表現の中でも絵画の歴史は⻑く、その素材や技術、コンセプトに関わる内容は深く広いものです。学⽣たちは、それらに深い興味を持ち、⾃ら⼯夫して、独⾃な表現を模索する意欲を持って学んでいます。
スポーツ心理学研究室
スポーツ・運動を実践することは「心」や「脳」に良い影響を与え、また「心」や「脳」を整えることでスポーツ・運動の実践にプラスの効果を生み出します。しかしながら、スポーツや運動に真剣に取り組むからこそ、もっと向上させたいと感じたり、心の課題に遭遇したりする場面が出てきます。そんなときに役立つ知識をスポーツ心理学から学びます。 私たちの大学では競技スポーツの部活が多く、日々高いレベルを目指して競争心を持って競技に取り組んでいます。そうした中で、競技に対するモチベーションが上がらない、技術の獲得が上手くいかない、状況判断に難がある、集中力が持続できない、どのように教えるのが良いかわからない、チームメイトとの関係が微妙…などなど、競技に真剣に取り組んでいるからこそ出てくる問題や解決すべき課題があります。しかも、それらは競技者・指導者によって千差万別です。このような問題や課題に対し、スポーツ心理学の観点から解決方法を導くことを目標に、ゼミ活動で知識を学んで、実践の場面へと移していきます。 具体的なゼミ活動としては、①教科書の内容などのプレゼン発表、②スポーツ心理学で実施される質問紙および実験を行う演習、③関⼼のあるテーマについての実験/調査、④学会参加や他大学研究室との交流、⑤卒業論⽂/修⼠論⽂の作成などを⾏っています。ゼミ活動内外で話し合いを通じてお互いのことを知っていき、協力して活動できる学習環境を目指しています。
生涯スポーツ学部 健康福祉学科 小坂井ゼミ
年をとったら体力が落ちるのは当たり前…ですませていませんか? どの身体機能が、いつ頃から・どのようなペースで変化するのか?何が変化の違いに関わるのか?誰もが知っているようで、まだわかっていないことがあります。人生100年の時代、これまであまり多くの人は達していなかった90歳代・100歳代という年齢になって、私達はどのように暮らすのでしょうか?新たなチャレンジがいっぱいです。 本ゼミでは、スポーツ・運動を軸に高齢社会の諸課題や心身機能の加齢変化について考えます。運動をすれば健康になると簡単に捉えるのではなく、運動や健康に関わる情報を正しく読み取ろうとする姿勢や、自分で実際に調査する力を身につけます。そして大切にしているのは、様々な年代や異なる分野の方々に、敬意を持って笑顔で接すること。これらを心がけて地域でのスポーツ活動や健康・生活調査の支援に参加しています。 生涯を通じて、一人ひとりが豊かな毎日を過ごせる社会を目指していきましょう。
健康福祉学科 久野研究室
人生100年の長寿社会。これは、とても嬉しいことです。 そんな私たちのライフステージは、自分でバリバリ勉強したり、遊んだり、働ける時期もあれば、病気や障がい、あるいは年齢を重ねて、誰かのケアが必要になる時期もあります。もちろん赤ちゃんの頃は、誰もが、全面的にケアを受けていたはずです。私たちがどんな状態にあっても、社会の中で、何らかのケアの中で、尊重されて生きていくことはとても重要です。そして今、私たちの社会が直面している少子化、高齢化という課題は、「ケアは家族(特に女性)が担うべきだ」という考えでは乗り越えられません。 本ゼミでは、「ケア」「支援」「家族」といったキーワードを手掛かりに、社会の中にある「こうあるべき」という価値観にも目を向けながらディスカッションを重ねています。特に、常に何らかの「ケア」を必要とする障がいのある人の経験を通して、「ケア」は人と人をつなぐ力や可能性を秘めていることに気づかされます。社会福祉の専門職を目指す一人として、社会の一員として、多様な人と出会う機会を大切にし、その経験を通して、社会をとらえる目、考える力を一緒に鍛えあいましょう。きっと、社会福祉の意義や魅力もみえてくるはずです!
