静岡理工科大学 私立大学
理工学部 土木工学科 2年(取材時)
遠藤 大雅 さん
KEYWORD
- #建設
- #土木工学
- #南海トラフ地震
- #自然の教材
- #人手不足
- #土砂災害
- #地盤工学
- #国家資格
- #就職活動
父が建築関係、祖父が土木関係の仕事をしていたことから、僕もこうした業界に関心を持つようになりました。土木に対して本格的に興味を持ったきっかけは、2021年に熱海で起きた土砂災害です。当時は富士に住んでいたこともあり、熱海という近場で災害が起こったことに驚きと恐怖を感じました。普段テレビで見ていたことが、身近でも起きる気がして怖かったです。
また、静岡は南海トラフ地震がいつ起こるか分からない事や、その後の津波被害、富士山の噴火、土砂災害などの多くの災害が起こる可能性があります。そういった災害を学び、仕事で活かせるようになりたいと思い、土木工学を学ぼうと決めました。
静岡県には海も山も川もあって、土木を学ぶために欠かせない自然の教材が豊富なことが魅力です。キャンパスの内外で土木の様々な分野を学べるだけでなく、現場へ見学に行く道中でも、土木が生活をする上での基礎になっていることをより実感できました。
実際に学んでいる内容には、災害や橋梁、街づくり計画などがあります。それ以外にも道路や港湾、トンネルなども土木分野であることを学びました。習った内容だけでも土木が生活に必須であるということが分かります。しかし、実際に働いている方に話を聞くと、人手不足であるというのを常に聞きます。この業界の人材が足りないことは社会の不安につながるため、もっと多くの学生が土木に興味を持ってくれるといいなと思います。"
研究室では地盤や土砂災害などの自然現象を扱う「地盤工学」を希望し、土の基本的な性質を理解し、社会でどのように役立てられているかを研究していきたいです。また、卒業までにドローンの国家資格を取りたいと考えています。講義の一環で現場見学に訪れた際に、ドローンの活用についてよく話を聞くのですが、どこの現場でも需要が高いようです。
就職先は県内を考えているのですが、静岡理工科大学は建設分野を備える大学ということから、県内の土木業界からの注目度が高く、就職の際にも有利だと思います。また、県内の土木事情について知ることができ、地元での就職活動の際に、その知識を活かすことができるはずです。ぜひ県庁に就職し、研究で学ぶ地盤や土砂災害などの自然現象の発生を防ぐための仕事をしたいと考えています。
理工学部 物質生命科学科 環境新素材コース 4年(取材時)
海野 裕巳香 さん
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- #高性能分析
- #測定装置
- #先端機器分析センター
- #リケジョカフェ
- #機能性高分子
- #ドラックデリバリーシステム
高校時代の途中までは、漠然と「大学に進学したい」とだけ考えていました。文理選択の時期を迎えた時、好きな化学や理科実験を将来の仕事にできる理学の研究職に就きたいと考え理系を選び、静岡理工科大学の物資生命科学科に進学しました。ハンドメイドといったモノづくりが好きなことも理由の一つです。
静岡理工科大学には、多くの高性能分析・測定装置を備えている「先端機器分析センター*」が設置されています。実験の授業や研究の中で、こうした先端機器を実際に学生自身が操作できるので、実験が好きな私にとっては純粋に楽しく取り組めました。内定先の品質管理で欠かせない機器の使用技術も修得できました。
*先端機器分析センター:学内で利用する比較的大型で共通性のある分析機器を集中管理し、機器の性能維持や新しい活用法の開発などを通して、研究・教育活動を支援することを目的に設立。約30機の分析装置を保有し、専門技術スタッフが常駐し学生の装置利用をサポートしている。
現在の研究内容は「ベンゾオキサボロール系薬剤の皮膚透過性の評価」です。私は、大学の授業の中で、機能性高分子やドラックデリバリーシステムに興味を持ちました。その中でも皮膚透過性の評価は、私が興味を持っていた医薬品や化粧品で行われることのある評価方法のため、この研究を選んだのです。研究を通して、予想外のことへの対応力や、先端機器を使用して結果をまとめる分析力などが身に付きました。
女子学生の活動を通じて学内外との交流を企画する団体「リケジョカフェ」ではリーダーを務め、イベントの企画や団体の運営に携わりました。もともと人前で話すのが苦手で経験もほとんどありませんでしたが、学生団体や研究発表など人前で話す機会が増えたことで、大勢の前でも自分の意見を話せるようになり、就職活動にとても役に立ちました。
私は将来、静岡県内で医薬品か化粧品の製造に関わる仕事がしたいと考え、就職活動に臨みました。職種はいろいろありますが、将来的には理系出身であることを生かし、「開発や研究といった観点でものづくりに関わりたい」という気持ちに気づきました。いくつか内定をいただいた中でも、やはり医薬品は人の命に大きく関わり、より世の中に貢献できるという考えから就職先企業を決めました。
静岡理工科大学を目指す皆さんには、「ここなら有意義な大学生活が送れる!」ことをメッセージとして伝えたいですね。理工系の大学は課題や研究で大変ですが、実験やモノづくりが好きな方は興味を突き詰めることができ、それが就職へと繋がるため、有意義な毎日が過ごせるからです。ぜひ皆さん、頑張ってください!
