新潟医療福祉大学

Contents01
デジタル技術で痛みに苦しむ人々を助けられるのか?

デジタル技術で痛みに苦しむ人々を助けられるのか? 【リハビリテーション学部 理学療法学科 大鶴直史 研究室】

■課題解決に挑む学問
医学・歯学・薬学・看護・リハビリ>>リハビリテーション・作業療法・理学療法
■該当するテーマ
健康・安全

治ったはずなのに痛いという不安を、最新のデジタル技術が救う

治ったはずなのに痛いという不安を、最新のデジタル技術が救う 運動部の練習や試合で怪我をした時、病院で「もう骨はくっついている」「検査では異常がない」と言われたのに、いざ競技に戻ろうとすると違和感や激しい痛みが引かない。そんな経験はありませんか? 本人以外には見えない、そして数値にも表れない「原因不明の痛み」は、周囲の理解を得るのが難しく、「いつ治るかわからない」という孤独な不安を抱かせます。実はこのような痛みは、患部そのものではなく「脳」が痛みを記憶していたり、自分の体の一部を正しく認識できなくなったりすることで起きるケースが少なくありません。こうした従来の治療では解決が困難だった課題に対し、今、斬新なアプローチが注目されています。それが、VR(仮想現実)や脳刺激といったデジタル技術を駆使したリハビリテーションです。ゲームやプログラミングなどの情報技術が、終わりのない痛みに悩む人々に希望を灯す「武器」になろうとしています。

脳を刺激しVRで治す。医療と工学を融合させた次世代リハビリ

脳を刺激しVRで治す。医療と工学を融合させた次世代リハビリ 新潟医療福祉大学 理学療法学科の大鶴直史先生は、この新しい理学療法の研究に挑戦しています。きっかけは、学生時代の実習で出会った脳卒中の患者さんの大きな悩みです。手足の激痛で身動きがとれず、原因不明ゆえに治療法も見つからない。そんな「終わりのない痛み」を解明するため、先生は脳と痛みの関係に着目しました。現在、先生の研究室ではVR(仮想現実)やMR(複合現実)、さらに脳を電気で直接刺激する最新技術を駆使した次世代リハビリテーションの開発に挑んでいます。例えば、痛みで動かせない手足をVR空間で動かしたり、見た目を変化させたりすることで、脳が抱く「自分の体ではないような違和感」を書き換え、症状の軽減を目指します。今後、困難だった脳深部への電気刺激技術により、痛みだけでなく患者さんの精神的な苦悩の改善も検証する予定です。患者さんの体に希望の光を灯すことが、この研究室の大きな目標です。

理系の力が医療の武器に。テクノロジーでリハビリの未来を創る

理系の力が医療の武器に。テクノロジーでリハビリの未来を創る 理学療法士という職業について、単に「体を動かすサポートをする人」という印象をもつかもしれません。しかし、みなさんが活躍する未来では、工学や情報学の知識を併せ持ち、今までにない治療を生み出す力がいっそう求められるでしょう。本学科では、理学療法士の高度な教育・研究環境をそなえ、科学的思考を磨いて多方面で活躍できる人材の育成に力を入れています。さらに最新のデジタル技術を学び、リハビリへの応用を追究できる環境が整っています。「人々の健康と生活に役立ちたい」という想いに加え、数学や物理、プログラミングなどの理数系に興味を持つ人は、本学科で学ぶことでリハビリテーションの未来を変える大きな力になる可能性が十分にあります。従来の枠にとらわれず、新しい技術で誰かの人生に希望の光を灯したい―そんな意欲に溢れた学生とともに学べることを、大鶴先生は歓迎しています。

Contents02
日常生活への復帰をサポートするための、認知機能そのものの改善とは?

日常生活への復帰をサポートするための、認知機能そのものの改善とは? 【リハビリテーション学部 作業療法学科 安中裕紀 研究室】

■課題解決に挑む学問
医学・歯学・薬学・看護・リハビリ>>リハビリテーション・作業療法・理学療法
■該当するテーマ
健康・安全

ゲームの力が医療を変える?VRで挑む自分らしい生活の追求

ゲームの力が医療を変える?VRで挑む自分らしい生活の追求 現代の高校生にとって、VR(仮想現実)やオンラインゲームは身近な娯楽です。
しかし今、これらのテクノロジーが「遊び」の枠を超え、医療の現場で人々の人生を支える大きな力として注目されているのを知っていますか?私たちの社会には、病気や障がいによって、記憶力や判断力といった「認知機能」に課題を抱える方が多くいます。認知機能とは、日常生活の動作を支える思考プロセスですが、一度損なわれると「自分らしい生活」を送ることが困難になり、本人の自信や気力を奪ってしまうことも少なくありません。これまでの医療では、失われた機能を道具で補う手法が主流でしたが、現在は最新技術を用いて「機能そのものを改善する」という新たなステージに移行しつつあります。障がいの有無にかかわらず、誰もが自分の望む場所で、自分らしく輝ける社会。その実現の鍵を握るのが、楽しみながら脳を活性化させる「VR×リハビリテーション」です。

脳への刺激とVRを融合。楽しみながら認知機能を改善

脳への刺激とVRを融合。楽しみながら認知機能を改善 新潟医療福祉大学 作業療法学科の安中裕紀先生は、病気などで低下した記憶力や判断力を、単に「補う」のではなく「改善する」ための新しいリハビリテーション手法を研究しています。中心となるのは、VR(仮想現実)ゲームと、耳から微弱な電気を流して神経を刺激する手法を組み合わせるという先進的な試みです。安中先生がこの研究を始めたのは、約10年間にわたる作業療法士としての経験がきっかけです。てんかんなどの症状により、日常生活に困難を抱える多くの患者さんと接する中で、リハビリの単調さや継続の難しさという壁を実感してきました。そこで、VRを用いることで訓練をゲーム感覚の楽しいものに変え、さらに最新の神経刺激技術を掛け合わせて脳の活性化を効率的に促すという仕組みを追究しています。「リハビリは苦しいもの」という常識を覆し、患者さんが自らやりたいと思える環境を作ることで、人生を取り戻せる未来を目指しています。

