同志社女子大学のゼミ・研究室

メディアを幅広い視点で捉え、制作を通して技術力や創造力を育みます。仲間と協力して制作する意義を学ぶため、グループワークを積極的に実施。

ゼミ配属後に最初に行うのがCM制作。これはACジャパン広告学生賞への応募をめざすもので、5〜6人のグループに分かれて制作を進めていきます。テーマは自殺防止や防災意識など社会のさまざまな課題です。キャストを用意して撮影を行ったりアニメーションを作成したり、表現の仕方もそれぞれ。プロ仕様の機材も揃う充実した環境のなか、映像制作の流れを身に付けることができます。CM作りにおいてはテーマをどのような角度から捉えるか、どこまで深く掘り下げられるかということも、重要なポイント。短い時間にメッセージを込める難しさや奥深さを学びます。これまでに多くの作品が受賞しています。

森ゼミで行う卒業制作と個人制作の内容は、すべて自由。学生は絵や写真、動画、脚本、詩などさまざまな作品を手がけます。卒業制作にあたっては、作品のポートフォリオも作成。学生は想いを伝えるための表現のあり方を模索しながら、自分の可能性を広げていきます。個人制作でもグループワークを繰り返し行い、仲間との信頼関係を築いていくのが森ゼミらしさ。ゼミ生たちは、積極的にお互いの作品づくりに協力し合います。

ジェンダーやマスメディア、福祉など幅広い視点から社会学にアプローチします。ゼミ生の研究テーマもさまざまで、留学先の出来事など、実際の体験から感じた疑問・興味を研究テーマにする学生も少なくありません。研究の進め方は主に2つ。アンケートやインタビューを実施する方法と、文献や既存の研究をベースに結論を導いていく方法です。この２つを繰り返してリサーチ力を身につけていきます。

このゼミでのモットーは「学生参加型」。授業でもゼミ生が発言する時間を大切にしています。これにより自分の研究を客観的に見つめ直し、お互いを刺激する機会を持てるだけでなく、自分の意図や考えを的確に伝えようとすることで、プレゼンテーション能力も伸びていきます。

また、授業のほとんどが英語で行われるのもポイント。表現が明確で合理的な言語である英語を磨くうちに、論理的思考力が向上していきます。レポートや卒業論文も英語で執筆。ゼミ生たちは沖先生のネイティブならでは視点やバックグランドに触れ、国際的視野を広げています。

年齢を重ねることは、一般的にネガティブにとらえられがちですが、実は、高齢期において幸福感が高い人が多いということをご存じでしょうか。これは「エイジングパラドクス」と呼ばれる現象で、発達心理学の領域で確認されている「老い」のポジティブな側面です。そこで「年を取ることを喜びに感じられる社会をつくる」をテーマに、人の活動をベースにした新しい社会のシステムづくりについて研究しています。

例えば、「ワンダフル・エイジング・プロジェクト」。これは多世代がともに学ぶ体験を通して、新しい自分や未来との出会いにワクワクする、そんな実践の場を作る取り組み。同プロジェクトには、65歳以上のシニアが過去の経験を振り返るグループセッションを行う「生きがい創造プログラム」、シニアが自分の生き方を他の人に伝え、役立ててもらおうという試み「ワンダフル大学院」、食を通して孤立しがちな高齢者とのつながりを目的に、スーパーマーケットにスペースを設け、顧客が買い物した食材を持ち寄って、一緒に作って食べる「シェアダイニング」の3つの取り組みを実施します。

For peopleから、By peopleへ。当事者が主役になる社会を実現するために、人を理解する学問である心理学の果たす役割が一層重要になっており、そうしたニーズに応えられる研究を行っています。

小・中・高校生時代、先生が自分の人生経験をもとに面白い授業をしてくれた、あるいは臨機応変な授業でクラスが活気づいた、そんな経験はありませんか。教師は理論的知識を教えるだけでなく、教師自身が人生の中で経験してきた「実践的知識（実践知）」をさまざまに組み合わせて授業を行っています。「こんなことが起きたら、こう対応する」といった事例の知は、医療従事者やエンジニアなどあらゆる職種で生かされています。

このゼミでは、「こどもと言葉」をテーマにしています。言葉やコミュ二ケーションについて考える中で、絵本研究やコミュニケーションの実態、SNSの言葉について研究するゼミ生もいます。テーマは違っても、全員が「こどもと言葉」に関心を持っていることから、学生同士が協力し、互いに刺激を受けながら卒業論文に取り組んでいます。人は「面白い、楽しい」と感じる中で、最も学びを深めることができるもの。授業に遊び心や楽しさがあれば、こどもたちは自ら学んでいきます。こども一人ひとり、そしてクラスを成長させる授業をつくれる教師を育てるという思いのもとゼミは運営されています。

この研究室の活動目的は、医薬品が体に効果を発揮するメカニズムを明らかにし、安全性向上に貢献したり、偽造医薬品の実態を把握し、その製造・流通を防止したりすること。高度な分析も学内で完結できる設備が整っており、学生たちは高性能な分析機器を自在に操作しながら、研究を進めています。

研究室に配属後すぐ、酵素の精製など、基本的な実験を通して機器の取り扱い方法を修得。そこから日々の実験や、分析機器の説明会を通じて、本格的な分析手法・装置の取り扱い方法を実践的に学びます。卒業研究は、教授から与えられた研究テーマに沿って各自で進めていきます。タンパク質や代謝物の分析から、偽造医薬品の実態調査まで、テーマはさまざま。学生たちは意見交換をして助け合い、試行錯誤しながら取り組んでいます。その中で、忍耐力と、研究をスムーズに進めるためのスケジュール管理能力、お互いに協力し合うチームワークを養っていきます。

