奨学金・奨励金の基礎知識

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奨学金・奨励金の基礎知識

約5割の学生が利用!
種類豊富な奨学金制度の基礎知識

学費や生活費、留学や資格取得、サークル活動にかかる費用など、大学・短期大学・専門学校への進学には多大な費用がかかるもの。そこで、「進学したいけど、経済的余裕がない」「スポーツや文化活動を続けたいけど、お金がかかる」といった学生のために設けられているのが奨学金制度です。国や地方自治体、大学、民間企業から経済的なサポートを受けることができ、今では約半数の学生が何らかの奨学金を受給しています。経済的理由で夢や進路をあきらめることがないように、奨学金選びのポイントや代表的な種類を知り、上手に活用しましょう!

[出典]
日本学生支援機構「平成24年度学生生活調査」

奨学金・奨励金が分かる3つのポイント

自分に合った奨学金を見極めるためのポイントは?

奨学金とは、経済的理由により修学困難な学生や、学業や課外活動で能力を発揮する学生に経済的な支援を行う制度です。多様な種類があり、それぞれ申込資格や支給形態、支給期間、申し込み先などが異なるため、迷ってしまう人が多いかもしれません。ここではまず、奨学金の違いを理解するためのポイントを解説します。

ポイント1  公的な奨学金(国、都道府県、市区町村)と、民間の奨学金(企業、民間育英団体)、大学独自の奨学金がある

最も利用者が多いのは、国の独立行政法人である日本学生支援機構が運営している奨学金制度です。その他、都道府県や市区町村などの地方公共団体でも、さまざまな制度を設けています。また、こうした公的機関の他に、企業や民間育英団体によるもの、新聞奨学会が運営しているものなどもあります。さらに大学・短期大学が独自で実施している奨学金制度もあるため、志望校の情報をチェックしておきましょう。

ポイント2  申込資格は団体や制度によってさまざま

奨学金の申請資格は団体や制度によって異なり、家計状況や成績などに一定の条件が課されます。

代表的な受給条件

※あくまで一般的な例であり、制度によって異なります。

家計状況 保護者(もしくは家計を支えている人)の年収や世帯全体の収入の上限が定められています。申請には家計状況を証明するための書類などが必要になります。
学業成績 高校の成績(評定平均値)、入試成績、大学在学中の学業成績などの条件が設けられます。年度ごとに審査があり、一定の成績を維持することが必要な場合もあります。
競技・活動成績 スポーツや文化活動などに関する奨学金の場合、大会やコンテストの出場実績、入賞実績などの規定があります。
取得資格 TOEIC(R)、TOEFL(R)、簿記など、指定の資格を所持している人、あるいは在学中に取得した人に対して奨学金を支給する制度もあります。
出身・居住地域、出身高校 指定の地域に本人または保護者が住んでいること、指定の高校の出身者などが条件となります。同じ大学や系列校に兄弟姉妹がいる場合、父母が出身者である場合に学費の一部が免除されるパターンもあります。
ポイント3  返還不要の「給付型」と返還が必要な「貸与型」がある

奨学金には、大きく分けて2種類のタイプがあります。返還が不要な「給付型」と返還しなければならない「貸与型」です。「もらえる」か「借りる」かは大きな違いなので、必ず確認しましょう。さらに「貸与型」の中でも、無利子で借りられるものと、利子がつくものがあります。貸与型、利子つきのタイプについては、申込条件が比較的緩やかになっています。

給付型

お金を返還する必要がないタイプで、授業料の一部または全額が支給される場合から、月の支給額が決まっている場合までさまざま。自治体や民間企業が運営する奨学金に多くなっています。

貸与型

返還の必要があり、基本的には卒業後に分割で返済します。「日本学生支援機構」の奨学金はすべてこのタイプです。

利子なし 借りた金額だけを返す
利子あり 借りた金額に利子をプラスした額を返す

奨学金・奨励金の種類

代表的な奨学金の特徴を把握しておこう

奨学金を詳しく調べ始める前に、大まかな種類の違いを把握しておきましょう。5タイプの奨学金と、もう一つの教育資金調達の選択肢として教育ローンを紹介します。

  • 日本学生支援機構の奨学金(国の奨学金制度)

    利用者が最も多い、メジャーな奨学金

    国の独立行政法人である日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度です。2004年の組織再編以前は、日本育英会の名称で奨学金事業が行われていました。すべて返還の必要がある「貸与型」で、「第一種」と「第二種」の2タイプがあります。第一種は無利子で借りることができますが、成績基準や所得基準がやや厳しくなっています。第二種は、返済の際に利子を払う必要がありますが、条件は比較的緩やかです。どちらも一度審査に通れば卒業するまで毎月一定額を受給でき、条件を満たせば併用も可能です。
    申し込みは、進学先の大学・短大・専門学校を通して行う「在学採用」と、進学先が未定でも前年に奨学金を予約できる「予約採用」があります。予約採用を検討する場合は、高校の進路指導担当の先生や都道府県の教育委員会を通して調べてみてください。