正解のない問いを探究し、未来のリハビリが世界とつながる

正解のない問いを探究し、未来のリハビリが世界とつながる 安中先生は、研究において「問題解決能力」を養うことの大切さを強調しています。そして「一つの方法がうまくいかなければ別の角度からアプローチする。この試行錯誤のプロセスこそが、みなさんの『生きる力』、未来の糧になります」と語ります。作業療法学科は、身体や心に障がいを持つ人々が「自分らしい生活」を送れるよう支援する専門家、作業療法士を育成する場です。人の数だけ正解があるからこそ、相手の想いに耳を傾け、最先端のテクノロジーを柔軟に使いこなせる探究心豊かな学生を歓迎しています。そして「なぜ記憶力は低下するのか」「どうすればやる気が引き出せるのか」といった日常の何気ない疑問から研究を始めると、やがて世界を変える成果に到達できるかもしれません。本学科で、脳科学や心理学、そして最新工学など、幅広い知識と技能を駆使して「人の人生を変える喜び」を分かち合える作業療法士を目指してみませんか?

Contents03
口唇口蓋裂の子どもが、社会性豊かに育つための言語発達支援とは?

口唇口蓋裂の子どもが、社会性豊かに育つための言語発達支援とは? 【リハビリテーション学部 言語聴覚学科 大湊麗 研究室】

■課題解決に挑む学問
医学・歯学・薬学・看護・リハビリ>>言語聴覚学
■該当するテーマ
健康・安全

誰もが自分らしく話せる「言葉の壁」のない多様な社会へ

誰もが自分らしく話せる「言葉の壁」のない多様な社会へ 私たちは日々の生活の中で、友人とおしゃべりをしたり、自分の想いを言葉にして伝えたりすることを当たり前のように行っています。しかし、世の中には生まれつきの疾患や、それによる「話し方」や「見た目」の特徴によって、コミュニケーションに不安を抱え、自分らしさを出すことにためらいを感じてしまう子どもたちがいます。特に、日本では約500人に1人の割合で生まれる「口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)」という疾患は、言葉の発音や顔立ちに影響を与えることがあり、適切なサポートがなければ、その子の自信や社会性の発達に壁を作ることにもなりかねません。いま、社会全体で「多様性(ダイバーシティ)」の重要性が叫ばれていますが、真の共生社会とは、誰もが自分の言葉に自信を持ち、外見や話し方などの違いのために可能性を失われない社会です。一人ひとりが自由に未来を描ける環境をどう作るかが、現代の大きな社会課題となっています。

医療と教育を「言葉」でつなぎ、子どもの一生を支える

医療と教育を「言葉」でつなぎ、子どもの一生を支える こうした課題に対し、新潟医療福祉大学 言語聴覚学科の大湊麗先生は、口唇口蓋裂を持つ子どもたちが社会の中で自分らしく育つための「言語発達支援」を研究しています。この疾患の治療は、形態を整える手術から、噛み合わせを直す歯科矯正、そして正しく話すための言語治療まで、出生から成人するまでの長期間にわたる多職種連携が欠かせません。先生が特に重視するのは、病院での「医療」と、学校などの「教育現場」を切れ目なくつなぐ支援の在り方です。言語聴覚士として、臨床研究を通じて発音機能を改善させるだけでなく、子どもが学校生活で直面するコミュニケーションの不安を解消し、社会性を育むための支援方法を追求しています。「話しやすくなった」という機能の回復が、子どもの「自分に自信が持てた」という心の成長につながり、未来を切り拓く力になる。先生の研究は、医療の枠を超えて一人の人生の可能性を広げることを目指しています。

子どもの「できた! 」を支え、自ら支援の道を切り拓く人に

子どもの「できた! 」を支え、自ら支援の道を切り拓く人に 「言語聴覚士は、言葉の支援を通じて『一生の宝物』を届ける仕事です」と語る大湊先生は、担当したお子さんが笑顔でおしゃべりを楽しみ、社会性豊かに育っていく姿に何よりのやりがいを感じています。そのため、本研究室では「子どもが好き」という気持ちはもちろん、目の前の人の困りごとに真摯に向き合い、その背景を深く考えようとする探究心を持った学生を求めています。大学で研究に取り組む意義は、「どうすればより良い支援ができるか」を科学的に検証する力を養うことにあります。大湊先生が所属する言語聴覚学科は、少人数制の手厚い教育と充実した実習環境が特色です。研究室での学びを通じて、自ら課題を見つけ、根拠に基づいた解決策を提案できる力を身につけることは、将来、現場に出た際により多くの患者さんを救う大きな強みになります。「誰かの役に立ちたい」という熱意のある学生が成長できる本学科で学んでみませんか?

Contents04
新旧の技術が融合し、進化と可能性に満ちている義肢装具の世界とは?

