関西医療大学の学部・学科紹介

心身を病む多くの人々を対象とする現代の医療従事者には、これまでにないほどの幅広い知識・技術・高度なスキルが求められています。それは患者さんに寄り添うための豊かな感性やコミュニケーション能力、また高度化、専門化する医療に対応できる能力や東洋医学の知識など。糖尿病、高血圧といった生活習慣病も増加する現代では、治療だけでなく予防や健康管理まで期待されています。

本学科ではそんな背景をふまえ、心も身体も癒せる看護師・保健師・助産師の育成に力を入れています。先述した医療ニーズを網羅し、高いコミュニケーション能力と看護実践力が備わった医療従事者となれるよう、教育指導カリキュラムにはさまざまな工夫を採用。東洋医療の考え方、知識・技術を取り入れた科目やシュミレーション教育を通して判断力を養い、”温かみのある看護”を実践できる看護職を育成します。看護師資格取得をベースとしながら、3年次後半からは保健師・助産師を目指す場合に必要な科目も学ぶことが可能です。

身体に障がいを抱えた人々の回復をサポートし、QOL（生活の質）やADL(日常生活動作）を向上させる理学療法士。高齢化に伴う慢性疾患や神経疾患、精神疾患をはじめ、スポーツ傷害への対応、鍼灸理論を導入したリハビリテーションなど、活躍の場は多岐に渡ります。本学科では、理学療法士を“治せるセラピスト”と位置付け、医療の最前線で幅広く活躍できる人材を育成します。

特徴は、東洋医学の知識や技術を取り入れた「経穴刺激理学療法」を学べること、神経難病や精神疾患分野での理学療法、スポーツ傷害では痛みを取り除くだけでなく、パフォーマンス向上につながる理学療法について学べること。臨床実習は3つの施設で実習（1施設6週間）を実施。指導内容と本学の教育内容を合わせ、具体的な実習指導方法を教員と実習指導者間で確認することで、臨床実習を円滑かつ効果的に進められるように努めています。

歯を磨く・食事を取るといった「セルフケア」、仕事をする・学ぶといった「生産的活動」、趣味や好きな活動を楽しむ「余暇活動」など、人々の暮らしは様々な作業活動を通じて営まれています。そんな中、疾患や障がいによりこれらの作業活動が困難になった人々へ支援するのが「作業療法士」。身体機能や認知機能への評価・訓練とともに、作業の分析と訓練、生活環境調整も含んだ役割を担います。

本学科では、16週間の総合臨床実習を経て、確かな臨床能力を持った即戦力として活躍できる作業療法士をめざします。作業療法士としての基礎から応用まで実践的なスキルが身に付くのはもちろん、医療英語が学べる授業や、海外のリハビリテーションの視察もできる海外研修など、多彩な学習プログラムも用意しています。

学習支援システムを構築し、国家資格取得に向けた手厚い教育・学習を提供しています。また、担任制を導入することにより、学生の学習成果を確認し、適切な指導・支援を行っています。

臨床検査技師は、採血による血液や尿の分析、心電図検査、超音波検査、MRI検査を実施することで、さまざまな病気の根本的な原因となっている病原菌の検出や、顕微鏡を使ってがん細胞や病気を見つけ出すプロ。臨床検査によって得られた結果は、患者さんの診断や治療方針の決定に関わるとても重要なデータとして位置付けられています。的確な医療判断を導き出すための情報を科学の専門的な力で精査する、医療・保健分野の一翼を担うスペシャリストであり、現代の医療現場に欠かすことのできない医療職といえます。

本学科では、臨床経験が豊富な専門の教員たちが、多岐にわたる臨床現場に対応できる臨床検査技師の育成に努めています。カリキュラムの履修により、卒業時には臨床検査技師国家試験の受験資格と細胞検査士認定試験の受験資格を得ることができます。また、4年次には第一種衛生管理者、食品衛生管理者、食品衛生監視員資格の科目履修が可能。これらの資格取得をめざすことで、卒業後の進路は医療業界に限らず、食品の研究や加工など多種多様な業界・職種から選択できます。

薬を使わずに施術を行うことが特徴の鍼灸治療。東洋医学として約2,000年もの歴史を誇る一方で、現代社会における鍼灸師には、先進医療における情報を熟知し、医師と相談・連携しながら施術を行う技量が求められています。本学科では、現代医療に伝統医療を含めた総合的な情報で患者を客観的に判断し適切に治療ができる、そんな適否の鑑別ができる鍼灸師の育成を目指しています。

また、サッカーやフットサルなど年代別日本代表チーム、各種競技の海外遠征や国内外で行われるキャンプ・公式戦に帯同している現役のトレーナーが本学の教員。最新トレンドを取り入れた、活きた授業を行っています。

学習カリキュラムとしては一般教養から現代医学、鍼灸医学をバランスよく学び、卒業時にはり師・きゅう師の国家試験を受験します。“鍼灸の資格を活かすスポーツトレーナー”や、“専門性を有する鍼灸師”など、より特性のある職業を目指したい場合にも、主に2年次から進路に合わせた科目履修制を導入しているので、なりたい将来像に近づくことができます。

IT化による運動不足や過食といった生活習慣病、高齢化が進んでいる社会背景から、健康促進のために生涯スポーツが推奨されている現代社会。しかし多くの人々は、「どのような運動をどの程度の強度で行うのが適当なのか」「持病がある場合はどうすればいいのか」など、正しい知識を持っていません。本学科では、長く国民の健康に携わってきた柔道整復師の国家資格免許をベースに、カリキュラムを構成。健康運動を指導するための健康運動実践指導者やスポーツプログラマー、スポーツリーダーの資格を併せ持ち、地域の人々の健康づくりや保健に対応できる人材を育成しています。

柔道整復やスポーツ関連のカリキュラムに加え、もうひとつの医療ともいえる「統合・補完・代替医療」分野の知識と技術も修得。近年、注目が集まるアロマセラピーやヨーガ、太極拳、マイオケア（トリガー理論）などの新しい医療分野も学びます。

幅広いスキルとノウハウを身に付けることから、卒業後に活躍できるフィールドも多種多様。施術所・病院といった医療関係から公営の体育館やフィットネスクラブまで、幅広い進路が広がります。