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環境にやさしく、人の交流も生む。身の回りの自然素材を活用した建物づくり。

■学問大分類:工学・建築
■学問小分類:建築学・意匠
■提供:東京理科大学

現代の建築が含む様々な課題

近年の建物づくりには2つの問題が潜んでいます。1つ目は、建物づくりに住み手が参加する機会が減ってしまったこと。かつての日本では家を建てるとなれば、大工さんにお茶やお菓子を出していっしょに談笑したり、家への想いを語ったり…そんなひとときが作り手と住み手の距離をぐっと近づけていました。しかし、現代では建売住宅やマンションの購入が主流となり、両者に大きな隔たりが生じがちです。中には訴訟問題に発展してしまうケースも少なくありません。
もう1つは、環境問題です。例えば土を例に挙げると、建物をつくるために掘り出した土砂は周辺に捨てることはできません。お金を払って決められた処分場に運搬されることで、土壌に住む昆虫や動物などの生態系を壊してしまう可能性もあります。また森林資源の有効利用が進まず、国土保全が十分でない場合、山や森林の劣化や土砂崩れを招くことがあります。

地域住民を巻き込んだ愛着の持てる建物づくり

その2つを解決する方法を提案し、実践するのが東京理科大学・工学部の伊藤拓海教授です。日本各地で、地元の方々と建物づくりに取り組んでいます。最近では北海道の網走市で、土を突き固めてブロックの形状にした『版築』と木材、そして耐震性を補う鉄材を用い、公園などの休憩スペースで雨風や日射を遮るための「パーゴラ」をつくる計画です。自然素材を活用するメリットは、時間の経過とともに建物が風化し、傷み壊れたとしても、直すことも、形を変えた再構築もできること。その際に土は自然に還し、木や鉄はリサイクルできるため、資源循環型の建物の究極形とも言えるでしょう。
また『版築』は、京都の竜安寺や法隆寺、万里の長城に使われるほど歴史ある伝統技法ですが、子ども達でも製作できるほどです。地域住民が積極的に携わり建物に愛着を持つことは、長く愛される街を自分たちでつくっていくことにもつながるのです。

地震大国・日本でも、自然素材を利用し、自然と共生する建物を

1992年完成の日本初の木造ドーム「出雲ドーム」、地元のカラマツで作られた「長野市オリンピック記念アリーナ エムウェーブ」、そして記憶に新しい「国立競技場」、そして通常の一般家屋にいたるまで、地元の自然素材と強靭な鉄骨などの掛け合わせにより、互いの弱点を補い合う新しい建築方法がここ数年で注目されています。土や木などの自然素材特有の風合いや親しみやすさで、自然と心落ち着く空間をつくれることで、今後さらに需要が高まっていくことが期待されていくでしょう。
また、伊藤教授の研究室では、地震や水害など自然災害の多い日本において、建物そのものが安心・安全を自己感知するIoTを利用した知能建築の実現も進めています。耐震性を高めたとしても、想定外の大自然の脅威にさらされ壊れてしまったときに、いかに早く安全に直すか。その被害状況の把握から修理後の耐震性の再評価までを研究しています。

  • 学校No.754
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