小論文を書く時のコツ

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小論文を書く時のコツ

小論文の書き方
~具体的なテーマ別の例文から書き出し・要約・添削方法を学ぼう~

入試で小論文が課される場合、試験本番までにある程度対策を練っておく必要があります。限られた試験時間のなかで、評価される小論文を書くためのコツを確認しておきましょう。

小論文の入り口は問題文章の正しい理解から

問題文章における前提と課題を理解する

評価される小論文を書く上では、文章の組み立てが鍵となります。そして、文章を理論的に構築するには、まず問題を正確に理解する読解力が重要です。課題内容は、「問題文章を読み、その内容を的確に説明できるかを問うもの」や、「問題文章を基に自身の見解を展開し、それを論理的に説明させるもの」などさまざま。落ち着いて問題文章を読み、前提となる条件と解答として何が求められているのかを冷静に判断することが重要です。

例題

(問題文章)
子どもはさまざまな方法で感情を表現します。保育者として、子どもの感情表現にどう配慮すべきであると思うか、考えを述べなさい。

【前提条件】「子どもの感情表現はさまざま、保育者はその多様性にも配慮すべき」
【課題】「保育者として、子どもの感情表現の多様性に対応する方法を考え、述べよ」

分析のコツは「なぜ」

問題文章から前提条件と課題内容を読み解いたら、それに対する主張を設定しましょう。次になぜそのことを主張しようと思ったのか、思い浮かぶ根拠を全て書き出してください。そしてその根拠の情報源が何だったかを考えます。ニュースや教科書といった客観的な媒体からの情報であれば、小論文の説得性を高める要素となるでしょう。

小論文の書き方の基本は構成(型)を作ること

「序論・本論・結論」を作る

「序論・本論・結論」の構成は、分かりやすくよく使われます。まず、序論では問題文章を踏まえて問題提起をします。その上で、自身の考えの大きな方向性を主張します。続いて本論では、序論で述べた自身の主張の根拠を説明していきます。ここでは、小論文の内容に説得力を持たせるため、可能であれば主張の基にした事実なども踏まえながら、客観的な文章になるよう心がけます。そして、最後に結論として、自身の主張を再度示します。

【序論】私の教育観は、家庭がどんな状況であっても、子どもがその子らしく過ごせるようにサポートし、その子らしさを生かした教育を行うことである。
【本論】年代ごとの傾向はあるにせよ、子どもはそれぞれ違った性格を持っている。(略)
【結論】子ども一人ひとりと丁寧に向き合い、誰もがその子らしくのびのびと輝くことができるよう見守りたい。それが私の理想とする教育観である。

「問題提起・反論(反対の意見)・持論(自分の意見)・理由・結論」を作る

この型では、自身の主張の説得力をより高めるため、あえて自身の主張に対する反論を用意します。まず、問題提起でこれから論述する問題の内容と自身の主張の方向性を述べた後、反論として自身の主張に対抗する主張を提示します。その上でその反論がなぜ無効なのかを述べつつ、持論に入ります。持論の理由を、客観的なデータなどを適宜引用しながら書いていきます。そして最後に、結論として自身の主張を再度提示し、文章を終えます。この型で注意したいのが、持ち出した反論の説得力を残さないこと。反論の方に説得力がある状態では、いくら自身の主張の根拠を説明しても、主張の持つ説得力が弱くなってしまいます。

【問題文章】高等学校への電子辞書の持ち込み禁止について、あなたの意見を述べなさい。
【問題提起】高等学校への電子辞書の持ち込みは禁止すべきだろうか。
【反論】調べたかった語の周辺にある語も覚えられるため、紙の辞書を使うべきだ。
【持論】しかし、私は紙の辞書を使うよりも電子辞書を使う方が効率的に勉強を進められると考える。
【理由】また、先日私の通う高等学校でも電子辞書の持ち込みが禁止されたが、紙の辞書を使うようになると授業の進みが遅くなり、生徒が電子辞書を使っていたときは1時限内に終わらせられていたプリントが終わらせられなくなった。(略)電子辞書の中にも、検索結果に類語検索が含まれ、関連語句を併せて覚えられるものがある。(略)
【結論】以上の理由から、私は高等学校への電子辞書の持ち込み禁止には反対である。

過去の傾向を知ろう!学部・学科別の対策すべきテーマと例文

小論文の課題内容は、学校や学部によりさまざまです。学部での学びに関連するテーマが課されることもあれば、志望理由を問われる場合もあります。ここからは、各学部で出題されることの多いテーマをご紹介します。

【法学】憲法9条などのほか、時事的なテーマが課されることも

法学部では、民主主義や倫理観、憲法9条、権利と義務などといったテーマが課されることが多いです。こうした論述では、憲法など諸制度に対する正確な理解が必要不可欠。また、時事的な問題に関して意見を求められるような課題が出る場合も。試験本番で焦らないためにも、普段から新聞やニュースをチェックし、世間で話題になっている内容や争点を確認しておきましょう。

例題

憲法9条の解釈を基に自衛隊の戦地派遣についての課題を分かりやすく説明しなさい。

【経済学、経営学、商学系】所得や地方創生といったテーマに加え、最新のテクノロジーに関する問題も

経済や経営にまつわる学部では、格差や税金、所得、地方創生などに関する意見を問われることが多くあります。こうしたトピックについて論じる場合には、グローバルな視点が必要となる場合も。また、人工知能(AI)やドローンといった最新のテクノロジーが経済にどういった影響を与えるのか、などのテーマが出題されることもあります。

