これからの“働き方

「リモートによる栄養教育」のこれからを考える。

■学問大分類:栄養・食物
■学問小分類:栄養学
■提供: 神戸松蔭女子学院大学 人間科学部 食物栄養学科 栄養教育実習Ⅱ(3年開講科目)

時代の要請に応じた、リモートでの栄養教育とは?

管理栄養士・栄養士は、医療施設、老人福祉施設、介護保険施設、児童福祉施設、小・中学校、行政機関、企業、試験研究機関などの職場で、栄養管理や栄養教育、給食の管理運営に従事しています。管理栄養士・栄養士はエッセンシャルワーカーで、対面の業務が基本ですが、感染予防対策や遠隔医療などで、授業やセミナーだけでなく、業務をリモートで行うことが模索されています。いわゆる「メタボ健診」と呼ばれる特定健康診査での保健指導では、対象者の状態に応じた栄養教育、すなわち食生活のアドバイスをオンラインで行う試みが始まっています。これからはこのように遠隔で栄養教育を実施することがますます要求される、と語るのは神戸松蔭女子学院大学の橘ゆかり先生。また、管理栄養士・栄養士の育成にどのようにICTスキルを活用するのか、ICTでできることとできないこと、それらへの考えを深めることが必要だということです。

対面・遠隔それぞれの特徴を知って効果的な栄養教育を。

管理栄養士をめざす学生が学ぶ、神戸松蔭女子学院大学 人間科学部 食物栄養学科。3年次の「栄養教育実習Ⅱ」では、個人や集団を対象とした栄養教育を学習します。学生が模擬的に管理栄養士役となり、模擬対象者の年代に応じた栄養教育を計画して実施。プログラムの進行を考え、伝え方を工夫するなど、学生同士のディスカッションを通して栄養教育に必要なスキルを身につけていきます。この授業は、これからのリモート業務の要請に対応できる人材の育成を目指して、授業に一部オンラインを取り込んだ「ハイブリッド型」で行われています。つまり、対象者への実習は対面で行い、ディスカッションは学生各自のPCからオンラインで行うもの。「栄養教育には高いコミュニケーション能力が必要です。対面と遠隔とを組み合わせたスキルがあれば、将来効果的な指導ができるでしょう。また、対面で話をすることの大切さに気づく学生も多いですね」(橘先生)。

新しいツールで学ぶ、温かいコミュニケーション。

実際に授業に参加した学生たちの反応はどうでしょうか。「具体的な操作方法を授業で知り、なじみのないZoomを使えるようになりました。発言のきっかけが難しいと感じていましたが、班員との話し合いを通してZoomでのコミュニケーションに慣れることができました」。「最初は話が進めづらく利用するのが苦手なZoomでしたが、次第に抵抗感や苦手意識もなくなり、班員と楽しく話し合いを進められるツールになりました。今後もこの授業で身につけた技術を活かしていきたいです」。「Zoomでは、視線をカメラに向けることや対面より積極的にリアクションをとることが大事だとわかりました。ビデオを通すといつもより表情が伝わりにくいため、うなずくなど共感の伝え方に気をつけました」。授業で気づきを得て、工夫したことがうかがえます。時代の変化に沿いつつ、人々と温かいコミュニケーションを取れる管理栄養士をめざしましょう。

これからの“働き方

これからの教師像を探る。子どもたちの「いのち・生き方」を支える存在として

■学問大分類:教育・保育
■学問小分類:教育学
■提供:神戸松蔭女子学院大学 教育学部 教育学科 特別支援教育課程(病弱部門)

教育で「いのち」を考えることは、「生き方」を考えるということ

新型コロナウイルス感染症の蔓延や、多発する自然災害などの「いのちを守る」場においては、被害を最小限に食い止める対策だけでなく、患者や災害被害者、その家族への支援はどうあるべきか、また差別や偏見にどう対処していくのかも切実な課題です。あらゆるいのちを守るために、政治・経済や医療の分野はもちろんのこと、保育・教育界にも果たすべき役割があります。それは、子どもたちが自分らしく生きるために、多様性が尊重される社会を目指すこと。そしてすべての子どもたちが、それぞれの子ども時代を「いかに生きるか」に目を向けられる環境を作ることです。つまり、教育で「いのち」を考えることは、子どもたち一人ひとりの「生き方」を考えるということに繋がってくるのです。そうした中、神戸松蔭女子学院大学教育学部では「いのちの授業」を実践することになりました。

「いのちの授業」を通じ、教員としてできることが増える!

