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アスリートの「食トレ」を支える食事管理アプリ開発とその効果検証

【健康科学部 栄養科学科】

■課題解決に挑む学問
栄養・食物>>栄養学
■該当するテーマ
健康・安全

アスリートの「食トレ」を支える食事管理アプリ開発とその効果検証

アスリートにとって食事の栄養バランスはパフォーマンス向上に欠かせない要素です。しかし、管理が難しいのも事実。「現場で栄養サポートの重要性が高まる一方、2つの課題がある」と指摘するのは、至学館大学健康科学部栄養科学科の杉島有希先生です。「1つ目は栄養士側の課題。選手が100名近く所属する場合、栄養士が全員の食生活を管理するのは難しいでしょう。2つ目は選手・チーム側の課題。経済的な事情から栄養サポートを依頼できないチームや選手が少なくありません」。至学館大学は女子レスリングの名門校であり、次世代のスターを誕生させるプロジェクトに参加した先生は、マンパワーや費用の課題を痛感したと言います。こうした背景から、2015年にアスリート向け食事管理アプリ「food coach」を開発。このアプリを使えば、自分の記録した食事に対して栄養分析や自動アドバイスが得られ、第三者による食事状況の把握も可能です。

食の自己管理能力が上がると、身体組成やパフォーマンスも伸びる

杉島先生は「選手自身が食べたものを記録して振り返るプロセスを通して、食の自己管理能力を育てる」ことを目的にアプリを開発。中学生・高校生・大学生の約500名にアプリを使ってもらい月1回測定したところ、身体組成・食事内容・食の知識に改善が見られたそうです。全国大会出場を果たしたチームもあり、パフォーマンス向上に寄与した可能性が少なくありません。そして「アプリのみ」と「アプリ+管理栄養士による個別ケア」を比較したところ、後者が有効だと証明されました。一方、自己管理できている選手や多忙なトップアスリートには合わない場合も。「育成段階の選手には『自分で記録して振り返るアプリ』、競技レベルが高く時間的制約の大きい選手には『画像認識による自動入力機能を備えたアプリ』というように、より柔軟で実践的な栄養サポートモデルを確立していく予定です」と話す杉島先生は、画像認識機能を搭載した新アプリを開発しています。

スポーツ栄養士の価値を上げるために、業界の認識を変えていく

ゼミの学生も開発に携わり、膨大な画像データの精度検証などを通じて、アプリの実用化を支えています。現場の課題に即した開発に加わることで、在学中から高いプロ意識を育めるのが魅力です。さらに杉島先生は、管理栄養士・栄養士50名(うちスポーツ栄養士11名)が在籍する国内最大級の栄養サポートプロジェクトを運営。アプリやオンラインを活用することで、栄養士は全国どこにいてもキャリアを継続でき、チーム側もフルタイムで専門家を雇うよりコストを抑えて質の高い指導を受けられます。「対面中心の手法を変えていくのがアプリを作った目的の1つ。栄養士がアプリ上で効率的にチェックできれば、時間をかけずに個々へアドバイスができます」。活動の原動力は「スポーツ栄養士の価値を上げて、収益の得られる仕事に変えていきたい」という強い想い。業界の慣習に風穴を開ける画期的な研究に注目が集まっています。

  • 学校ID.GK002235
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