これからの“働き方

経済学部で学んだスキルを活かして、現実のビジネス課題に挑む。

■学問大分類:経済・経営・商学
■学問小分類:経済学
■提供:名古屋学院大学

企業が抱えるリアルな課題の解決策を経済学部の学生が模索する。

大学での学びを社会に出てからの実務にどう結びつけていくか、というのは各大学の共通の課題。新入社員をゼロから教育し、現代のグローバル競争を生き抜く企業人として育て上げるのは、企業にとって大きな負担となります。 こうした流れを受け、名古屋学院大学 経済学部の大石邦弘先生は2014年「企業連携演習(名古屋学院大学BIPプログラム)」をスタートさせました。これは協力企業が抱える現実の課題の解決策を、経済学部の学生たちが考えるというもの。 プログラムにはエアライン、情報通信企業、メーカー、商社、ショッピング・モールなど多様な企業が参加し、「新しい路線をどこに開発すればいいか?」「どう情報発信すればもっと会社のことを知ってもらえるか?」「10年後も効果的に集客を続けるには?」といった課題を学生たちに提示。学生たちはこれまで学んだ統計学やデータ分析のスキルを活かし、企業の課題を検証しながら解決に取り組みます。

グループで解決策を検討。最終的には企業にプレゼンを実施。

BIPプログラムは1年生~3年生までの3年間継続的に行われ、各年次の前期と後期でそれぞれ2社の企業が課題を出題。学生たちはグループで課題に当たります。大石先生をはじめとする4名の先生が学生たちに対し、随時チェックや指導を行い、年次が上がるごとに学生たちの自主性に任せる割合を増やし、成長を見守ります。 また、同プログラムを履修した上級生が学生アシスタントとして下級生をサポート。「アシスタントとして演習に協力してくれる学生たちの成長には、目をみはるものがあります。自分たちが下級生を指導することで学びを振り返ることができ、それがますます彼らの自信につながるようです」(大石先生)。 最終的に、自分たちが導き出した解決策を企業担当者の前でプレゼンします。企業側は学生たちの提案をシビアに評価。これまでに学生の提案が実際に経営に取り入れられた例もあり、企業にとってもこのプログラムは大きな刺激になっています。

チームワークを体験することで、自分の得意分野を見つける。

「これまでの授業では課題解決型の演習を行っても、あくまで仮定の課題やデータに基づいたものになりました。しかしこの演習では、実在する企業がリアルに抱えている課題がテーマ。学生たちが参照する資料も、企業から提供していただいた本物のデータです」(大石先生)。 学生たちはこの演習を通してグループで課題を解決していく力を培いながら、データ分析力、情報収集能力、論理的思考力、資料作成力、プレゼン力などを身につけていきます。これはそのまま、実社会での実務能力として求められるものです。 「ただ、演習に参加した学生がこうした能力をすべて身につけて、オールマイティになる必要はないのです。実社会で重要なのはチームワーク。自分の得意分野は何かということに気づき、それを活かしてメンバーと協力する力を育んでほしい。そして今後の学生生活で自分が伸ばすべき能力を存分に伸ばせるよう、それを学びに反映してもらえたらと思っています」。

これからの“働き方

高校生が「ケース・メソッド」で考える、職場のリアルな人間関係。

■学問大分類:社会学・マスコミ・観光
■学問小分類:コミュニケーション学
■提供:名古屋学院大学

経営者を育てるためのメソッドを使って高校生を指導。

ケース・メソッドは1920年代にアメリカのハーバード大学で生まれた、実践力や経営力を身につけるための教育手法です。実際に起きた経営上の事例を題材に、どう課題に対処するのか複数人で議論を重ねることで、問題解決能力や意思決定能力を磨いていきます。 この手法を応用して高校生を対象に「職場の人間関係」から生じる問題にどう対処するのか、指導を行っている大学教授がいます。 名古屋学院大学 商学部の髙木直人先生は4年前から愛知県内の高等学校を回り、総合学習の時間を利用した教育を行ってきました。 「高校を卒業して就職した高校生たちが、まずぶつかる問題が“職場の人間関係”。今のところ高校教育はこの問題に十分に対処していません。そのため卒業後、人間関係が上手くいかないことが、入社後のメンタル悪化や早期退職につながっています。こうした問題に経営学の教育手法が役立つのでは、と考えました」と髙木先生は語ります。