音楽表現・音楽療育 伏見研究室
幼児期の教育は、幼児一人ひとりの特性や発達段階に応じた多様な体験を通して、幼児の主体的な活動を促し、幼児期にふさわしい生活が展開される必要があります。表現(音楽)に関する領域では、元気よく歌おうとして叫ぶような大きな声で歌ったり楽譜どおり正確に演奏したりすることではなく、音楽に親しみ、その楽しさを十分に味わうことから音・音楽の美しさや面白さを感じ取り、豊かな感性を育てることが重要です。音楽表現というと、音を出すことに意識が向けられがちですが、幼児の音楽活動は、聴く、動く、歌う、奏する、つくるなどが挙げられます。大学の講義や、保育者への研修会は、音・音楽と身体の動きを融合したエミール・ジャック=ダルクローズの音楽教育法を中心に、体験を重視した内容にしています。伝統文化である「わらべうた」をはじめ、さまざまな音や音楽を使った遊びを体験しながら、音楽の魅力を感じ取ったり、「音楽を通して何を育てるのか」を考えたりすることを大切にしています。 ■地域との連携・実践 幼児や障がいのある子どもとの音楽活動をライフワークにしてきました。本学の学生も、幼稚園教育要領をはじめ、保育や音楽教育、療育に関する文献から学ぶとともに、実際に保育現場に赴いて保育者の指導を観察したり、体験学習を通して子ども理解を深めたりしています。より質の高い保育者養成を目指す具体的実践例として、ゼミ生を中心にボランティア学生も参加し、近隣の児童デイサービス事業所の利用児童・スタッフや卒業生と音楽療育活動を行ってきました。この活動は、江別市の大学連携学生地域活動支援事業にも採択されました。他には、パラスポーツの団体や、保育施設などと連携し、地域との関わりを深めています。学生たちが個々の得意分野で能力を発揮し、活動を計画・実行する中で達成感を得ています。 ■保育者養成 担当科目である「保育内容(表現)」「保育内容(言葉)」「教育実習事前指導(幼・小)」などでは、演習や実技、グループワーク、プレゼンテーションによる実践的な授業を心がけています。学生の多くは、幼稚園教諭一種免許状や特別支援学校教諭一種免許状、保育士資格などの取得を目指し、幼稚園や特別支援学校での教育実習や、児童福祉施設での保育実習を控えています。子どもたちの前で話をしたり、絵本や紙芝居、パネルシアターやペープサートなどの児童文化財を用いて演じたり、保育環境を整えたりします。そのため、作成した教材を持参して、近隣の幼稚園・保育所・認定こども園などを訪問し、実践する機会をより多く得られるように配慮しています。授業やゼミナールで訪問する保育施設には卒業生が活躍していることも多く、それが学生の安心感や学習意欲を高めています。学生時代の見学や体験学習がきっかけとなり、ボランティアや保育補助のアルバイト、就職に繋がるケースも多く見られます。北海道幼児教育連絡協議会委員として、様々な情報を共有し教育実習や就職、研修などの課題解決に向けて協議したり、札幌市私立幼稚園連合会や北海道私立幼稚園協会とも連携することによって質の高い保育者の養成に努めています。
音楽教育研究
音楽は世界をつなげる共通言語です。皆さんが持っている感性と音楽の多様性を活かして未来を生きる教育者や音楽関連企業・演奏家を目指しませんか。もし音楽に興味・関心はあるけれども、音楽経験がないからと学ぶことを諦めている人がいても大丈夫です!大学では声楽、ピアノ、器楽それぞれの分野について「基礎演習」「表現演習」でしっかりと学ぶことができます。また実際に発表する場でアンサンブルを学ぶ「音楽フィールド演習」や最先端の音楽を学ぶ「コンピュータミュージック」、各自楽器を選択し本格的な実技レッスンを受けることができる「専門演習」や「卒業研究」、そして「合唱」や「合奏」では、コミュニケーションを通して音楽を幅広く学ぶことができます。「音楽教育研究」では音楽教員になるために各分野の専門楽器に分かれて”可能性の空間”を育む授業です。多くの講師に囲まれて音楽を学びながら、幅広い教養を身につけ、未来を担う人間形成に役に立てるよう、北翔の音楽コースで共に学びましょう。
インテリア建築分野 千里研究室