新旧の技術が融合し、進化と可能性に満ちている義肢装具の世界とは? 【リハビリテーション学部 義肢装具自立支援学科 須田裕紀 研究室】

■課題解決に挑む学問
医学・歯学・薬学・看護・リハビリ>>リハビリテーション・作業療法・理学療法
■該当するテーマ
健康・安全

世界のスポーツの祭典でも注目。義肢装具がもたらす共生社会

世界のスポーツの祭典でも注目。義肢装具がもたらす共生社会 2026年冬に行われている世界的なスポーツの国際大会で、多くのパラアスリートが最新のギアを使いこなし、限界に挑む姿が人々に感動を与えています。こうしたスポーツシーンだけでなく、私たちの身近な生活でも、怪我や病気、加齢によって身体機能に困難を抱える人々を支える「義肢装具」の重要性が改めて注目されています。かつては失った機能を補うための「代用品」というイメージが強かった義肢や装具ですが、近年の技術革新により、その役割は劇的に変化しました。身体の一部として日常生活に馴染み、その人のQOL(生活の質)を支えるのはもちろん、今や一人ひとりの目標や夢を叶えるための「パートナー」とも呼べる存在になっています。誰もが自分らしく動き、社会に参加できる共生社会を実現するために、義肢装具にはさらなる進化が求められているのです。

「心」と「数値」で支える未来のものづくり

「心」と「数値」で支える未来のものづくり こうした社会のニーズに応えるべく、新潟医療福祉大学 義肢装具自立支援学科の須田裕紀先生は、3Dスキャナや3Dプリンタを活用した新しい義肢装具製作の研究開発に力を入れています。従来の製作現場では、石膏を使って型を取り、職人の経験や感覚(勘)を頼りに手作業で微調整を行うのが主流でした。しかし、須田先生が目指すのは、そこにデジタル技術を導入し、形状や適合具合を「数値化」することです。3D技術を使えば、患者さんの体に触れずに正確な計測が可能になり、身体的負担を減らせるだけでなく、これまで言語化が難しかった熟練者の技術をデータとして蓄積・再現できるようになります。もちろん、最終的な微調整には人の手による温もりや感覚が不可欠ですが、デジタルによる「根拠(エビデンス)」を組み合わせることで、より高精度で納得感のある義肢装具を提供することが可能になります。

ものづくりで誰かの人生を支える学生を育成

ものづくりで誰かの人生を支える学生を育成 須田先生は「今後の義肢装具の世界は、伝統的な手技と最先端のデジタル技術が融合する非常にエキサイティングな分野です。ものづくりが好き、最新のIT技術に興味がある、という人はもちろん、何より『人の役に立ちたい』という強い想いを持つ学生を求めています」と語っています。義肢装具士が向き合うのは、道具だけではなく「患者さんの人生」そのものです。自分が製作した装具によって、患者さんが再び自分の足で歩き出し、笑顔を取り戻す。その瞬間に立ち会えることが、この職業の最大の醍醐味です。本学科では、義肢装具士の国家資格取得を目指すだけでなく、パラスポーツ支援や海外研修など、多様な学びのフィールドを用意しています。高度な専門性と豊かな人間性を備え、患者さんの未来を一緒に築きたいという学生に期待しています。自分の熱意と感性、技術を生かし、誰かの日常を輝かせるプロフェッショナルを目指してみませんか?

Contents05
多くの人々を痛みから解放する、鍼灸治療の研究と実践とは?

多くの人々を痛みから解放する、鍼灸治療の研究と実践とは? 【リハビリテーション学部 鍼灸健康学科 久保亜抄子 研究室】

■課題解決に挑む学問
医学・歯学・薬学・看護・リハビリ>>鍼灸・柔道整復学
■該当するテーマ
健康・安全

長時間の勉強やスマホの使用がもたらす体の痛みをおさえるために

長時間の勉強やスマホの使用がもたらす体の痛みをおさえるために 勉強中の姿勢の崩れや、スマートフォンの長時間利用。今、こうした生活習慣からくる「肩こり」や「頭痛」「腰痛」に悩む高校生が増えています。厚生労働省の調査でも、若い世代の身体の悩みとして「肩こり」や「腰痛」は常に上位に挙げられる深刻な課題です。しかし、多くの場合は「若いうちの痛みだから」と放置されたり、一時的に痛み止めで抑えたりする対症療法にとどまっているのが現状です。慢性的な痛みは、集中力の低下や睡眠の質の悪化を招き、学業や部活動のパフォーマンスにも大きな影響を及ぼします。実は、こうした「身近な痛み」の裏側には、まだ解明されていない複雑な身体のメカニズムが隠されています。単なるリフレッシュではない、科学的な視点から痛みの正体を見極め、根本から解消する新しいアプローチが、現代社会において切実に求められています。

痛みを和らげるホルモンがある?鍼灸の謎を科学で解き明かす

痛みを和らげるホルモンがある?鍼灸の謎を科学で解き明かす 新潟医療福祉大学 鍼灸健康学科の久保亜抄子先生は、「なぜ、体に細い鍼を打つだけで痛みが和らぐのか」という、長年経験的に語られてきた鍼灸の効果を、科学の光で解き明かそうとしています。特に注目しているのが、幸福感を感じる際に分泌されると言われる「オキシトシン」というホルモンです。久保先生は、このホルモンが痛みを抑える強力な働きを持つことを実験で発見しました。研究室では、痛みの原因そのものを探る研究と、それをどう鎮めるかという「鎮痛」の二つの柱で活動しています。仮説を立て、実験を何度も繰り返し、世界で誰も知らなかった「新しい事実」にたどり着く瞬間こそが研究の醍醐味です。目指すのは、鍼灸のメカニズムが細胞や分子レベルで完全に解明され、誰もが安心してその恩恵を受けられる社会です。「若者の痛み」に対しても、根拠に基づいた新しい解決策を提示できるよう、日々研究が進められています。

