オープンキャンパスをより有意義にするための秘訣は適切な事前準備!持ち物や1日のスケジュール例をご紹介。
【入試対策】志望理由書編
読み手の心を動かそう!志望理由書の書き方のコツとマナー
大学や短期大学、専門学校の学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜(AO入試)などを受験する際、多くの学校で提出を求められる書類があります。それが志望理由や入学の意志をまとめた「志望理由書」。ここでいかに自分をアピールし、インパクトを与えられるかが勝負です。ただし、いきなり準備なく書き始められるものではありません。読み手の心を動かす志望理由書にするためには、「自己分析」と「志望校研究」が不可欠です。しっかり準備をした上で、書き方のコツやルールを理解し、熱意を最大限にアピールしましょう!
(監修者 三井綾子)
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願書
名前や住所、出身高校、志望学部学科などを書く書類。インターネット出願(Web出願)の場合はインターネット上で入力する。
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調査書
学業成績(評定平均値)や課外活動実績、出席日数などが記載される。文部科学省指定の様式があり、高校が準備する。
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推薦書
所属高校の学校長が、入学させるのにふさわしい人物であることを証明し、発行する書類。
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志望理由書
学校・学部学科コースを志望する理由を書く書類。
※自己推薦書、エントリーシートと呼ばれる場合もある。 -
自己推薦書・自己PR書
自分の長所やこれまでの経験について記述する書類。
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エントリーシート
志望理由や入学後の目標、自己PRなど複数の項目を記載する場合が多いが、学校によってさまざま。
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活動報告書
これまで取り組んできた勉強や課外活動、大会やコンクールでの成績、留学経験などを書く書類。
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課題
特定のテーマに関するレポート。
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入学を志望する動機
・「なぜこの学校・学部学科コースに入りたいのか」「入学を志望したきっかけ」を明確に伝えましょう。
・高校までに取り組んだことや自分の考え、志向などをもとに、その根拠をしっかり示しましょう。
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入学を志望する意志
・「この学校・学部学科コースのどこが魅力なのか」「入学後にやりたいこと、身につけたいこと」を伝えましょう。
・志望する分野や学問への理解度が深いことをアピールしましょう。
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卒業後の展望
・「将来の夢や就きたい仕事・職業」「その仕事で実現したいこと」を伝えましょう。
・進学先での学び・経験とつなげて伝えましょう。
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自分を知ろう
自分の気持ちや行動を振り返ろう
高校までに取り組んできたことを振り返ろう
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学校を知ろう
進学先の情報を集めよう
志望校・学部学科コースについていろいろな角度から調べよう
将来やりたい仕事や職業と学校とのつながりを考えよう
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志望理由書を書こう
基本の構成を押さえよう
「伝わる」文章にするためのポイントをチェック
「正しい」文章にするためのポイントをチェック
書いた後は必ず見直しをしよう!
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自分の気持ちや行動を振り返ろう
これまでの自分の気持ちや行動を振り返り、箇条書きにしてみましょう。自分の内面を知ることで新たな発見があり、本気で学びたいことややりたいことが見つかるはずです。また、すでに目標が決まっている人も、アピールポイントを見つけるためにぜひ書き出してみてください。
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高校でやったことを振り返ろう
高校生活の中で楽しかったこと、つらかったこと、成長したと思うことなどを書き出してみましょう。勉強や部活、委員会、学校行事、アルバイト、家族や友達に関することなどなんでもOKです。さらに、「そこから何を感じ、何を考えて行動したか」も書いてみてください。アピールポイントの手がかりが見つかるかもしれません。
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好きなことがありすぎてまとまりません
好きなことを書き出した中から、「志望校で学びたいこと、やりたいこと」につながりそうなものをチェックしましょう。それが志望理由書におけるアピールポイントになります。
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自分の良いところが分からないのですが……
自分で分からなくなった時は、家族や友達、先生など、第三者の意見を聞いてみましょう。客観的な視点で、自分では気づかない長所を教えてもらえるはずです。
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高校を数週間休んでしまったのですが、マイナスになりますか?