インテリアデザインと建築の両方を幅広く学べるゼミです。その中心にはユニバーサルデザインを取り入れ、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く使える居住環境を探求しています。ゼミでは社会貢献や防災活動にも力を入れ、地域住民・役所・企業と連携しダンボール間仕切りや空き箱を再利用したダンボールベッドを開発し避難所運営に携わり、社会に貢献できるリーダー養成に力を入れています。その他にも、建築士試験に備えた手描き製図や、コンピュータを使って設計する複数のCADや、3次元モデルで建物を設計し様々な情報を活用するBIMなどについて学びます。私自身の建設会社経営の経験を活かし、社会で役立つ実践的な教育を行い高い就職内定率を誇っています。さらに建築士試験やインテリアプランナー、コーディネーターなどの受験対策にも力を入れ、卒業生達は一級・二級建築士・デザイナーなど幅広く活躍しています。ゼミの自慢は「仲のよいゼミ生たち」です。色々な学生がいますが、どの学生も分け隔てなく学び、とても居心地の良いゼミです。
舞台芸術分野 村松研究室
舞台芸術分野の学⽣たちは、興味関⼼に基づいて「役者・声優」、「バックステージ」、「舞台⾐裳」、「動画・映画」の研究領域に分かれます。それぞれの研究領域には共通する⼟台があります。その⼟台とは、舞台芸術創造の過程が常に多くの⼈たちの関わりの中で行われるということです。別の言い方をすると、関わった人々が、常にコミュニケーションを⾏い常に協働しているのです。それが舞台芸術創造の土台であり特徴です。このことは、最新の舞台芸術創造であろうと伝統⽂化とも⾔える「芸能」の世界であろうと変わることはありません。 また、創造されたモノに関しても、表現する側と観る側がともに楽しみ互いに交感し合うことによって、⼀義的な価値・評価だけではなく、様々な価値・評価となり得るという特徴があります。そしてそのことが多くの⼈たちとの交流となっていくのです。このような特徴を有する舞台芸術創造が、⼈材育成、地域の活性化に役⽴たないわけがないと考え、またそれが少しでもより良い教育⽅法論となり「教育改⾰」に繋がっていくのでは・・・と信じて研究・実践を⾏っています。
専門演習(飯田昭人ゼミ)
子どもや若者の生きづらさについて、臨床心理学的知見を用いて考えていくのが、3年生飯田ゼミの特徴になります。 例えば、ソーシャルメディアの問題を臨床心理学的視点で考えていった際、ゼミ担任である飯田昭人の論文『大学生におけるSNS使用状況と連帯感,社会関係資本,人生に対する積極的態度との関連(北翔大学短期大学部研究紀要第58号, 1-12, 2020)』および著書『メディアにおける子ども・若者の影響を正しく理解する(さっぽろ子ども・若者白書2020,第5章さっぽろの子ども・若者とメディア)』を輪読し、ゼミ生がそれぞれ自らも利用しているSNSについての心理的影響を考察していきました。 最初は、SNSのもつ否定的影響である「依存」や「執着」などの側面も語られる一方、徐々に肯定的な側面についても話題にするようになりました。特に、LINE、Instagram、X(旧Twitter)の3つのツールによる心理的影響について、前述した論文をもとに、なぜInstagramの使用が「連帯感」を高めることになるのか、なぜInstagramによって連帯感が高まることで人生における積極的態度が形成されるのかについて、熱く議論しました。 Instagramでは「インスタ映え」に代表される、長い文章ではなく、視覚的効果のある画像とその時の素直な短い気持ちの表出された文章を通して、若者は「連帯感(つながり)」を意識し、そういったリアルな場面ではない、ネット上の「つながり」を駆使して、多様な世界を若者なりに生きているということなどを、ゼミの中で議論していきました。 リアルな出会いだけが大切なのではなく、LINEやInstagramなどによる「つながり」が若者の積極的態度を促進することの背景について、ゼミ生全員で考えていき、結果的にSNSは、若者たちにとっての「サードプレイス(家庭や学校とは異なる第3の居場所)」となる可能性があると結論付けました。 このゼミでは、私に質問がある場合を除き、ほとんど学生を信じて見守ることに徹底し、学生たちが自らの力で考え、また仲間たちの発言から学ぶ姿勢を大切にしています。