社会人生活に明確な答えはない。問題も自分で発見するしかない。

「たとえば職場の先輩がかける言葉ひとつでも、初めて社会を経験する新社会人たちはどう受け取っていいのかわからずに悩むことがあります。簡単なことのようですが、それは彼らにとって大きな問題です」(髙木先生)。 先生は招かれた高校で“ケース・メソッド”の説明を行ったあと、高校生たちに課題を与えます。 「たとえば、『今の若者は使えない、というのは本当か?』とか『いわゆる“モンスター社員”は本当に悪者なのか?』など、高校生が共感しやすい内容を選んで実際に企業で起こった問題事例を交えて話し、テーマを定めます。その後は高校生同士で議論し、彼らなりの答えを見つけてもらうんです」 こうした問いに、明確な答えはありません。重要なのは高校生たちがこの課題から卒業後の自分をリアルにイメージし、自ら問題を発見すること。 「明確な答えなどなく、そもそも“何が問題なのか”を自分で見つけ出さなければならないのが、社会人生活です」。

真剣に自分の将来について考えて、進路を決められるように。

先生のフランクな語り口に惹きつけられた高校生たちは、興味を持ってこの“答えのない課題”に取り組みます。 「生徒同士が議論し、考えをぶつけ合うことで、主体的に判断して思考する力、他人の意見を聞いて考える力、自分の考えを他者に伝える表現力を養うことができます。またこの経験が彼らにとって、今後の進路を考えるための指針になればと思っています」。 大学教育でもまだこうしたケース・メソッドの教育を将来の進路に結びつけるような手法は十分に確立しているとは言えません。むしろ高校の段階でこのような主体的な学びに触れることは、生徒たちにとってとても貴重な経験であるはずです。高校でこの指導を受けた生徒が先生の学びに興味を持ち、名古屋学院大学のオープンキャンパスで先生を訪ねてきた例もあるとか。 「高校生たちが真剣に自分の将来を考えるための手助けをすることは、未来を担う人材を育てること。それが教育の責任だと考えています」。

これからの“働き方

どこまでが労働者原因?「労働のデジタル化」が進む現代で雇用を守る法律を研究

■学問大分類:法律・政治
■学問小分類:法学
■提供:名古屋学院大学

雇用環境の変化に即した新たな視点のルールを模索する

近年急速に進むデジタル技術の進化は、世の中に大きな影響を与えています。それは「雇用」の面も例外ではありません。現在、「第四次産業革命」と呼ばれる工業生産のデジタル化およびネットワーク化が進み、IT(情報技術)やAI(人工知能)といった新たな技術の導入が日本の多くの企業で進められています。 これまで労働者が手作業で行っていた労働がIT・AIの導入によってデジタル化されることで、労働者の労働も「アナログな手作業」から「デジタル機器の操作」へと変化。テクノロジーが急速に発展し続ける限り、労働者もその発展を追いかけ、常に知識をアップデートする必要があることを意味します。変化に対応できなくなった労働者は、雇用喪失の危機に晒されてしまう、とも考えられるのです。そのため労働環境が大きく変容している現代において、今後の雇用社会に「解雇法理」がどのように対応すべきなのかも解決すべき重要な課題のひとつといえるでしょう。

「労働のデジタル化に対応できない」は、解雇理由として正当化されるか?

現行法上では、企業の解雇理由として正当化されるのは「労働者の能力不足に基づく理由」や「経営上の理由に基づく理由」などの場合です。デジタル化に対応できない解雇が、どの理由に該当するのか。名古屋学院大学法学部法学科の佐々木達也ゼミでは、そうした争点を研究しています。ちなみにこの場合は、デジタル化に伴う解雇を労働契約の内容を基準として、「労働契約上必要となる能力が明確かつ、新たに求められる能力もその範囲に含まれる」場合は「能力不足」、そうでない場合は「経営上の理由」に該当すると理解することで、誰がどんな範囲で教育訓練や知識習得などの責任を追うのかが明確になる、と考えられます。 他にも「労働者は求められる知識の変化にどこまで対応すべきか」、「使用者はデジタル化時代において雇用維持のためにいかなる措置を講じる必要があるのか」。さらには「新たな知識修得が困難な労働者に対する配慮のあり方」についても、検討を重ねています。