探究心を持ち、誰かの支えになる鍼灸師を目指せる学科

探究心を持ち、誰かの支えになる鍼灸師を目指せる学科 久保先生自身、実は高校生の頃から肩こりに悩み、30歳で初めて鍼灸の効果に感動してこの道を志しました。「今はやりたいことが見つからなくても大丈夫」と語る先生は、何事にも興味を持ち、コツコツと粘り強く取り組める学生を待っています。久保研究室には、スポーツ、美容、高齢者ケアなど、多様な目標を持つ学生が集まっていますが、共通しているのは「誰かの痛みを和らげたい」という大きな目標と優しさです。新潟医療福祉大学の鍼灸健康学科では、科学的根拠に基づいた高度な専門知識と技能のほか、他学科との連携を通じて「チーム医療」の一翼を担う実践力を身に付けることができます。病院やプロスポーツの現場など、活躍の舞台は無限に広がっています。自分の身近な「なぜ?」を大切にし、探究心を持って学びを深めていく学生を、久保先生は歓迎しています。

Contents06
視力を理由に夢を諦めない、未来のために大切なこととは?

視力を理由に夢を諦めない、未来のために大切なこととは? 【医療技術学部 視機能科学科 村田憲章 研究室】

■課題解決に挑む学問
医学・歯学・薬学・看護・リハビリ>>リハビリテーション・作業療法・理学療法
■該当するテーマ
健康・安全

スマホ時代に問われる視能訓練の重要性と「3歳の壁」の克服

スマホ時代に問われる視能訓練の重要性と「3歳の壁」の克服 デジタルデバイスが身近な現代において、子どもの視機能への影響は避けられない社会課題です。しかし、視力の異常は早期に発見して治療を始めなければ、将来、眼鏡などで矯正しても視力が十分に上がらない「弱視」になるリスクがあります。特に言葉を話せない3歳未満の乳幼児の場合、従来の検査方法では正確な測定が難しく、異変が見過ごされてしまうケースも少なくありません。もし、将来パイロットや鉄道の運転手など、矯正視力に制限がある職業を夢見たとき、幼少期の発見の遅れが原因でその道が断たれてしまうとしたら、これほど残念なことはありません。子どもの無限の可能性を広げるためには、本人が自覚症状を訴える前、つまり「3歳以前」の段階で、誰でも客観的かつ正確に視力を測定できる新たな仕組みづくりが、今まさに動き出しています。

視線解析×顔認証のテクノロジーが次世代の視力検査を創り出す

視線解析×顔認証のテクノロジーが次世代の視力検査を創り出す 新潟医療福祉大学 視機能科学科の村田憲章先生は、視能訓練士としての臨床経験の中で、子どもの視機能の早期検査と治療が大きな社会課題になることに気づきました。そして現在、最新の「視線解析技術」を用いた自動測定システムの開発に挑んでいます。このシステムは、顔認証機能によって自動で黒目の位置を判別し、赤ちゃんの視線の動きを客観的に分析するものです。従来のような検査者の主観に頼るアナログな手法ではなく、誰が測定しても同じ結果が得られる「再現性」と、収集したデータを即座に分析する「鮮度」を重視した研究が進められています。この技術が実用化されれば、言葉を介さずに赤ちゃんの視力を正確に把握でき、適切な時期に治療を開始することが可能になります。村田先生は、研究成果は次世代へ継承され、100年後の子どもたちが視力を理由に夢を諦めなくて済むようになってほしいと願っています。

豊富な演習・実習を経て人々の視力を守る視能訓練士を目指す

豊富な演習・実習を経て人々の視力を守る視能訓練士を目指す 本学科では、幅広いニーズに応えられる視能訓練士を育成しています。医療分野の研究と臨床経験が豊富な教員が、学生一人一人にきめ細やかな教育を実践。また、保育園や高齢者施設などの検診実習で経験を積み、視線解析や評価システムの開発といった最新の学びも習得できます。学内の実習・演習室には、眼科の臨床現場に即した最新機器が整っています。本学科のほとんどの卒業生は視能訓練士として、新潟県内外の病院やクリニックに就職しています。そして現場の即戦力として、視力検査や眼圧検査といった一般的な検査、子どもから高齢者まで幅広い患者さんの視能訓練など、多岐にわたる業務に携わっています。村田先生はこれから入学する学生について「人のためになりたいという強い意欲を持つ人に期待しています」と語っています。本学科で、視能訓練士としての高い専門性を身に付け、人々の一生の視力を守る医療職を目指してみませんか?

Contents07
テクノロジーの力を使って、誰もが心肺蘇生できる世の中とは?

テクノロジーの力を使って、誰もが心肺蘇生できる世の中とは? 【医療技術学部 救急救命学科 大松健太郎 研究室】

■課題解決に挑む学問
医学・歯学・薬学・看護・リハビリ>>医療技術学
■該当するテーマ
技術

AEDを使った心肺蘇生で助かる命と課題

AEDを使った心肺蘇生で助かる命と課題 もし目の前で突然人が倒れたら、あなたは迷わず動けますか?「AEDという言葉は知っているし、学校の授業で使い方も習った。でも、いざという時に正しく使える自信がない…」。そんな不安を感じる人は少なくないでしょう。実際、救急車が現場に到着するまでには全国平均で約10分かかると言われており、その間の心肺蘇生や応急手当が生死を分ける重要な鍵となります。しかし、訓練用の動かないマネキンと実際の現場とでは状況が大きく異なります。例えば、心停止直後に見られる「しゃくりあげるような呼吸」を知らないために、息をしていると誤認して処置が遅れるケースがあります。こうした「知識はあっても、現場のリアルを知らないために動けない」という心理的・技術的なハードルを、最新テクノロジーで解消しようとする試みが始まっています。救急救命を誰もが当たり前に、自信を持って行える未来を目指す研究が進められているのです。