例題

人工知能(AI)が世界の経済に及ぼす影響について、あなたの考えを述べなさい。

【文学、教育学系】文化や文明に関する具体的な問題が多い

歴史や芸術、語学、コミュニケーションなど、文化・文明に関する課題が主となります。加えて、人の生き方や価値観について意見を述べさせるような問題も。こうした課題は専門的な文学論や哲学を扱うものを除いて、問題文章が具体的であり専門知識がなくてもある程度書けることが多いので、小論文のなかでは比較的取り組みやすい方だと考えられています。しかし、その分他の受験生よりも高く評価されるためには、思考力や文章力が必要です。

例題

学ぶことの意義について、あなたの考えを示しなさい。

【情報学、環境学、理学、工学系】エネルギーやテクノロジーなど、毎年変化するトピックに注意

情報系や環境系など理系学部の入試で出題される課題は、エネルギーやテクノロジー、自然災害、インターネットなどをテーマにしたものが多くなります。経済・経営系の学部以上に、最先端のテクノロジーはチェックしておく必要があるでしょう。また、近年起こった自然災害に関して現状や課題を予習しておくのもいいかもしれません。

例題

バーチャルリアリティ(VR)の活用について、そのメリットとデメリットを説明しなさい。

【医学・看護学、福祉学系】

医療・看護・福祉系の学部では、高齢化やコミュニケーション、最新の医療などがテーマになることが多いでしょう。生活習慣病のような具体的な症状に関して、正確に事実を記述したり意見を求められたりする場合も。また、最近ではテクノロジー関連の問題も増加しています。

例題

インフォームドコンセントについて、あなたの考えを自由に論じなさい。

【体育学・芸術学系】

体育・芸術分野の試験では、文系の学部と同様に文化や文明に関係する問題が出題されます。加えて、精神・哲学などといった抽象的なテーマが出る場合も。

例題

「センス」とは何か、あなたの考えを論じなさい。

要約文の作り方と要約のコツ

要約文とは「事実背景→課題解釈→主張」の流れをまとめた文章

試験では、小論文と共に問題文章の要約文の提出を求められることもあります。要約文とは、その文章を読んでいない人が読んでも、文中で述べられていることが分かるように説明するものです。元となる文章に含まれる事実背景と課題、その課題に対する主張という流れをコンパクトにまとめる必要があります。

要約文を作るための4STEP 大事なのは「段落の要約文を作ってから、まとめること」

問題文章の要約のコツは、まず段落ごとに要約文を作ること。そうすることで、文字数の限られた要約文の中に含めるべき情報と含めなくてもいい情報の区別がつけやすくなり、スムーズに要約を進められます。

要約文を作る4STEP
  • ①問題文章の段落ごとに内容を把握する
  • ②段落が問題文章全体の中で「問題提起」「具体例」「筆者の主張」のうちどの役割を果たしているのか判断する
  • ③「問題提起」と「具体例」を除き、「筆者の主張」を取り出す
  • ④問題文全体の流れに基づきながら筆者の主張をつなぎ、まとめる

要約のポイントは「ズレ・漏れ・ダブりをなくし、具体例を省くこと」

要約文を作る際にまず気を付けたいのが、もともとの文章と要約文の内容にズレが生じていないか、ということです。特に問題文章が長文の場合や問題文章に反論が含まれる場合には、テーマや筆者の主張を見失ってしまいがちです。そうならないように、問題文章の主旨を問題用紙の隅にメモしておいて、要約文とのズレがないようにしましょう。また、筆者の主張や根拠など含めるべき情報が漏れていないかどうかも確認が必要です。また、反対に同じ情報が何度も書かれているのも、要約がなされていないことになるのでNG。主張を分かりやすくするための具体例も、要約には含めないのが基本です。

小論文の添削方法

作文と小論文の違い

小論文とは、筆者の主張や意見があり、その根拠が論理的に述べられた文章のことです。対して、作文とは筆者の体験や感想・考えを述べるもので、特に客観的な根拠は求められません。小論文では論理性や説得力の高さが評価されますが、作文では文章の流れや感性の豊かさ、表現の巧みさがポイントになります。

受験対策における評価ポイントは一貫性・認識齟齬の有無・論理的根拠

小論文の基本として評価されるのが、文章に一貫性があること。一つのテーマについて一つの主張をもとに論じるのが理想的です。もちろん、前提となる知識や問題文章そのものの認識に誤りがないかどうかも重要です。また、主張の根拠が客観的かつ論理的に述べられているかどうかも評価ポイント。主張があっても根拠が客観的なものでなければ、その文章は小論文ではなく作文であると見なされてしまいます。さらに、読み手を納得させるためには、根拠が論理的かつ分かりやすく示されている必要があります。

試験では文字数の条件も確認しよう

実際の試験では、文字数に関する条件も課せられます。国公立大学で800~1,500字以内、私立大学で800~1,200字以内、短期大学で600~800字以内、専門学校で400字以内を目安に考えてください。指定されている文字数から、マイナス40文字以内で書き上げるのが基本です。文字数が大幅に余っていると、減点の対象になってしまいます。

大学入試の種類に関する3つのポイント

Point
1

小論文を書く時は、
型をベースにして構成するのがコツ

Point
2

出題テーマは、学部の学びに沿ったものの他、志望理由などを問われる場合も

Point
2

文章が客観的で、一貫性があることが
評価のポイント