理工学部 建築学科 建築意匠研究室 4年(取材時)
鳥澤 瑞希 さん
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- #建造物
- #ぎふメディアコスモス
- #エスキス
- #卒業研究
- #防災マップ
- #1級建築士
- #建築学
- #まちづくり
- #少人数教育
中学の時から間取り図や建築物を見ることに面白さを感じていました。そんな折、故郷である岐阜県に図書館や交流センターを備えた「ぎふメディアコスモス」という新しい建築物が完成。高校受験の時やテスト前には毎週のように通うようになりました。この建物が本当に美しく、いつも使っていた馴染みのある場所でありながら、憧れの建造物でもあります。「美しい建物は人間に力を与える」ことに気づかされ、私も将来そういったものに携わることができたらと思い建築学科を志望しました。
現在は建築意匠研究室に所属し、「藤枝市における未来のまちづくりプロジェクト」に関わりながら卒業研究を進めています。これは「藤枝旧市街地の活性に繋がる人の回遊空間創出」について、市から研究室に相談があったものです。実在する街の未来を創ることにやりがいや面白さを感じています。授業で取り組んできたことを活かし、リアルなフィールドでチャレンジできることにスケールの大きさを感じます。以前にも、大学が位置する袋井市の防災マップを作り地域に配布する取り組みを行いました。こうして静岡県に実在するものを題材としたプロジェクトに取り組むことができるのは、「県内唯一*の建築学科」という価値の表れでもあると思います。
*「静岡県HP」より
私が今抱く静岡理工科大学の印象は「先生たちが親身になってくれる大学」です。学生と気さくに接してくれる先生が多い環境は、私にとって相性が良かったと感じています。教授との距離が近いことで、質問も相談も本音で話すことができ、知識の質も高まります。
このような環境の背景には、建築学科のオープンな空間や先生一人あたりの学生数が少ないということがあると思います。先生方に指導力と情熱があるので、課題のレベルや学生のやる気も高いなと感じています。学生全員が、エスキス(設計課題の報告会・相談会)の準備に時間をかけて熱意を伝えるので、中途半端な状態だとあっさり見抜かれてしまうんです。
理工学部 電気電子工学科 ワイヤレス情報通信研究室 4年(取材時)
齊藤 大貴 さん
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- #電気電子工学
- #ロボット開発
- #マイコン
- #サッカーロボット
- #プログラミング
- #情報処理
- #就職活動
- #スマート家電
- #ワイヤレス
高校時代に一番好きだった科目は物理でした。
そのため、将来の職業に物理の教員を目指すことも考えましたが、ロボット開発をしてみたいという気持ちもあったので、学科選択の際は機械工学、情報学など、どの学科にしようかと迷いました。最終的に、機械・電気・電子・情報処理などを融合させた総合的な知識や技術を修得できる電気電子工学科を選びました。
オープンキャンパスなどで高校生と進路について話すと、情報学部へ進学を希望する生徒と多く出会います。しかし、家電やロボット、ウェアラブル機器などの動きを制御して形のあるものをつくることをイメージしている人など、電気電子を選んだほうが良さそうな人もいますね。
入学後、1・2年生のカリキュラムではマイコンを使う実験の授業が多くあります。マイコンとは、コンピュータを制御するための小さなコンピュータのことです。それらを応用して、3年次にはサッカーロボットを作る実験もあります。ざっくりと実験の話をしますと、サッカーロボットを作る際には「マイコンにソースコード(写真のようなプログラム)を入れる」、「通信の設定をする」、「車体に赤外線センサを付ける」等によりボールとの距離を測り、正面にボールがあれば加速してボールを蹴る、ボールが見当たらなかったら車体を回してボールを探すというロボットを作っていきます。
単なる講義形式の学習ではなく、形あるものに触れながら「情報」や「プログラミング」を体感する学びは電気電子工学科ならでは。ものづくりの醍醐味が詰まっているから非常に面白いです。このような技術を講義や実験で身につけた後、更に応用力を求められる卒業研究に取り組んでいきます。