AR技術で「現場のリアル」を再現。救命教育に変革を起こす

AR技術で「現場のリアル」を再現。救命教育に変革を起こす この「現場経験がないために動きづらい」という課題に対し、最新のデジタル技術を用いた解決を追求しているのが、新潟医療福祉大学 救急救命学科の大松健太郎先生です。先生が開発した「心肺蘇生AR」アプリは、スマートフォンのカメラを訓練用マネキンにかざすと、画面上のマネキンに3DCGが重なり、実際の救急現場さながらの様子が映し出されます。特筆すべきは、多くの人が処置を迷う原因となる「死戦期呼吸」の動きをARで忠実に再現している点です。これにより、学生や一般市民はマネキンだけでは学べない「救命の瞬間」を疑似体験し、いざという時の正しい判断力を養うことができます。研究の目的は、単に技術を教えることではありません。救命の専門家としての知見にテクノロジーを掛け合わせることで、心理的な壁を壊し、誰もが自信を持って命を救える社会づくりを目指しています。

異業種とのコラボレーションで、救急医療への貢献を実現したい

異業種とのコラボレーションで、救急医療への貢献を実現したい 「人の命を救いたい」という志を持つ人にとって、救急救命士は魅力的な職業の一つです。しかし大松先生は、その活躍の場は消防署や病院といった「現場」だけではないと強調します。今回注目した訓練用アプリの開発のように、救急救命を教育やテクノロジーなど多様な分野とコラボレーションすることで、「いつでも、どこでも、誰もが」命を救える仕組みを創ることが可能です。本学科では、救急救命士の専門知識と技能に加え、多職種連携や異分野の知見を通し、柔軟な思考力を持った救急のプロを目指せます。目の前の患者さんのために自ら行動し、学び続ける意欲のある学生を歓迎しています。医療の知識という一生の武器に、自分の強みや感性を掛け合わせ、新しい救命の形を一緒に創造していきましょう。今年も多くの学生が、命に関わるリスクと向き合う人々を救う人材となって、本学から社会へ羽ばたいています。

Contents08
クオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上に貢献する食の科学とは?

クオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上に貢献する食の科学とは? 【健康科学部 健康栄養学科 山﨑貴子 研究室】

■課題解決に挑む学問
栄養・食物>>栄養学
■該当するテーマ
豊かな暮らし

その栄養計算、正確?調理で変わる「食の正体」を科学する

その栄養計算、正確?調理で変わる「食の正体」を科学する みなさんの中に、日ごろの健康や部活動での運動のために、スマホアプリを使って摂取カロリーやタンパク質量を記録している人がいるかもしれません。しかし、そこで表示される数値の多くは「生の食材」の状態に基づいたデータであることを知っていますか?私たちは普段、食材を焼く、蒸す、あるいは保存するといった工程を経て口にしますが、実はその過程で食品の成分量や硬さなどの「物性」は大きく変化します。例えば、ビタミンが加熱で壊れたり、調理法一つで肉の柔らかさが変わったりするのはその典型です。健康志向が高まる現代において、このような調理による変化を考慮しなければ、本当に体に届けたい栄養を正しく評価することはできません。私たちが毎日食べている「食事」の真の姿を、データと実験によって科学的に解明していくことが、現代社会の健康維持における重要な鍵となるのです。

調理を数値で可視化し、誰もが健やかに暮らせる社会をつくる

調理を数値で可視化し、誰もが健やかに暮らせる社会をつくる こうした食の課題に対し、新潟医療福祉大学 健康栄養学科の山﨑貴子先生は、食品科学や調理科学の視点からの解決を試みています。研究の柱の一つは、調理や保存によって食品の栄養成分や「物性(硬さや粘り)」がどう変化するかを詳細に検証すること。例えば、食肉を柔らかくする低温調理法や、舞茸の酵素を利用した軟化の研究は、単に「おいしくする」だけでなく、噛む力が弱い高齢者の方々へ質の高い食事を提供するという、QOL(生活の質)の向上に直結しています。また、地元の特産品であるさつまいも「シルクスイート」の成分分析など、地域の農業支援につながる活動も。病院や福祉施設の現場で、より正確な栄養管理を可能にするエビデンスを積み上げることで、先生は「根拠のある食事」による健康維持を目指しています。経験や勘に頼るだけでなく、調理を科学的にデータ化していくこの研究は、人生100年時代といわれるこれからの社会を支える、確かな土台となっているのです。

「なぜ?」を追究する力が人々の健康を守る専門家への第一歩

「なぜ?」を追究する力が人々の健康を守る専門家への第一歩 山﨑先生は、日常生活の中にある「ちょっとした疑問」を大切にできる学生に期待しています。研究の第一歩は、普段の生活で感じる不思議を掘り下げることから始まるからです。本学科は、将来、管理栄養士として医療や福祉、スポーツの現場で活躍したい人はもちろん、「食」を通じて地域貢献や食品開発に携わりたいという意欲を持つ人にぴったりの環境です。医療現場に不可欠な「チーム医療」の一員としての知識に加え、アスリートを支えるスポーツ栄養や、産学連携によるレシピ考案など、実践的な学びが豊富に用意されています。調理計画を立て、仮説を一つひとつ検証して正解を導き出すプロセスは、まるで謎解きのような面白さがあります。「おいしい」の裏側にある科学を探究し、人々のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上に貢献する。そんな志を持つみなさんの挑戦を、心から応援しています。

Contents09
部活動の地域移行でスポーツはどう変わる?選手の幸せをマネジメントで追求

部活動の地域移行でスポーツはどう変わる?選手の幸せをマネジメントで追求 【健康科学部 健康スポーツ学科 山本悦史 研究室】

■課題解決に挑む学問
体育・健康・スポーツ>>スポーツ学
■該当するテーマ
豊かな暮らし

学校から地域へ。生徒の充足感をもたらすスポーツ指導とは?