ますます進む「労働のデジタル化」を雇用面から分析する

佐々木ゼミの研究によると、今後、使用者が講じなければならない教育訓練をはじめ、解雇を回避するための措置の具体的内容を、解雇理由ごとに明らかにすることが必要となってくるでしょう。また、デジタル技術が発展することで傷病・障害を有する人たちが働く際に発生し得る法的課題を検討することも、今後の課題といえます。「労使の枠を超えて、国が労働のデジタル化による働き方の変化に対して、どのような労働政策を講じていくかといったジャンルにも視野を広げて研究を進めていきたい」と佐々木先生。 デジタル化に伴う労働環境の変化は、今後ますます進んでいくと想定されます。さらにこの研究は「労働のデジタル化」というテーマを、「労働者」と「使用者」の利益調整、加えて「国の役割」という三者の視点を踏まえて法的に検討することになるため、どこか一方にかたよらない、バランスの取れた思考力や物事を広い視野から捉えて分析する力の修得にもつながっていくのです。

10年後のまちづくり

人々にとって魅力ある都市とは。そしてコロナが“まち”にもたらす影響。

■学問大分類:社会学・マスコミ・観光
■学問小分類:地域社会
■提供:名古屋学院大学

“まち”が抱える課題とは?名古屋を生きた教材として考える。

これから先、自分たちが暮らす“まち”を魅力あるものにしていくために何ができるか。 名古屋学院大学 現代社会学部の井澤知旦先生は、大学が所在する名古屋市を生きた教材として、学生たちとともにその方策を探っています。 井澤先生が担当する授業「都市デザイン論」では、国内外の都市史や諸都市で行われている取組み、地域資源の活用などについて学習。もうひとつの授業「名古屋都市論」では名古屋の発展要因を踏まえ、将来の都市ビジョンを検討していきます。 「名古屋の都心は第二次世界大戦の空襲によって焦土と化しましたが、その復興にあたり、道路などの都市基盤をしっかりと整備しました。しかし他方で、歩いて楽しい“まち”になっているかと言えば、必ずしもそうなっておらず、道路幅員が広く単調なため、多様な商店などが立地していないことが課題です」(井澤先生) “まち”の歴史や現状から、課題を見つけて解決策を考えるのは井澤先生の学びです。

名古屋の“まち”に出て、フィールドワークやイベント支援も実体験。

井澤先生のゼミでは、実際に名古屋およびその近郊都市を“まち歩き”するフィールドワークや“まちおこし”イベントで来場者にアンケート調査を実施。ときにはイベントのために学生たちが知恵を絞り、実現したものもあります。これまでにも地場産業である駄菓子をアピールするために、本ページ一番上の写真のようなオリジナルキャラクター「だがししまい」の着ぐるみをつくったり、手羽先唐揚げ発祥の地である熱田区で開催された「手羽先サミット」のためのガイドブック「手羽先読本」を発行したりと、地域に貢献してきました。 「まずは人々が自分の暮らす“まち”の宝となる資源を見出して、それらに誇りを持つことが重要です。そのうえで観光客を呼び込んだりするためには、効果的な戦略を立て、外に発信していくことが必要です。本格的な集客のためには、空港や鉄道、高速道路などのインフラの整備が前提となりますが、それには長い時間かかります。都市の魅力を高めるためには、かなり長期的展望が必要なのです。」(井澤先生)

コロナ後の“まち”はどうなる?社会事象を踏まえ、現場から学ぶ力を。

いま井澤先生が関心を抱いているのは、「アフターコロナ」の“まちづくり”。 「飲食サービスやエンターテイメント業界は、コロナ以前の世界に戻るでしょう。しかしコロナ後も在宅勤務やテレワークといった働き方は継続・定着していく、というのが私の考えです。」 井澤先生によると、「自宅でのワークスタイル」が定着することで、人々の生活は「住み・働き・憩う」の三拍子そろった自宅周辺地域への関心が高まってきます。すると、屋外の生活環境をより豊かにしていくこと、例えば散策・ジョギング・サイクリング・カフェテラスなど、公共空間の今まで以上の多様な使われ方が求められるようになります。 このように、現在進行中の社会事象に目を向けながら、“まち”の可能性を探ることで学生たちは課題発見の力を身に着けていきます。 「チームで現場に出ることで、チームワークや対人折衝のコミュニケーションを通じて、社会に出てから必要となる力を育んでほしいですね。」(井澤先生)