古川 奨研究室
精神保健福祉に関わる対人支援の仕事というと、どのようなイメージを抱くでしょうか? 少し前までは、精神障害の領域の中で、何か特別な状況にある限られた人だけに対応する業務というような印象を持たれていましたが、誰もが自分のメンタルヘルスについて支援を求めることができる時代を迎えたことに伴い、精神保健福祉領域の支援範囲もだんだんと広がりをみせています。 日々の生活を営む中で、私たちはさまざまな課題と向き合っています。それらの課題解決に向けての取り組みは、その人を取り巻く環境に向けて働きかけていくことにつながります。いろいろな状況に置かれている多くの人の支援に関わるには、ひとりひとりの多様な""あり方""についての深い洞察や、ソーシャルワーク支援の価値や倫理の理解が必要となります。差別や偏見を排して、その人らしい生き方を支援していくために、社会的包摂を目指す取り組みが求められます。 ゼミナールでは、文献精読の傍ら、社会福祉協議会や医療機関、就労継続支援事業所など実践の現場を訪問し、当事者や支援職の方々へのインタビューを通して、支援の実際について学びを深めています。現場のリアルに触れることで、どのような支援が必要とされるのかを考察していきます。他者を支援するというそのプロセスは、自分がどのような人間であるのかを理解していく過程でもあります。いろいろな出会いを通して、対人支援職としての基盤を築いていくことを大切にしています。
石田研究室
教育や保育の現場で、音楽の存在は欠かすことができません。幼少期における音楽活動は、表現する楽しさ、音色を味わう感性など、豊かな情操を育みます。現代では電子楽器等の普及が進み、歌うときには伴奏をCDなどのオーディオ機器に頼ることも多くなってきました。選択肢が広がることは良いことですが、当研究室ではアコースティックな楽器による表現を最重視しています。繊細な感触、空気の振動を皮膚感覚で体感してほしいからです。学生には、ピアノの音を通して心に届くような表現ができるよう、個人指導を行ない、各自のレベルに合わせた指導を行なっています。基本的な演奏技術はもちろん、表現力を高めるためにはどうしたら良いか学生とともに考えながら、試行錯誤しつつ研究を続けています。 ■音楽教材研究 こども学科に在籍している学生の演奏経験歴は非常に幅広く、個人差が大きいのが現状です。幼児の時から継続している学生もいれば、大学入学直前に習い始めた人もいます。経験年数が長い学生は、力をより伸ばすために芸術性の高い作品に取り組むこともありますが、目標として設定していることは、幼少期向けの音楽教育作品を研究し、演奏することです。ピアノの実技指導とともに、弾き歌いの指導にも力を入れています。こどもたちに伝えていきたい歌はあまたとあり、文部省唱歌からテレビを通して親しまれるようになった曲など様々です。歌詞を大切にし、その歌の持つ世界観があらわせるよう、ピアノ伴奏に編曲を加えながら自然な音楽づくりを試みています。教育現場、保育現場で実践的に演奏できる曲を中心に学びます。 ■簡易楽器による器楽合奏 合唱や合奏など、複数の人で演奏することは、音楽の楽しみのひとつです。こども学科では「保育内容演習」「音楽科指導法」等の科目で合奏を行なっています。相手の音やリズムと調和させることは、心地よさと同時に協調性が育まれます。合奏用の楽譜は多数出版されていますが、演奏する人数によって編成を調整する点は、いつも直面する課題です。バランスの良い響きを求めて意見を出し合い、すり合わせながら調整することが非常に重要です。幼児から小学校の合奏指導ができるよう実践を通して学んでおり、簡易楽器による演奏を基本としていますが、吹奏楽の経験がある学生は、全体の響きになじむように加わることもあります。施設にてコンサートを行なうときには、プログラムを考え、聴き手に楽しんでいただけるように企画力を身に付けることができます。