    日本学生支援機構奨学金の貸与月額(平成27年度入学者の場合)借主:申込者本人 申込時期:予約・在学中 申込窓口:在学校経由

    第一種奨学金(無利息)(月額) ※1
      国公立   私立
    進学先 自宅通学 自宅外通学 進学先 自宅通学 自宅外通学
    大学 45,000円 51,000円 大学 54,000円 64,000円
    短期大学・専修学校 短期大学・専修学校 53,000円 60,000円
    第二種奨学金(有利息)(月額) ※2
    大学・短期大学・専修学校 30,000円・50,000円・80,000円・100,000円・120,000円から選択
    入学時特別増額貸与奨学金(有利息)(一時金)
    大学・短期大学・専修学校 100,000円・200,000円・300,000円・400,000円・500,000円から選択

    ※1 全対象者30,000円も選択可能

    ※2 120,000円を選択した場合に限り、私立大学の医・歯学課程は40,000円、薬・獣医学課程は20,000円の増額が可能。貸与期間中に必要に応じて、貸与月額を変更することもできます。

  • 自治体の奨学金制度

    居住地域や学校所在地などが条件になる

    都道府県や市町村などの地方自治体でも、独自の奨学金制度を設けている場合があります。その多くは、保護者や受給者本人が該当する地域に住んでいることを条件にしており、他に学校所在地や就職先の地域について規定がある場合もあります。自治体によって申込条件や貸付額は多様ですが、無利子の貸与型が比較的多くなっています。申込方法も大学が窓口になる場合、直接教育委員会に申し込む場合などさまざまです。日本学生支援機構の奨学金と併用できないこともあるため注意が必要です。

    地方自治体が設ける奨学金の例
      制度名 申し込み条件 貸付金額(月額) 申込時期
    借主:申込者本人
    申込時期:予約
    申込窓口:高校経由
    新潟県奨学金
    (大学・短大)
    (新潟県)
    新潟県内居住者の子弟で、保護者の収入が県の定める基準以下。本人の学力が大学1年生は「出身学校での成績評定平均3.5以上」であること。大学2年生は「良又はB以上が全履修科目の50%以上」であること ●自宅通学者:国公立41,000円、私立大学44,000円、私立短大43,000円
    ●自宅外通学者:国公立41,000円、私立大学51,000円、私立短大48,000円
    進学後の
    6月頃
    借主:申込者本人
    申込時期:在学中
    申込窓口:直接応募
    浜松市
    奨学金
    浜松市に住所を有する者の子等で、人物及び学業成績が優秀、かつ経済的理由によって修学が困難であり、他の奨学金を受けていない者 45,000円以内 進学後の4月

    ※過年度の実績による情報になります。条件や金額など、確かな情報は主催する自治体などに必ず問い合せてください。

  • 企業・団体の奨学金制度

    返還義務のない給付型の制度も多い

    財団法人や育英会などの民間団体や企業による奨学金も多く存在します。有名なものには、病気や災害で両親を失ってしまった生徒や学生を対象にした「あしなが育英会」があります。その他、特定の分野の学問を学んでいる学生を対象にした奨学金や、条件はほとんどなく成績が優秀な学生を対象にしている奨学金など、バリエーションは豊富。返済義務のない給付型の奨学金を設定しているところも多いので、積極的に応募してみるといいでしょう。ただし、採用人数が少ない場合が多く、狭き門になる可能性があります。

    企業や団体が設ける奨学金の例
      制度名 申し込み条件 貸付金額(月額) 申込時期
    借主:申込者本人
    申込時期:予約・在学中
    申込窓口:面接応募
    大学・短期大学奨学金(あしなが育英会) 保護者が病気や災害(道路上の交通事故をのぞく)または自死(自殺)などで死亡、あるいは著しい後遺障害のため働けず、家庭の生活事情が苦しく教育費に困っている者。 一般:40,000円
    特別:50,000円
    予約:高校3年生の6月
    在学中:進学後の5月
    借主:申込者本人
    申込時期:在学中
    申込窓口:面接応募
    財団法人日本通運育英会 大学・短大・高専在学者のうち、学術優秀、品行方正、身体強健で、学費の支払いが困難な者。 自宅通学者:大学15,000円、短大・高専10,000円
    自宅外通学者:大学20,000円、短大・高専15,000円
    進学後の4月
  • 学校独自の奨学金制度

    入学金や授業料の減免を受けられる

    ほとんどの大学や専門学校では独自の奨学金制度を設けており、種類や募集枠も増加傾向にあります。これまでは入学後に申し込むケースが多かったものの、最近は首都圏や京阪神を中心に、入学前に申請する「入学前予約採用型」を導入する大学が増えています。受験前に審査結果が判明し、あとは合格さえすれば奨学金受給が確約されます。費用計画を立てやすくなるため、ぜひチェックしておきたいところです。
    この他に、経済的な基準を設けず、入試成績の優秀者に対して入学金や授業料の一部または全額を免除する場合などもあり、特待生制度、スカラシップ入試などと呼ばれています。