現在は「ワイヤレス情報通信研究室」に所属し、無線電力伝送システムの研究に携わっています。「置くだけで充電されるスマートフォン充電器」をイメージしてもらえると分かりやすいと思います。研究により技術が発展した未来には、その電力伝送の範囲を家全体にしてコンセント不要で家電が使えたり、道路から電気を得て電気自動車が走行することが可能となるのです。一方で、電力伝送装置を小型化できれば、錠剤に付ける生体センシングデバイスの給電装置として用いることで、薬の服用管理や誤飲防止が可能です。これらの技術を研究することは、今までにない未来を創ることにつながる。そう信じて研究にやりがいを感じています。
卒業後は大手輸送機器メーカーの関連システム会社に内定しています(2023年3月現在)。就職活動を通して分かったことは、情報系の企業では、電気電子系出身者のような「回路設計やマイコンを理解している技術者」が求められるということ。4年間の経験を通じて電気電子工学科を選択して本当に良かったと感じています。
情報学部 情報デザイン学科 コミュニケーションデザイン研究室(旧:藝術工学学研究室) 4年(取材時)
佐藤 帆乃実 さん
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- #デジタルアート
- #藝術工学研究室
- #ヴィジュアルコミュニケーションデザイン
- #3次元デジタル技術
- #映像制作
- #静岡新聞広告賞2021
- #ものづくり
- #情報デザイン
- #情報学
幼い頃から絵を描くことが好きだった私は、高校で美術部に所属し絵画を専門的に学びました。大学進学時には、パソコンを用いたデジタルアートに興味を持ち始めたため、その分野を学べる大学を探し、静岡理工科大学の情報学部への進学を決め、2年進級時に情報デザイン学科を選択しました。
入学後のガイダンスで、情報学部の松田崇先生の「藝術工学研究室(現:コミュニケーションデザイン研究室)」では情報技術も用いたヴィジュアルコミュニケーションデザインを研究していることを知り、ますますデジタルに心が惹かれました。
「3次元デジタル技術」という講義では、これまで2次元の絵で表現していたものを3次元化する手法を、「映像制作」では動画やアニメーションの技術を学び、絵に動きをもたらすさまざまな技術を修得。2次元と3次元では、描く手順も考え方も異なります。デジタルで絵を描く難しさと同時に、色を変えるなどの作業を簡易にできる良さを、実技を通じて学ぶことができました。私が所有するパソコンでも制作が可能なので、バイト先のポップを作るのに活用して社員の方に喜ばれたこともあります。
4年生になり、希望していた松田先生の研究室に入りました。ここでは、これまで学んできた情報学の知識や技術を活かして、世界で一つの、私自身の作品を制作し発表することを1年かけて行います。それだけでなく、外部団体が主催するデザインコンテストへの出場もあり、多くの作品制作を通じて技術を高めていきます。その中で私は、「ふくろいの魅力ポスターコンテスト」で入選を、「静岡新聞広告賞2021」でクリエイティブ部門平金産業賞を受賞することができました。
作品制作は自分が描きたい「こと」・「もの」を描き、シンプルな色使いを好んでいますが、コンテストでは依頼主が求めるデザインをよく理解することを心掛けています。静岡新聞広告賞で賞をいただいた平金産業さんは、マグロから有機肥料や健康食品などの新たな価値を創造している企業です。その事業の魅力を広告でどうPRできるかを考え作品を作りました。この経験から、人が求めることを知るには調査することが欠かせず、またその良さを自分自身が知ることで何を打ち出していくべきか考える大切さを学んだのです。
卒業後は、自動車や電気機器、一般機械など幅広い分野で3D-CADを駆使した設計・開発を行う予定です。さまざまな企業と取引があるため、企業の求めるものづくりの一端を担うことにもなりますが、コンテストでの「人の想いを汲み取る経験」を活かし、そこで発揮していきたいと思います。私が設計したものが世の中に流通する商品の一部として活用されることに喜びを感じながら、ものづくりを続けていきたいです。
- 学校No.1602