休んだ理由によります。面接で聞かれることを想定し、休んだ理由とそれにどう対処したかを言えるようにしておきましょう。
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部活や委員会を途中で辞めてしまいました
これも辞めた理由によります。他にやりたいことが見つかったなど、プラスの理由がある場合は問題ありません。「飽きたから」「つらかったから」だけではマイナス評価になってしまうため、失敗や挫折から何を反省し、何を得たかを言えるようにしておきましょう。
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パンフレット、ホームページ
情報収集の必須アイテムです。少しでも興味を持った学校には早めに資料請求しておきましょう。また、志望校とレベルが近い学校や、同じ学部学科コースがある学校の資料も取り寄せて比較してみましょう。
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オープンキャンパス、学校見学会
体験授業や学部ごとの説明会、研究室・設備見学などがあり、先生や先輩と話せる機会がある場合もあります。資料にはない情報を得るチャンスなので、ぜひ足を運んでみてください。ここで見聞きしたこと、体験したことが志望理由書や面接で大きなアピールポイントになります。
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募集要項(入試要項)
入試の詳細が載っている募集要項(入試要項)も重要な資料の一つ。試験の内容や出願条件、出願期間、求める学生像などを確認しておきましょう。各学校のホームページに掲載されていたり、学校案内と合わせて請求できたりします。
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同じ学部だと、大学が違っても学びの内容は変わらないように思うのですが……
先生の専門分野や研究室(ゼミ)、カリキュラム、取得できる資格などから同名の学部間での違いを探してみましょう。さらに、オープンキャンパスで体験授業などを受けてみて、本気で学べそうなほうを選びましょう。
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大学卒業後の仕事まで、現段階で決めないとダメですか?
大学で学んだ上で仕事を選んでももちろん構いません。ただ、学んだことを卒業後にどう生かしたいかを現時点で考えることは、意欲の表れの一つ。面接で聞かれることもあるため、自分の言葉で答えられるようにしておきましょう。
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基本の構成を押さえよう
まず大切なのが、全体の構成を最初に決めておくこと。流れを決めずやみくもに書き始めると、まとまりのない文章になってしまいます。基本の構成は「自分のこと」→「志望校のこと」→「将来の夢・目標」。これに沿って、まとめたノートを見ながら組み立てていきましょう。
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「伝わる」文章にするためのポイントをチェック!
志望理由書は、志望校の担当者にきちんと届ける文章にすることが大切です。他の受験生と似たような文面になったり、内容が薄くなってしまったりすると印象に残りません。ここでは、「伝える」ためのポイントをいくつかピックアップしました。
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自分の体験談を盛り込み、具体的に書く
他の受験生と差別化するため、また内容にインパクトを持たせるために、体験談などを交えて具体的に書きましょう。どこかで見たような文章にならないよう、自分で考えたこと、感じたことを自分の言葉で書けば説得力が高まります。
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強い印象を与えるよう、ポイントを絞って書く
いろんな内容を詰め込みすぎると、何が言いたいのかが伝わりづらくなってしまいます。「自分」と「学校」、「将来」の一貫性を重視して、最も効果的にアピールできるポイントを絞って書きましょう。どこかまとまりがないと感じた場合は、思い切って削ることも大切です。
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「その学校・学部学科コースでしかできないこと」を具体的に盛り込む
「他の学校でもできるのでは?」と思われないよう、その学校・学部学科コースでしかできないことを自分なりに考えて入れてみましょう。「この先生のゼミで学び、こんな卒業論文を書いてみたい」「○○実習を通して、○○の技術を磨きたい」など、具体的でオリジナリティのある内容を心がけてみてください。
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志望校の求める学生像を意識する
総合型選抜(AO入試)では、「志望校が求める人物像と自分がどのようにマッチしているか」について必ず触れるようにましょう。また学校推薦型選抜(推薦入試)でも、求める人物像を踏まえてうまく自分をアピールできれば、評価は上がります。
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こんな志望理由書はNG!
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・志望校をほめているだけで、自分のやりたいこととつながっていない
志望校のパンフレットに書かれているPR文を適当にまとめるだけでは不十分です。自分にとってどこが魅力なのか、自分のやりたいこととどのように関係しているのかを明確に示しましょう。
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・やりたいことや将来の夢が自己中心的
大学などでの研究は、まだ解明されていない事柄に挑み、社会や研究分野の発展に貢献するためにあります。自分の思いだけを書くよりも、それが志望校や社会にどのような影響を与えるのかにも触れた方が共感を得やすくなります。
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・大学を仕事に就くための手段だと考えている
大学は職業訓練校ではないため、「○○の資格を取りたい」「○○養成講座に入りたい」などの就職上の理由だけを述べないようにしましょう。学びや研究に触れた上で、将来の夢へのステップとして触れることをオススメします。
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「正しい」文章にするためのポイントをチェック!