こども学科 入江研究室(芸術鑑賞会、図画工作 他)
人々が文化的な暮らしを営むうえで、芸術作品に触れることは欠かせないことです。また、人は子どもの頃から絵や制作等を遊びの中で体験しながら感性を豊かにしていきます。 こども学科では、保育や教育について学ぶ過程で、保育・教育における表現活動の子どもへの指導法等を学んでいきますが、同時に学生の皆さんの感性をより豊かにするための芸術鑑賞活動も取り入れています。保育や幼児教育における様々な遊びを通じた表現活動や、小学校教育における図画工作においては、試行錯誤しながらも表現を楽しみながら、感性を豊かにすることが求められています。将来、保育者・教育者としてそのような指導ができるようになるために、まずは学生の皆さん自身が楽しく芸術に触れて感性を磨くことで、画一的な表現や図画工作の指導にとどまらず、より深みのある支援や指導ができるようになることを目指しています。
こども学科 保田研究室
近年、結婚観や家族観、働き方が多様化しています。「夫妻と未婚の子」や「夫婦」からなる核家族、拡大家族、血縁関係の有無にかかわらない親と子(養子、里子等)、事実婚や同性婚、単身世帯など、さまざまな家族の形があります。多様な働き方の1つとして、非正規雇用労働者の割合が増え、生活が困難な方も増えました。多種多様な商品やサービスができ、ある意味で、自分の好きなように選択肢を取捨選択し、生きる自由が広がっています。しかし、モノやサービスなどの多様な選択肢をとれる人は安定した状況にある人や、頼れる家族・人がいて、ある程度生活基盤が整っている人です。生き方が多様化したとはいえ、生活が不安定になる場合があります。かつては、「男性が働き、女性が家のことをする」という価値観と共に、専業主婦が多い時代でしたが、今は共働き世帯が主流となっています。しかし、夫妻共にフルタイムで働く世帯よりも、パートやアルバイトなどの非正規で働き、家事や育児に奮闘する女性が多くいます。男性も女性も働きやすいように変わりつつありますが、依然として、女性は男性よりもパート・アルバイトなどの非正規雇用の割合が大きく、昇進の機会や賃金も男女で差があります。結婚・出産後も継続して働くことができる場合もありますが、離職せざるを得ない場合もあります。育児休暇も、職場で取得しにくい状況が残っており、男性の取得率は低いです。また、職業でも男女で違いがあります。例えば、看護や保育の現場は女性の職場のイメージが根強く、男性が少ないです。こどもの遊びの幅が広がり、防犯対策や男性の保護者も相談しやすくなるため、男性保育士も必要とされていますが、依然として男性の割合が少ないのが現状です。 本研究室では、このような状況を勘案し、実際に生活をしている方へのインタビューやアンケート調査を行い、誰もが働きやすい、子育てしやすい社会、男女平等を実現するにはどのような支援が必要なのかを考えています。
体育科教育学研究室
学校教育の中で行われる体育授業の内容の多くがスポーツをもとに構成されています。体育館やグラウンドなどで行われるスポーツをもとにした体育授業は、小学校から中学校までの義務教育段階の中でも国語、算数の次に多くの時間数が設定されている教科です。その一方で、学校現場では指定された教科書などがなく、指導内容や方法が体系化されていないことから、指導に困難さを抱いている先生たちが少なくありません。 そこで体育科教育学研究室では、「体育授業がうまい先生はどのような学習計画を立ててこどもと関わっているのか」「教師の働きかけによってこどもたちはどのような学習をしているのか」ということを様々な視点から研究しています。また、スポーツを取り扱う体育授業での学習の深まりがこどもの心理的な発達に与える影響についてもテーマとしています。体育授業は、豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育むことを目指しており、教科の主たる内容であるスポーツを通して学習を深めることがこどもたちの将来を切り開くことにつながっていると考えています。
こども学科 菜原研究室