少子高齢化が進み、多くの病院では、入院患者さんの約7割、外来患者さんの約5割が高齢者です。医療現場において、看護職は高齢者の方と関わることが非常に多くなっています。この研究室では「高齢者看護」をテーマに、コミュニケーションのあり方や看護の場・制度などの課題といった幅広いトピックスを研究しています。

なによりも学生の「興味・関心」に重きを置いて卒業研究を進めるのが、この研究室の特徴。現在進行中の卒業論文のテーマは、「認知症高齢者の代理意思決定」や「看護小規模多機能型居宅介護サービス」「老人性難聴」「認知症高齢者と看護学生の関わり」などです。一見バラバラに見える研究内容ですが、実はすべての研究において、学生たちの実体験がテーマ決定の出発点となっています。

また、研究手法は多岐にわたり、アンケートやインタビュー、文献研究など、実現可能な手法を検討・選択し研究を進めていきます。

このように、超少子高齢化が加速度的に進む現代において、重要性やニーズが高まっている「高齢者看護」に対する深い知識を携え、ゼミ生たちは看護師として羽ばたいていきます。

英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピアは今から400年以上前、観客を楽しませるために数々の作品を書きました。それらは劇場に集まる多様な階層の人々を前にして、演じるために書かれた芝居の台本です。シェイクスピア劇を真の意味で理解するためには、書斎でただ黙読するのではなく、声に出して読み、できれば実際に上演することが重要だといわれています。

同志社女子大学の英語英文学科では、シェイクスピア劇を原語上演する試みを70年前から続け、現在も3・4年次の多くの学生が履修しています。高尚なイメージの強い「シェイクスピア」ですが、実際に演じることで、堅苦しい古典ではなく、楽しく親しみやすい作品だったんだとわかります。

ゼミでは、シェイクスピアをはじめとした英米詩の研究をテーマとしています。16世紀から現代に至るまで、さまざまな詩を取り上げて朗読し、分析を行っています。英語の教員を目指す学生はもちろんのこと、ネイティブらしい英語を身につけたいと思う学生にとって、詩の朗読は楽しみながら継続できる訓練方法だと思います。そして、英詩を研究することにより､英語運用能力のみならずその背後にある英語圏の人々のものの考え方、感じ方への理解も深まっていきます。

ゼミのテーマは「映画と文学」です。映画と文学のつながりを研究していますが、映画だけ、もしくは文学だけを取り上げても構いません。

例えば、2019年度は「かぐや姫」をテーマにゼミを行い、古典文学の『竹取物語』について調べる、映画『かぐや姫の物語』から考えるなど、文学、映画それぞれに関心を持つゼミ生が自由に考察し発表することをしました。

卒業論文は多彩です。増村保造監督の原作と映画の比較をしたり、多くの作品がドラマ化・映画化されている作家三浦しをんの作品をもとに、メディアによる表現の違いを追究したり。ほかにも『美少女戦士セーラームーン』をはじめアニメーションを取り上げる学生もいます。

ゼミでは３、４人の少人数でのグループワークを重視しており、皆で議論し、自分の意見を発表する場を積極的に設けています。こうした取り組みを通じて、映画・文学と社会とのつながりの深さを知り、柔軟な思考が育まれていきます。社会のひとつの構図を追究することで、「こんな考え方ができるのか」と新たな気づきを得る。それが人生のレッスンになるのです。

建築の周辺要素を把握したうえでコンセプトを見出し、“意味のある設計”を行うことが目標です。提案に必要な企画力や思考力を育むため、設計課題だけでなく学内イベントの企画や、京都市内でのフィールドワークも積極的に実施。ゼミ生は、住居や地域施設に関わる知識を得て、生活体験や女性ならではの感性を生かして、豊かで心地よい空間創造をめざします。

文献研究では、自身の興味に基づいて関連する論文や書籍を読み解き、レジュメにまとめてゼミ授業内で発表します。文献の内容をインプットし、レジュメという形でアウトプットすることを繰り返すことで、住宅や地域施設に関わる基本的な知識を得ると同時に、知識を自分なりに解釈して利用する思考力を磨きます。

設計演習では、ゼミ生それぞれが思いと知識をめぐらせて住空間を考案しますが、建築の周辺情報も踏まえてコンセプトを立案し、IllustratorやPhotoshop、3Dマイホームデザイナーを使って図面を作成。模型も制作し、最後は、プレゼンボードや模型を元に、提案内容を発表します。

卒業研究では、研究対象とする地域や設計を行う土地を設定しますが、できるだけ “実際に訪れて、自分で歩ける場所”を選ぶのが塚田ゼミ流。実際にそのエリアを歩き、土地の歴史などを調査するなかで、見て・聞いて・体感した土地の雰囲気や文化背景を研究に反映させていきます。

食品物性学とは、食品が持つテクスチャーを物理現象としてとらえ、数式化し、その特性をひも解いていく学問。この研究室では、基礎的な物理の復習からスタートし、自分で数式を組み立てる方法を学んでいきます。その題材となるのが、米や小麦粉、片栗粉、トウモロコシなど、世界中で主食とされる多くの食品に含まれるデンプン。これは、加熱と加水によって「糊化」する性質を持っています。この糊性変化について、温度や水の量など、条件を微妙に変えて地道な実験を行っています。

学生たちは複数のチームに分かれ、メンバーで分担し協力し合いながら、観測や計測、データ解析を実施。そこで得たデータや発見は、代々後輩へと引き継がれ、大きな成果につながっています。自分たちの研究がもたらす意義を意識しながら、責任感と熱意を持って取り組むことで、チームワークと物事を突き詰める力を養っています。