いくら内容が良くても、誤字脱字があり、日本語として間違った文章だと台無しです。また、大学に提出する書類なので、日常で使っている言葉や表現がふさわしくない場合もあります。基本的な文章力があることをアピールするためにも、以下の点に注意してください。
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文体を統一する
「ですます調」と「である調」が混在しないよう、どちらかにそろえましょう。
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話し言葉や略語、い抜き言葉は使わない
「やっぱり」「ちょっと」「~みたい」などの話し言葉は避け、「やはり」「少し」「~のようだ」などの書き言葉にしましょう。略語も使わない方が望ましく、「部活」は「部活動」、「○大」は「○○大学」とし、大会名なども正式名称で書いてください。また、「してる」「出てる」などのい抜き言葉もNG。正しくは「している」「出ている」です。
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僕は「私」、大学は「貴学」
自分のことは男性でも「私」と書くのが普通です。また、志望大学のことは「貴学」、専門学校の場合は「貴校」と敬称で書きましょう。親のことを書く場合は「お父さん」「お母さん」ではなく、「父」「母」です。
※面接などで話す時は「御校」と言う -
文章は短く、一文で一つのことを言う
日本語の文は読点で区切ればどんどん長くできますが、あまり一文が長いと読みにくくなってしまうため、できるだけ短くしましょう。さらに、「一文一義(いちぶんいちぎ)」といって、一つの文で一つのことだけを言うようにすると伝わりやすくなります。
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同じ言葉やまわりくどい表現は避ける
「私は~」「~と思います」などの言葉は使いやすいですが、同じ言葉ばかりを使うと単調になりがちです。できるだけ書き分けて、文章のリズムに気を配りましょう。また、志望理由書はシンプルな文章の方が伝わりやすいため、倒置法や体言止めなど文学的で直接的には伝わりにくい表現は避けましょう。
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書いた後は必ず見直しをしよう!
書き上げた後は、下記のチェックポイントを参考にもう一度見直してみましょう。時間を空けることで自分の文章を客観的に見ることができるため、一晩、または数日寝かせてから見直すのもオススメです。
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チェックポイント
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誤字・脱字はないか
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決められた字数内にまとめられているか、また短すぎないか
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「ですます調」と「である調」が混在していないか
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校名、学部学科名、人名、引用事項などを正しく書いているか
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修正液・修正テープを使っていないか
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字は丁寧に、はっきりと書いたか
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下書きの鉛筆は丁寧に消したか
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書いたことがテーマに沿っているか
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志望校が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に沿っているか
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記載漏れはないか
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筆記用具は何を使えばいいですか?
黒のボールペンが一般的です。シャープペンや消せるボールペンはNGです。
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修正液や修正テープを使ってもいいですか?
いい加減な印象を持たれてしまうため、使ってはいけません。間違えてしまった場合は、一から清書し直しましょう。
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1,000字以内という指定ですが、900字や1,100字でもいいですか?
指定の文字数内でまとめる力も試されているため、必ず1,000字におさめましょう。また、熱意を示すためにも少なすぎることは避け、8割~9割程度は書くようにしましょう。
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親に書いてもらってもいいですか?
絶対にやめましょう。面接官は大勢の受験生の自筆の書類を見ているため、見抜かれてしまいます。自分をアピールするための志望理由書を他人が書くということは誠意に欠ける行為です。たとえ字に自信がなくても、丁寧に気持ちを込めて書きましょう。
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多少の嘘は許されますか?
嘘やオーバーな表現も絶対にやめましょう。面接などの場で聞かれた時に、書いたことと自分の発言にくい違いが生じ、あとで自分が後悔するでしょう。
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書き終わったら誰かに見てもらいたい
最低一回は、先生や家族など第三者にチェックしてもらいましょう。自分では気づけない部分や貴重なアドバイスがもらえるはずです。