「教材」と聞くと、皆さんはどのようなイメージが浮かびますか?「絵本」「紙芝居」「おもちゃ」「道具」等、様々なものを想像するのではないでしょうか。実は今あげたものは実際に「形」としてとらえることができるものです。保育・教育における「教材」とは、必ずしも形あるものとは限りません。時には保育者・教育者の「声」や「身振り手振り」が「教材」そのものになることもあるのです。本研究は子どもたちの豊かな成長に関わる「教材」について幅広く学び、「実践」を通して「保育者」「教育者」としての力を向上させることを目的としています。さらには、就職した際に、保育や教育現場で信頼され、活躍できる人になることを目指しています。
こども学科 高橋研究室
国語を中心に、保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の養成に関する研究をおこなっています。子どもの教育に携わる職は一定の資質・能力が求められる専門職であり、単に知識や経験の積み重ねだけでは身に付けることのできない力が必要になります。そこで、自ら考え行動できる保育者・教員養成教育の在り方について研究し、その成果を実践に活かすよう努めています。 保育者や教員には、自ら学んできたことを目の前の子どもの状況を理解することに役立て、より適切な支援、指導ができるようになることが期待されます。必要になるのは、関わり方や教え方の「正解」ではなく、一人一人に合った適切な支援や指導を自ら選択して、実践する力です。短期大学の授業では、高校時代までに学んできた様々な知識や経験を結び付けながら、専門職として必要な学びをおこなうようにしています。将来に向けて、高校での学びもぜひ大切にして下さい。
こども学科 清水研究室
教育の改革が進められる中、ここでは主に幼児教育施設(幼稚園・保育所・認定こども園)にておこなわれている教育改革について検討しています。これまでに日本では、保育内容の充実や質の向上に向けた様々な施策がおこなわれてきました。そのひとつに、発達や学びの連続性を踏まえた保育や教育において、0歳から18歳までの育ちを見通すことが位置づけられてきました。具体的には、子どもが生活の中でおこなわれる遊びは後の小学校における学習の基盤となる事がより一層強調され、幼保小の連携・接続が強化されています。それは、決して小学校の学習を前倒しすることではありません。ここでの遊びは子どもが主体的に遊ぶことが前提となり、子ども自身が好奇心をもち身のまわりの環境に関わり、考えることや仲間との会話を通して遊びを深めていく事が重要であるということです。 そうした子どもの遊びや、遊びを通した育ちを理解し保障するために、保育士や幼稚園教諭の存在は重要な役割を担っています。毎日子どもと共に過ごしながら、子どもを理解し遊びや育ちの意味を紐解いていこうとする姿勢が、質の高い保育や教育の実現につながります。これらのことから、幼児教育施設における質の向上は、保育者における専門性の向上と切り離すことができないといっても良いでしょう。 こうした幼児教育施設における現在の保育・教育と保育者の専門性について研究を進め、日々の養成教育にも活かしています。皆さんが子どもの頃に楽しんだ遊びの記憶を思い出しながら、今の時代に求められる保育士・幼稚園教諭、小学校教諭を目指して、こども学科で一緒に学んでみませんか。
菊地研究室(社会科教育・環境教育研究室)
幼稚園・保育所・認定こども園では、散歩・外遊び(園外保育)、小学校では、街探検(生活科)、地域調査(社会科)といったように身近な地域を対象とした保育・学習活動を展開しております。本研究室では、幼児教育(領域環境)、生活科・社会科教育という視点から、どのように身近な地域資源を発掘し、有効活用すべきか、授業開発(保育活動開発)を行い、検証を積み重ねています。また、これらの保育・学習活動をどのように接続強化すべきか、その系統化の確立も目指しています。皆さんも、本学に入学して、幼少保の免許資格の取得をめざしながら、身近な地域資源を発掘し、有効な教育(保育)活動を考えてみませんか。
こども学科 類家研究室