10年後のまちづくり

テーマは「リニア時代の名古屋の発展戦略を考える」。実践的な学びを通して、社会で役立つ主体性を養う。

■学問大分類:社会学・マスコミ・観光
■学問小分類:地域社会
■提供:名古屋学院大学

名古屋のピンチとなるリニア開業を、どうチャンスに変えるか。

2027年に開業が予定されているリニア中央新幹線。東京〜名古屋間を約40分で往来できるようになり、名古屋は都心部を中心に劇的な変化を迎えます。 最も危惧されているのが、ストロー現象です。例えば東京に本社がある企業なら、名古屋支社の配置や転勤の必要がなくなるかもしれない。観光やショッピングも、東京へ気軽に行けるようになる。名古屋から東京の大学へ通学することだってできるでしょう。このように、ビジネスや消費、人材が、東京に吸い取られてしまう現象が起こるのです。 反対に、東名阪がひとかたまりの大都市圏になると考えれば、中心地である利便性を生かして新たなビジネスを開拓できます。大規模な展示場を建設し、会議や見本市で集客する「展示会ビジネス」は、すでに取り組みが始まっています。名古屋にとって、リニア開業はピンチでもありチャンスでもあります。重要なのは、名古屋の発展につなげていくための戦略です。

データ分析を活用し、さまざまな自治体の発展戦略を提案。

リニア時代の到来に向け、名古屋の発展戦略をテーマにした多彩な活動を行っているのが江口ゼミです。 2年次は、名古屋都心部のフィールドワークが中心。現場を肌で知ることに重点を置き、大型再開発が進む名古屋駅前や栄を視察します。「なぜこの施設は閉館したのか?」「この場所をどう活用すれば街の発展につながるか」など、さまざまな視点で街を眺め、グループワークで議論します。 3年次は、データ分析や戦略の立て方など、仕事でも使える実践的なスキルを修得。官民ビッグデータを活用し、地域経済の現状や課題を把握する分析システム「RESAS」、統計データを地図化する「データマッピング」、それらの客観的なデータに基づいて戦略や解決策を考える「SWOT分析」などを学びます。 最終的には、各自が研究対象とする自治体を選び、身につけたスキルを応用して発展戦略を立案。ゼミ内でのプレゼンテーションや卒論制作を進めていきます。

学生たちが自分で考え、自分で動くことで、ゼミ活動が活性化。

「ゼミ活動を通して、社会人に必要不可欠な主体性を身につけてほしい」。そう語るのは、ゼミを率いる現代社会学部の江口忍教授。 約30年にわたり、金融やシンクタンクなどの民間企業に携わってきた先生です。長年の実務経験をふまえ、学生が自分で考え、自分で動く力を培える環境づくりに尽力しています。例えば、ゼミ長、副ゼミ長、広報、イベント企画など、一人ひとりに役職を設定。教員の指示を待つのではなく、できる限り学生自身で活動を進めます。また、学生だけで運営するサブゼミがあったり、ゼミ生自らホームページを制作しているのも特徴。「こんなフィールドワークをやりたい」「この企画を実行してもよいか?」「役職の配置換えをしたい」といった具合に、学生たちが主体的に行動してゼミを活性化させています。 大学でやりたいことや、将来の目標が明確に決まっていない学生でも、実社会で発揮できるスキルを養える。それが江口ゼミの魅力です。

10年後のまちづくり

人口減少時代における地域社会・経済のあり方を考える

■学問大分類:経済・経営・商学
■学問小分類:経済学
■提供:名古屋学院大学

人口減少・少子高齢化で、日本各地で様々な問題が噴出する可能性が

現在、わが国・日本では多くの地域で人口減少と少子高齢化が進んでいます。2014年に日本創成会議が提出した「増田レポート」では、全国896の市町村が2040年までに消滅の可能性がある「消滅可能性都市」であるとされ、大きな注目を集めました。消滅可能性都市の指定を受けた都市の中には、日本有数の繁華街である池袋のある「東京都豊島区」も含まれるなど、「田舎だから危ない」という単純な構図でないことも話題となりました。 人口減少・少子高齢化が進む地域の中には、今後、「経済規模の縮小」「財政の逼迫」「公共施設や公共サービスの削減」「労働力不足」「事業承継問題」「空き家・遊休農地問題」「交通弱者や買い物難民の増加」「医療過疎」「コミュニティの衰退」といった数々の問題が顕在化する地域も出てくると考えられています。