学校から地域へ。生徒の充足感をもたらすスポーツ指導とは? いま、日本の中学・高校の部活動の環境は大きな変革の中にあります。特に運動部に注目すると、これまで学校の教員が顧問を務めてきた部活動を、地域のスポーツクラブや外部団体へ委ねる「部活動の地域移行」が全国で加速しているのです。みなさんの中にも、外部の先生から実際に指導を受けている人がいるかもしれません。また、スポーツの強豪校の部活動ともなると、元プロスポーツ選手がコーチになり、競技面だけではなくプロになるための進路の手本になるという事例もあります。一方、これにより「先生が教えるチーム」と「地域住民が主導するチーム」が混在し、選手を取り巻く環境は多様化しています。しかし、運営の形が変わることで、選手たちが感じる「楽しさ」や「活動の充実感」にどのような違いが生まれるのでしょうか。指導体制の変化がもたらす生徒への心身や将来設計への影響は、スポーツ教育の場において重要な課題となっています。

中学部活からプロまで、地域に愛されるクラブの仕組みを追究

中学部活からプロまで、地域に愛されるクラブの仕組みを追究 新潟医療福祉大学 健康スポーツ学科の山本悦史先生は、スポーツマネジメントのなかでも特に「スポーツマーケティング」や「スポーツガバナンス」の視点から、地域社会と一体となったクラブ作りについて研究しています。一例を挙げると、「中学野球チームの選手が享受するスポーツ価値と活動満足度の関係性」をテーマに、どのような運営体制が選手の心を豊かにするのかを分析しています。選手の満足度が高いチームが、一体どのような「価値」を選手に提供しているのか。そのメカニズムが明らかになれば、たとえ運営母体が変わっても、選手たちがより楽しく活動を続けられる未来が期待できます。さらに、プロスポーツクラブや大学スポーツが地域住民から愛される存在になるための経営戦略など、多様な課題に取り組んでいます。常に「答えは現場にある」をモットーに、プロ・アマ問わず多くのスポーツ現場へ足を運び、創意工夫の実態を追究し続けています。

スポーツを通して社会と人々の暮らしを豊かにする人材を育成

スポーツを通して社会と人々の暮らしを豊かにする人材を育成 山本研究室の課題であるスポーツマネジメントの魅力は、人々を感動させ、結びつける力を最大限に引き出せる点にあります。その基盤となる健康スポーツ学科の学びは、入学後に興味のある分野を自由に選択できる柔軟さが最大の特徴です。学生は「健康医科学」「コーチング科学」「スポーツ社会科学」「スポーツ教育」の4分野から、興味・関心に合わせて学びを選び、深めることができます。
また、海外研修で最先端のアスレティックトレーニングを学ぶチャンスも用意されています。卒業後の進路も、体育教員やスポーツトレーナー、スポーツメーカーへの就職など多岐にわたります。なかにはプロスポーツの世界で活躍している卒業生もいます。本学科の学生たちは日ごろから幅広い学びに触れ、スポーツと関わりながら自分の個性と強みを生かしながら社会に働きかけるスペシャリストを目指しています。

Contents10
子育てと仕事が両立できる社会は、実現できるのか?

子育てと仕事が両立できる社会は、実現できるのか? 【看護学部 看護学科 和田直子 研究室】

■課題解決に挑む学問
医学・歯学・薬学・看護・リハビリ>>看護学
■該当するテーマ
豊かな暮らし

仕事と家庭の両立は個人の努力次第?現代が抱える「両立」の壁

仕事と家庭の両立は個人の努力次第?現代が抱える「両立」の壁 高校生のみなさんの多くは、将来「仕事も家庭も大切にしたい」と考えているのではないでしょうか。しかし、ニュースでは連日のように、深刻な少子高齢化による人手不足や、育児と仕事の両立に悩む人々の姿が報じられています。特に女性は、結婚や出産といったライフイベントとキャリアの板挟みになり、「どちらかを諦めなければならない」という不安を感じる場面が少なくありません。また、共働きが当たり前となった現代では、無理を重ねるあまり健康を損なったり、周囲の同僚がフォローに疲弊してしまったりといった、新たな課題も浮かび上がっています。こうした「両立の難しさ」は、個人の努力だけで解決できるものではなく、社会全体で向き合うべき重要なテーマです。誰もが健康に、自分らしく働き続けるためには、どのような支えが必要なのか。今、医療の視点から「働く人とその周囲」を科学的に支援する研究が進められています。

「9つの力」で支える、本人と同僚が共に笑顔になれる環境づくり

「9つの力」で支える、本人と同僚が共に笑顔になれる環境づくり 新潟医療福祉大学 看護学科の和田直子先生は、女性が子育てと仕事を健やかに両立できる社会を目指し、当事者とそれを支える「産業看護職」の両面から研究を行っています。先生自身が企業での看護経験を経て、働く母親となった実体験が研究の原動力となっているとのことです。そして調査の結果、両立を成功させている女性たちは、周囲を頼る「関係構築力」や完璧を求めすぎない「諦める力」など、共通する「9つの力」を備えていることが明らかになりました。一方で、両立する女性に貧血傾向が強いという健康リスクや、彼女たちを支える同僚が抱える疲弊といった、見過ごされがちな課題も浮き彫りにしています。現在は、女性個人の力を育む支援に加え、周囲が快く協力し合える「組織全体の環境づくり」を重視した研究へと進化させています。「誰かの犠牲の上に成り立つ両立」ではなく、関わる全員が笑顔になれる包括的な支援の形を追究し続けています。