    学校が独自に設ける奨学金の例

    • 入学試験の成績優秀者に対する奨学金

    • 大学入学後の成績優秀者に対する奨学金

    • 経済的な理由で勉強を続けることが
      難しい者に対する奨学金

    • スポーツや文化活動で優れた実績を
      上げた者に対する奨学金

  • 新聞奨学生制度

    新聞販売所で働きながら学業と両立

    学業の傍ら、新聞配達や集金などの業務をしながら奨学金をもらう制度で、新聞社を母体とする新聞奨学会が運営しています。多くの新聞奨学生制度では、既定の年数勤務すれば奨学金の返済が不要になります。奨学金の他に毎月給与が支払われ、寮や食事が付いている場合もあるため生活費もまかなえます。ただし、医・歯・薬科系など学業の忙しい学生を対象外とする場合、新聞販売店から無理なく通える範囲にある学校が指定されている場合があるため注意しましょう。

    新聞奨学生制度の例
      業務内容 奨学金金額(返済免除限度額) 給与
    毎日育英会
    (東京事務局)
    Aコース:毎日新聞の配達、集金、その他付帯業務
    Bコース:毎日新聞の配達、その他付帯業務
    Aコース:130~520万円(1~4年制)
    Bコース:110~440万円(1~4年制)
    Aコース:月額150,000円
    Bコース:月額119,724円
    ※年2回賞与支給
    朝日奨学会
    (首都圏)
    Aコース:朝日新聞の配達、集金、宣伝PR、その他付帯業務
    Bコース:朝日新聞の配達、宣伝PR、その他付帯業務
    Aコース:130~520万円(1~4年制)
    Bコース:110~440万円(1~4年制)
    Aコース:月額152,240円
    Bコース:月額119,724円
    (早朝手当含む)※年2回特別手当支給
    産経新聞奨学会 産経新聞の配達、集金、宣伝PR、その他付帯業務 ※配達は朝刊のみ 78~400万円(1~4年制) 月額112,900円(2015年)
  • 教育ローン

    奨学金との最大の違いは、保護者が借りること

    入学金や学費など、教育に関連する費用を金融機関に借り受けるのが教育ローンです。子ども自身が借りて返済する奨学金とは異なり、教育ローンは保護者が借りて保護者が返す、あるいは保護者から子どもへのリレー方式で返済を行います。まとまった額を一度に借り入れるのも奨学金と異なる点です。 代表的なものが、国の機関である日本政策金融公庫が提供する「教育一般貸付」で、民間に比べて低利率で教育ローンを借り受けることが可能なため人気です。また、学校と提携して貸付を行う教育ローンもあります。

    国や民間企業の奨学金の例
      ローン名 借入条件 融資額 利率 返済期間
    借主:保護者
    申込時期:随時
    教育一般貸付(国の教育ローン)(日本政策金融公庫) 融資の対象となる学校に入学・在学する子どもの保護者で、付帯年間収入が指定額以内。例えば、子どもが2人の場合、給与所得が890万円(事業所得680万円)以内など、子どもの人数によって異なる 子ども1人あたり350万円以内 年2.05%(平成27年12月15日現在) 15年以内
    学費サポートプラン(Orico) 入学または在学する学生の保護者。または、安定した収入のある方 10万円以上500万円以下 提携学校により異なる 条件によって異なる

    ※過年度の実績による情報になります。条件や金額など、確かな情報は主催する自治体などに必ず問い合せてください。

奨学金・奨励金Q&A

奨学金の申請時期は?
高校在学中に申し込む場合と、大学在学中に申し込む場合があります

申請時期はさまざまですが、大きく分けると高校在学中と大学入学後の2種類があります。基本的には制度ごとに申請時期が決まっていますが、例外として保護者の病気、失業、災害などで家計が急変した場合に申し込む緊急時の採用があります。この場合は、急変の理由が発生してから半年以内や一年以内に申請期限が設けられている場合が多いです。

貸与型奨学金の返済方法は?
基本的には、就職後に少しずつ返済します

ほとんどの場合、返済は就職後。毎回の返済額や返済期間は貸与総額に応じて異なり、比較的長期にわたることが多いようです。「繰り上げ返済」といって、途中でまとめて返済することも可能です。

奨学金の併用はできる?
できる場合とできない場合があります

他の奨学金と併用できるものとできないものがあるので注意しましょう。特に地方自治体の奨学金制度は、日本学生支援機構の奨学金との併用が不可の場合があります。

奨学金と奨励金は同じ?
学校によって意味が異なります

奨学金の他に、奨励金という言葉を聞いたことがあるかもしれません。「指定の分野、コンテストなどで特定の成果を上げた人に支給されるお金」という意味の場合もあれば、奨学金と同じ意味で使用されている場合もあるので個別に確認しましょう。

奨学金・奨励金に関する3つのポイント

Point
1

奨学金の運営団体はさまざまで、それぞれに特色がある

Point
2

「申し込み条件」と「給付型か貸与型か」を必ずチェックしよう

Point
3

申請時期を逃さないよう、早めに情報収集しよう!