段階的な学びで、着実に課題研究を進める

こうした人口減少時代における地域の社会・経済の諸課題を考察するため、名古屋学院大学経済学部経済学科にある萩原史朗先生のゼミでは、2年次から4年次まで、段階を分けて課題解決を目指していくシステムを設定。まず2年次には地域課題の発見能力を修得するため、「関連文献の輪読」や「有識者・現場担当者へのヒアリング」、「フィールド調査」などを行います。そして3年次になると今度は地域課題の分析能力の修得を目指し、ゼミの中で「アンケート調査」「ヒアリング調査」「統計分析」「産業連関分析」といった分析手法を実地で学びます。集大成となる4年次には、具体的な地域課題の分析を行い、卒業論文として執筆することとなります。 また、現在日本では「サイバー空間(仮想空間)」と「フィジカル空間(現実空間)」を高度に融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決を両立する「Society 5.0(超スマート社会)」への移行を目指しています。

ゼミでの学びが課題発見能力・課題分析能力を養う

萩原ゼミの萩原先生は「ここ数年、国・地方自治体の職員や地元経済界の方々と話をすると、まちづくりや観光等において若い人たちの意見を求められることが多々あります」と語ります。そのため同ゼミでは今後、全国各地の地方自治体と連携しながら地域の諸課題への解決案の提言を行っていくことを目指しているとのこと。さらにISFJ日本政策学生会議やWEST論文研究発表会といった、学生の論文発表会にも参加し、学内だけでなく、広く様々な個人・団体と交流を図っていくといいます。 そんな、地域課題に対して「理論・実証研究」と「実践」を両輪として取り組んでいく萩原ゼミは、志を持ち根気強く物事に取り組める資質のある学生にとって、とても良い成長の機会。ビジネス・政策形成の場面で課題発見能力と課題分析能力に基づいた意思決定を求められるという経験を経て、それらの能力を身につけ、さらに高めることにつながっていくでしょう。

エネルギーと世界

日本の、そして世界のエネルギー政策が抱える課題とは何か?

■学問大分類:経済・経営・商学
■学問小分類:経済学
■提供:名古屋学院大学

多様なエネルギーの特徴を踏まえ、最適なエネルギー供給を。

わたしたちの暮らす日本はエネルギー供給の8割以上を輸入に依存しています。つまり国際情勢によってエネルギーの供給が左右される、とても不安定な状態です。 名古屋学院大学 経済学部の木船久雄先生は財団法人日本エネルギー経済研究所に所属していた経歴を持ち、現在もエネルギー政策をテーマに研究を続けています。 「比較的安価な石炭は温室効果ガスである二酸化炭素を排出します。石油への依存は高く、その輸入元は紛争が絶えない中東地域。太陽光や風力の再生可能エネルギーに期待が集まっていますが、これらの出力はお天気まかせで、今のところコストが高い。原子力に関しては安全性の面で、社会の受容性が得にくい状態です」(木船先生)。 すべての要件を満たすオールマイティなエネルギーはありません。それぞれのエネルギーの特徴を踏まえて最適となるエネルギー供給のあり方を考え、実現するのが、エネルギー政策です。

日本政府が掲げる環境目標に対しても、冷静な視点で課題を考察。

近年のエネルギー政策のトピックスとしては、2020年10月に日本政府が発表した「2050年までに温室効果ガス排出をゼロ」にする「2050年カーボンニュートラル」の実現があります。 「その実現のために政府は様々な施策を考えていますが、たとえば再生エネルギーの活用は電源の不安定性、コストの高さなどが懸念されます。また発電や製造業で排出された二酸化炭素に応じて税を課すカーボンプライシングは、省エネが進んでいる日本において、相当高額な税を課さない限りエネルギー需要の抑制は難しいでしょう。さらに電気自動車の大規模導入に関しては、日本の国内産業の雇用・商習慣・技術開発を大きく変革しなければならないという大きな課題があります」(木船先生)。 このように先生の授業では政府のエネルギー・環境政策も検討。そんな現実の課題に対し、エネルギーの需要を分析し予測を立てることで、その有効性や課題を導き出していきます。