多職種連携を学ぶキャンパスで社会を変える「探究の目」を養う

多職種連携を学ぶキャンパスで社会を変える「探究の目」を養う 和田先生は、研究を「難しい数学の問題が解けた時の達成感」に例え、未知の課題に挑む喜びを学生と分かち合いたいと考えています。看護学科での学びは、単に資格を取ることだけがゴールではありません。日々変化する社会の課題を、研究という「探究の目」で見つめ直す力は、将来現場でより良い看護を実践する大きな力となります。本学は、医療系総合大学として、看護のみならずリハビリや福祉など多職種が共に学ぶ「連携教育」の環境が整っています。この多職種連携の視点は、和田先生が提唱する「周囲と協力し合える環境づくり」を学ぶ上でも大きな強みです。「誰かの役に立ちたい」という気持ちと根拠を持って社会を変えていこうとする意欲的な学生を歓迎しています。みなさんも本学での学びを通じて、患者さんはもちろん、働く仲間や自分自身の人生をも支えられる広い視野を持った看護職を目指してみませんか。

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双極症患者がより良い家族関係をつくるためのヒントを得るには?

双極症患者がより良い家族関係をつくるためのヒントを得るには? 【心理・福祉学部 社会福祉学科 松元圭 研究室】

■課題解決に挑む学問
福祉・介護>>福祉学
■該当するテーマ
健康・安全

負担を一身に抱えるヤングケアラーを生み出さないために

負担を一身に抱えるヤングケアラーを生み出さないために 家族に病気や障がいがある場合、本来は大人が担うような家事や介護を日常的に行っている「ヤングケアラー」という子どもや青年を知っていますか?特に、双極症(躁うつ病)などの精神疾患を抱える家族がいる家庭では、子どもが知らず知らずのうちに「小さなカウンセラー」や「家族の調整役」を演じ、自分の感情を後回しにしてしまうケースが少なくありません。そして、ヤングケアラーの幼少期の家族経験や成育環境は、その後の人生や家族関係の築き方に大きな影響を与えることも指摘されています。本人が良かれと思って医者のように振る舞うほど、かえって家族としての自然な絆が損なわれ、関係が破綻してしまうこともあるのです。そこで、心の病を脳の機能という「疾患」の側面だけでなく、周囲との関わりの中で生じる「病い」という社会的な視点から捉え直し、当事者と家族のための具体的な支援が、今切実に求められています。

一人ひとりの「語り」から家族が家族らしくいられるヒントを探る

一人ひとりの「語り」から家族が家族らしくいられるヒントを探る 新潟医療福祉大学 社会福祉学科の松元研究室では、双極症を抱える人とそのパートナーが、どうすれば良好な関係を保ち続けられるかをテーマに研究しています。
主な活動は、患者本人や家族への直接のインタビューです。これまでの調査から、患者が家族に対して無意識に「カウンセラー」や「医者」のような役割を求めてしまい、それが原因で夫婦や親子の絆に溝が生まれるケースがあることが分かってきました。現在は、支え合える家族と破綻してしまう家族の事例を比較し、関係を継続できる鍵がどこにあるのかを探っています。さらに2022年からは、患者の「幼少期」の家族経験にも着目した調査を開始しました。アンケートの数字だけでは見えてこない、一人ひとりの「語り」を可視化することで、他者の心の奥底に触れるのがこの研究の大きな特色です。家族が家族らしく笑い合える未来をつくるため、実効性のある支援方法の確立を目指しています。

あなたの経験が誰かの力に。心に寄り添う「福祉の専門家」への道

あなたの経験が誰かの力に。心に寄り添う「福祉の専門家」への道 松元先生は高校生のみなさんに向けて、「大学での4年間は、自分の興味があることに心ゆくまで夢中になれる貴重な時間です。これまで当たり前だと思っていた世界を、研究という「異なる視点」から捉え直す面白さをぜひ体験してください」と語っています。もし、あなたが家族との関係に悩んだり、誰かを支えることに懸命になった経験があるなら、その経験こそが誰かの力になる学問の第一歩になります。社会福祉学科では、国家資格である社会福祉士や精神保健福祉士の取得を目指すだけでなく、現場で役立つ深い洞察力を養うことができます。また松元研究室での学びは、卒業後に相談員やソーシャルワーカーとして、障がいを持つ方とその家族の「一番の理解者」になるための大きな力になるはずです。一人ひとりの「語り」に寄り添い、誰もが自分らしく生きられる社会を、ここから一緒にデザインしていきませんか?

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子ども一人ひとりに合わせた育児・教育環境を提供するには?

子ども一人ひとりに合わせた育児・教育環境を提供するには? 【心理・福祉学部 心理健康学科 溝江唯 研究室】

■課題解決に挑む学問
人間・心理>>心理学
■該当するテーマ
健康・安全

多様な個性を認め合う「インクルーシブ教育」が教育現場で広がる

多様な個性を認め合う「インクルーシブ教育」が教育現場で広がる みなさんは、「勉強は得意だけれど、友達との会話がうまく噛み合わない」「特定の物事へのこだわりが強い」といった個性を持つクラスメートと出会ったことがあるかもしれません。近年、そのような特徴をもつ発達障害のある子どもや、特性に合わせた支援を必要とする子どもが、通常学級で共に学ぶ「インクルーシブ教育」が全国で広がりつつあります。しかし、現場では「具体的にどのような言葉をかければ、その子の心に届くのか」「どうすればお互いに過ごしやすい環境が作れるのか」という課題が依然として残っています。すべての子どもに同じ教育を行うのではなく、一人ひとりの発達の多様性に合わせて、学びの環境を「個別最適化」していくことが、今の教育現場の大きな課題の一つです。こうした「違い」を個性に変え、誰もが自分らしく成長できる社会を作るための鍵は、実は、私たちが何気なく使っている「言葉」とその「発達の仕組み」に隠されています。