学校教育で、より正しい表現としては、『実態をとらえたうえで見通しを明らかにした「各学校で目指す子どもの姿」』は、完成すべき望ましい最終の状態を示したものではあるが、「子ども自身がこのような姿になろうと主体的に活動する方向を示したもの」としての捉えをすることが重要である。子どもにとっては、その方向に向かって自分を高めようとする努力目標であると共に、教職員にとっては、日々の教育実践を導く道標でもある。子どもたちの育ちの過程そのものを何よりも大切にしたいと考えている。 したがって、具現化を図る鍵は、日々積み上げる日常的な実践となる。子どもの姿を道標にしていくことは、子どもの姿を正しくとらえること、すなわち正しい子ども理解に支えられる。子どもたちの姿を正しくとらえながら、子どもたちの姿を道標として、日々の実践を着実に積み上げる教職員の基本的な姿勢は、学校教育目標にある子どもの姿に帰結する。 教職員は、学校教育目標を受け、日々の授業・様々な行事等の実践を通して保護者・地域とともに歩み、信頼される学校づくりを推進していかなければならない。初等教育全般、小学校理科、小学校英語の側面から常に考えている。
こども学科 笠師研究室
■実は「わかってもらえる」と「わかる」ことは難しい? 誰かと話をしたり、相談事をしたとき、「そういうことを言ったんじゃないんだけどな」とか「あんまりわかってもらえなかった」と感じたことはありませんか?あるいは、反対に、相手のことをわかっているつもりだったのに、本当は全然わかっていなかったということや、自分の中で理解や共感が上手くできず、何か引っかかりのような気持ちが残るという経験をすることもあると思います。 ■人が人を「わかる」、「わかり合う」こととはどういうことか いったい、人が人を「わかる」、そして「わかり合う」とはどういうことなのでしょうか。どうやらここには、一方通行ではない、「お互いに共有された理解」というものが必要だといえそうです。では、それはどのようにして達成できるのでしょうか。どのようなやりとりを通して「わかり合う」ことができるのでしょうか。この答えを見出す可能性のあるキーワードとして、「対話」、「間主観性(相互主体性)」そして、「共視」の論理を用いてこれらの問いに答えることをめざしています。 ■授業の中で教えていること 子どもが思っていることを「わかってもらえた」と感じ、その思いを誰かと一緒に共有することができる経験は、「他者への信頼」と「自分への信頼」を形成する上で非常に重要なものです。またそれは、困っていても上手くSOSを出せない・相談できないために、悩みながら子どもを育てる保護者や家族にとっても同じです。 授業では、子ども、そして保護者や家族支援のためのコミュニケーション技術、地域や他の専門職との連携・協働について教えています。私自身はソーシャルワーク*1やスーパービジョン*2を専門とするため、「社会資源を活用し、人や地域をつなぎながら支援することのできる保育者・教育者」の養成・教育に力を入れています。 *1「ソーシャルワーク」とは、社会福祉士や精神保健福祉士などの社会福祉専門職による、人や組織、地域を対象にした相談援助のことをいいます。現在、保育ソーシャルワークやスクールソーシャルワークなど、保育や教育の分野でもソーシャルワーカーの支援が必要とされており、令和4年6月の改正児童福祉法において、「こども家庭ソーシャルワーカー認定資格」が創設され、主に児童や家庭への相談支援等によるソーシャルワークを行うことが期待されています。こども家庭ソーシャルワーカー認定資格を取得できる人は、社会福祉士や精神保健福祉士だけでなく、保育士(保育所等で主任保育士等として4年以上の相談援助実務経験が必要)等も対象としており、令和6年度から養成が始まります。 *2「スーパービジョン」とは、主に新人など経験の浅い専門職が一人前になるために行われる専門職養成のための方法であり実践です。新人の専門職が仕事のマネジメントや教育的・心理的サポートを受けつつ、専門職として自ら気づき、学び成長していくことを目的としています。スーパービジョンは社会福祉の分野だけでなく心理、医療など対人援助専門職の養成方法として研究・実践されています。