世界に関心を持ち、幅広い視点で、現代のエネルギーを考察する。

先生の授業では発展途上国のエネルギー需要分析や政策提案も大きなテーマです。 「かつてJICA(国際協力研究機構)の専門部会委員だった経験を活かし、中国やインドネシア、フィリピン、ベトナム、イラン、ポーランドなどそれぞれの国のエネルギー情勢を踏まえてどんな政策が考えられるかを学生と考えていきます」。 また現在、世界に大きな打撃を与えている新型コロナウイルスですが、この騒動が過ぎた後、世界がどんなエネルギー政策に舵を取るのか、ということも先生の大きな関心事。「コロナのような不確定で予測ができない要素から大きな打撃を与えられた結果、社会は不測の事態に対しても対応し得る持続可能な発展への転換を迫られています。水素エネルギーの使用や炭素国境措置の動きは、こうした流れに後押しされていくでしょう」。 学びに必要なのは、他国の事情や社会情勢への強い関心と、そこから幅広く物事を見る意識、と木船先生は語ります。

産業・企業を支える研究と活動

課題を見つけ出し、新たな解決策を創造する「地域イノベーション学」

■学問大分類:経済・経営・商学
■学問小分類:商学
■提供:名古屋学院大学×株式会社明治

地域のニーズを満たすための手法を探る地域イノベーション

みなさんは「地域イノベーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?新たな価値を生み出し大きな変革をもたらす「イノベーション」ですが、それを地域規模で起こしていくという考え方が、「地域イノベーション」です。国も2011年度から2018年度にかけて「地域イノベーション戦略推進地域」の選出と「地域イノベーション戦略支援プログラム」を実施し、その発展を大きく後押ししました。地域イノベーションを学問とする「地域イノベーション学」では、対象となる地域やその地の産業などのニーズを把握し、成長障害要因を特定して理由を分析することで、そこに内包された課題を洗い出して課題の解決に向けた新たな概念や方法を創造していきます。

産学連携の推進で、世の中のイノベーションへの貢献を目指す

名古屋学院大学商学部の杉浦ゼミでは、そんな地域イノベーション学をテーマに、業績向上などの経済的価値とともに、地域課題を改善する社会的価値も創造するCSV(Creating Shared Value)の視点を大切にしながら、企業と協力して新たな概念や方法を創造し、自らの手で発信・PRしていく活動をしています。菓子メーカーとして有名な、株式会社明治も産学連携先のひとつ。「コロナ禍でも安定した売上・利益の確保と顧客の確保定着」による同社の経済的価値向上を実現するために、「東海・北陸ご当地シメパフェキャンペーン」のプロモーションを学生が提案。同時に、地域課題解決に繋げるストーリーを構築し、訴求しました。まだ新しい「シメパフェ」という食文化を、よりユーザーに浸透するキャンペーンへと昇華させることができました。また、キャンペーンの展開方法についてもマーケティングの視点から多角的に検討。提案書を企業に提出するなど、机上の学びだけではなく、実践的で得難い体験もしています。

ひとつのアクションで2つ3つの課題を解決させる手法を発案

愛知県は、自動車製造業をはじめとする「二次産業」に強い県、というイメージが広く定着しています。しかし実は農業や酪農も非常に盛んで、例えば「メロン」は全国6位(農林水産省「令和元年産野菜生産出荷統計」より)の収穫量を誇り、一大産地でもあります。加えて愛知県の地域・社会課題のひとつに、「1日の野菜摂取量」が目標値を下回っているという現状が挙げられます。全国ワースト1位となってしまったこともあり(厚生労働省「平成24年国⺠健康・栄養調査報告」より)、全国的に見ても野菜の摂取量が少ない地域となっています。そのため杉浦ゼミでは、同キャンペーンで愛知県のご当地パフェにメロンを使用することで、愛知県らしさや特徴をアピールしつつ、愛知県の農産物の消費拡大で地域経済にも寄与。さらに「果実的野菜」に分類されるメロンの摂取の一助となり、県民の野菜摂取量の増加に繋げることも目指しました。