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産業廃棄物が未来を救う!我々の身近にあるサスティナブルな資源

■学問大分類:数学・物理・化学
■学問小分類:化学
■提供:岡山理科大学

DNAが産業廃棄物であることはご存知でしょうか?

「DNA」この言葉を聞いたことが無い高校生はおそらくいないと思います。言うまでもなく、DNAは遺伝子です。でも、そのDNAが産業廃棄物であることはご存知でしょうか?例えば鮭(サケ)に注目すると、切り身は焼き鮭、メスの鮭が持っている卵はイクラとして普通に食されています。では、オスの鮭が持っている白子はどうでしょうか?実は、この白子は珍味として食されることもありますが、そのほとんどが産業廃棄物として処分されています。では、白子の中に何があるのかと言いますとDNAです。それで、私たちはDNAを生物学の視点から眺めるのではなく、化学という視点から眺めることで研究を行っています。近年、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉がよく聞かれます。SDGsの観点から石油に頼らないサスティナブルな資源を使うことが望まれていますが、DNAはまさしくサスティナブルな資源の1つです。

産業廃棄物を用いて、環境をクリーンに!

DNAを化学的な視点から眺めると二重らせんを持った分子です。このらせんには様々な機能があります。例えばダイオキシンやPCB、たばこの煙に含まれる発がん物質など平面的な分子をらせん内に取り込む機能があります。よって、DNAをフィルター化することでこれら有害物質を効率的に除去することができます。更に、DNAは人体に有害な水銀やカドミウム、鉛のような重金属イオンを選択的に集積する機能も有しています。この機能を用いると環境中から重金属を除去することや、ハイテク産業で欠かせないレアアースを回収することもできます。近年ではシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドを集積する機能も確認されています。ここまではDNAの話でしたが、DNA以外にも様々な資源があります。皆さんが一度は聞いたことがあるコラーゲンやヒアルロン酸、カニやエビ等の外骨格を形成するキチン・キトサンもサスティナブルな資源です。

大豆は食べ物?それとも素材?大豆からできるプラスチック

日本で大豆と言えば、醤油や味噌、豆腐などのもとになる食材です。しかし、世界に目を向けると大豆は油を搾り取るための穀物として栽培されています。では、油を搾った後の大豆カスはどうなるのでしょうか?大豆カスはタンパク質含有量が多いためサプリメントや家畜の飼料などにも利用されますが、大量にあるため産業廃棄物として処分されています。そこで、私たちは大豆カスもサスティナブルな資源と考え、大豆カスからなるプラスチックの作製に挑戦しました。結果、石油由来プラスチックよりも強度は劣るもののプラスチックを作ることに成功しました。また、石油由来プラスチックは自然界で分解するには数百年以上かかると言われていますが、大豆からできたプラスチックは実験室レベルではありますが、1週間で30%以上分解しました。近い将来、大豆でできたプラスチックのお椀に豆腐の味噌汁をよそう奇妙な風景に出会えるかもしれません。

「植物共生微生物」は 農業技術に 革新をもたらすか

■学問大分類:農学・水産学・生物
■学問小分類:生物生産学
■提供:岡山理科大学

高等生物と微生物をつなぐものは一体なにか

微生物は目に見えない小さな生物ですが、地球上のあらゆる環境に適応して生きており、それぞれがその環境で生きるための特別な機能をもっています。その機能を人の暮らしに役に立てる学問が応用微生物学という分野です。病気を引き起こす微生物もいますが、植物や動物、もちろん人も、多くの微生物に囲まれて、あるいは一緒に生きていて、見えない恩恵をたくさん受けています。今回ご紹介するのは、人や植物のような高等生物と微生物が一緒にいることで、ともにメリットを享受する相利共生に関する研究です。その中で私たちは、人の腸内に共生する腸内細菌と言われる微生物や、農業分野で利用できると考えている植物と共生している微生物を対象とし、高等生物と微生物がそれぞれ必要とする化学物質を相互に供給する「化学コミュニケーション」という現象に注目して研究を進めています。

植物と微生物のコミュニケーション

私たちが特に注目しているのは、地上部の葉上に生育する微生物です。この葉上共生微生物は未解明の部分が多く、共生メカニズムを「化学コミュニケーション」から探っています。これまでに解っていることは、植物が生長にともなって放出する「メタノール」が共生を媒介していることです。メタノールは植物が生長するときに放出されるので、微生物はこれを得るために、植物を生長させる様々なアプローチを行います。例えば生長を促す植物ホルモンや、光合成を助ける化合物を作って植物に与えますが、種の状態から発芽して生長に伴って変化する、植物という居住環境を認識し、供給するものを変えているようです。例えば光合成は葉で行われるので、葉の上でのみ光合成を助ける化合物を供給していることも解ってきています。土の中なのか、葉の上なのか、目も耳もない微生物がどのように環境を認識しているのか最も興味を持って研究しています。

植物を支える微生物のチカラが農業を救うかもしれない

植物と微生物の共生関係は珍しいことではなく、地球上のあらゆる植物の上で築かれています。農作物として栽培される米や野菜などでも同様の共生関係が構築されていて、この現象を農業技術として確立できれば、様々な作物の栽培に応用できると考えています。例えば光合成効率の上昇による作物栽培速度の向上や収穫量の増加、強固な共生関係は他の病原菌などの侵入を防ぐ効果もあると考えられます。また、栽培条件の向上は味や大きさ・形などの付加価値も期待できます。そのほか、私たちは現在直面している気象変動などが、農業生産に直接的な影響を及ぼすことも見据えなければなりません。自然界のシステムを科学的に理解することで、これらの問題に対応できることも期待でき、このような学術面での研究成果が農業、作物栽培技術の革新につながることを目指しています。

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