科学的な視点で「伝わる言葉」のメカニズムを解き明かす

科学的な視点で「伝わる言葉」のメカニズムを解き明かす 新潟医療福祉大学 心理健康学科の溝江唯先生は、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちの言葉の発達と、それを取り巻く環境の関係を研究しています。先生が注目したのは、周囲の「言葉かけ」の重要性です。例えば、親子遊びの実験では、電池で動くおもちゃよりも、手で動かす伝統的なおもちゃで遊ぶ方が、親から子への言葉かけが多彩になることを明らかにしました。遊ぶ道具一つで、心の通い合い方が変わるのです。現在は、ASDの子どもが「貸して」「貸した」といった言葉の活用をどう使い分け、プロセスを踏んでいるのかを追究しています。相手の立場になって言葉を切り替える難しさを科学的に突き止め、一人ひとりの特性に合った最適な教育について研究しています。言葉の遅れやコミュニケーションの壁を、本人の努力不足ではなく「環境や関わり方の工夫」で乗り越える。そのための具体的な支援を導き出すことが、溝江研究室の大きな目標です。

あなたの疑問と探究心が心理や教育、福祉を支える力になる

あなたの疑問と探究心が心理や教育、福祉を支える力になる 溝江先生は、自身の研究を「派手ではないけれど、世界で私だけが行っているオンリーワンの研究」だと語ります。そして、未来の学生に向けて、「一見、地道に見えるプロセスも、興味があることを追求し続ける力は必ず将来の財産になります。そのため“なぜだろう?”と疑問を持ち、対象を深く理解しようとする探究心のある学生に期待しています」とのことです。先生が所属する心理健康学科では、こうした専門的な研究に触れながら、公認心理師などの資格取得や心理学の深い知識を学ぶことができます。さらに本学は「保健・医療・福祉・スポーツ」の総合大学であり、他学科との連携を通じて多角的な視点を養えるのも大きな特色です。子どもたちの多様な個性に寄り添える教育環境を、学問的な視点から追究して、卒業後の心理、教育、福祉の分野に活かしてみませんか?

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成功事例を解明して創る、「医療×非医療」の新たな未来とは?

成功事例を解明して創る、「医療×非医療」の新たな未来とは? 【医療情報経営学部 医療情報管理学科 鎌田剛 研究室】

■課題解決に挑む学問
情報学・通信>>情報学
■該当するテーマ
豊かな暮らし

病院の外で命を救う「つながり」で新しい地域づくり

病院の外で命を救う「つながり」で新しい地域づくり みなさんは、少子高齢化や地方の人口減少というニュースを見て「自分たちに何ができるだろう」と考えたことはありませんか?少子高齢化社会が進む今、例えば、一人暮らしのお年寄りが自宅で倒れてしまったとき。医師や看護師が24時間そばにいることはできません。そこで鍵となるのが、私たちの日常生活に溶け込んでいる「医療ではない職種」との連携です。香川県まんのう町では、お弁当の配達員さんが配達時の異変に気づいたり、地元の民生委員さんが見守り活動を行ったりと、地域のネットワークで高齢者を支える仕組みが生まれています。医療の専門知識と、地域の暮らしを支える情報(IT)、経営の視点を組み合わせることで、地域住民の孤独死や孤立を防ぐ「安心のネットワーク」をデザインできるのです。こうした病院の外に広がる「医療×非医療」の仕組みづくりこそが、これからの社会を救う大きなヒントになります。

現場の「成功の鍵」とは?フィールドワークで連携の在り方を探る

現場の「成功の鍵」とは?フィールドワークで連携の在り方を探る 新潟医療福祉大学 医療情報管理学科の鎌田剛先生は、この香川県まんのう町の取り組みにも関わり、「医療×非医療」の異業種連携の成功を解明する研究に力を入れています。そして地域を訪れ、現場の人々にインタビューを行い、活動を支援する「フィールドワーク」を重視しています。地域連携の成功のポイントは、地元の人々が同じ目標を共有する「共体験」、あるいは情報をスムーズにつなぐITの仕組み、組織を動かす経営的な工夫などさまざま。そして、これらの事例の中から共通点を見出し、ルール化(言語化)することが、研究の大きな目標です。「たまたま成功した」で終わらせず、誰もが再現できる仕組みとして提示することが、日本全国の地域が暮らしやすくなることにつながります。医療の知見、ITによる情報の最適化、組織を動かす経営の視点の掛け合わせが、複雑な地域課題を解決する鍵になるのです。

「面白そう」という直感から、社会を変えるプロフェッショナルへ

「面白そう」という直感から、社会を変えるプロフェッショナルへ 鎌田先生自身、かつては現場で活躍する社会福祉士でした。そこで感じた「もっと他業種と協力できれば、救える人が増えるはず」という実感が、現在の研究活動の出発点になっています。先生は、成果を急ぎすぎず「なんだか面白そう」という直感を大切にできる、好奇心豊かな学生に期待しています。また医療情報管理学科では、医療の基礎知識に加えて、IT(情報)や経営のスキルを複合的に学ぶことができます。この学びは、病院の経営を支えるスペシャリストはもちろん、鎌田先生のように地域全体の仕組みをデザインする「社会のプロデューサー」を目指す人にも最適です。「目の前の課題をどう解決するか」という探究心を、確かな分析力と実行力をそなえたIT・経営のプロフェッショナルをめざすことも可能です。医療情報管理学科はみなさんの「面白そう、知りたい」という真っ直ぐな好奇心を全力で応援しています。