長年、医療保育・病弱教育の研究をしてきた同大学の谷川弘治先生は、「重い病気や障害のある子どもが自分らしく生きるため、保育士や教師にできることとは何か」を追求してきました。そして、主に特別支援学校教員免許状の取得を目指す学生へ向けた「いのちの授業」に取り組み始めました。これは、重い病気や障害のある子どもとその家族、支援者との対話に目を向け、理解を深めていくことを目的とした授業です。「いのち」が問いかけるものは、極めて繊細でプライベートなもの。だからこそ、子どもと教師との信頼関係に基づく対話が重要なのです。さらに教師には、クラスという公共の場において共に学ぶ生徒達の性格や個人的経験などを考慮した、臨機応変な対応が求められます。このように難しい課題であるからこそ、さまざまなケースを学ぶ必要があるのです。いのちと向き合う子どもたちの思いや関係性などに敏感に反応し、「教師にできること」を導き出すことも目的です。

特別支援教員を目指す学生以外も受けられる「いのちの授業」

谷川先生が受け持つ「特別支援教育と共生社会」の授業は、特別支援教員を目指す学生以外の学生や地域の方も受けることができ、子どもとその家族や支援者から学んだことを基にした授業を行います。終了後は、模擬授業計画へと進み、5つのテーマからそれぞれ模擬事例を想定し、「いのちの模擬授業」を実施します。教職課程においてこのような経験を系統的に行うことにより、一人ひとりの子どもが「いかに生きるか」を考える支えに繋がると、谷川先生は期待しています。今後はこの授業の受講後、中学校や高等学校でのがん教育などに参加するなどのプログラムを新たに展開できればと意気込んでいます。現在、IoTを活用した地域貢献活動も行っており、オリィ研究所が開発している遠隔コミュニケーションを実現するロボット「OriHime」を用いた、院内学級との交流も実施中です。※授業内容は2022年3月現在の情報です(2023年度カリキュラム改訂を予定)

10年後のまちづくり

知ってるつもりの「まち」や「人」を探求すると、知らない世界が見えてくる?

■学問大分類:生活・服飾・美容
■学問小分類:生活科学
■提供:神戸松蔭女子学院大学 人間科学部 都市生活学科 都市生活プロジェクト演習

都市生活プロジェクト演習で取り組む多種多様なアクションとは?

私たちにとって身近な生活の舞台である「まち」、そして「人」の行動―。それらは、ありふれた日常の風景でありながら、大きな可能性を秘めています。そんななか、社会における「人」と「人」との関係、「人」と「モノ」との関係、「人」が生きる「まち」について調査を行い、データの分析にもとづいて仮説の検証を行うのが、神戸松蔭女子学院大学・都市生活学科の長谷川ゼミ。「都市生活プロジェクト演習」という学びの中で、文献の閲覧や行動の観察、対象者へのアンケートなどさまざまなアクションを通して「まちづくりに関するフィールド調査」に取り組みます。しかも既存の手法に頼らず、学生自身が調査方法を計画。社会調査の技法を活用しながら、独自の質問紙や調査票を作成してフィールド調査を展開しています。その結果、浮かび上がった課題をそのままにせず、報告書の作成から解決に向けた提案に結びつけていることも特長です。

地元の「ひと」は気づかない価値を発見して「まち」の発展に貢献

例えば、商店街活性化や映画ロケ地誘致に取り組む自治体でのフィールドワークでは、若者定住策について検討をしてきました。実際に商店街の活動に参加。商店街の会長やロケ地誘致の責任者への聞き取りを行いながら、自分の目で観察することでも情報収集を行っています。ロケ地の重要文化財については、住民の方々との意見交換を実施。まちづくりにおいて極めて重要な場所であり、「まち」のシンボルであると再認識したことをふまえ、若者が住み慣れた「まち」の歴史的価値に気づくことこそが、誇りをもてるまちづくりにつながると提案しました。少子高齢化に伴う地域活力の低下は、地方、都市を問わず重要な課題です。その解決に向けては多面的な対策が必要となり、その担い手は若者たちに他なりません。今後も地域社会の存続に向けて、若者たちのアイデアを生かした社会づくりにつながる取り組みをしていきたいと考えています。

官公庁や企業の情報を読み解き、有効活用できるスキルも修得

このように「都市生活プロジェクト演習」の授業では、調査に関する基本的な技法、レポート、調査ノートの作成手法を実践的に学び、それら基本的な力を土台として、プロジェクトをデザインする力や客観的に物事を捉える力、主体的・協働的に物事に取り組む力が身につきます。「まち」の各所でさまざまな「ひと」と交流するフィールドワークにおいては、フェイクニュースがあふれる世の中で「何が正しい情報なのかを判断する力」の養成にも役立ちます。また、課題解決に取り組む際には、官公庁や企業が保有、発信する情報を丁寧に整理しながら現状分析を進める中で、世の中の動きを客観的に捉える力を修得。多角的なものの捉え方、見方といったスキルも養われます。不透明で不安定な社会といわれる中でも、多くの社会課題に目を向けて、積極的に関わろうとする人や、そうした意識を持ちたいと考える方に最適な学びと言えるでしょう。