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学校No.353 | 更新日:2012.04.06

東京工科大学

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うまい絵を描く、うまいデザインをすることだけが基準ではない。別の発想ができる人材育成をめざす。

うまい絵を描く、うまいデザインをすることだけが基準ではない。別の発想ができる人材育成をめざす。

先生・教授 仕事 アートディレクター

田村 吾郎 先生

デザイン学部 講師
アートディレクター

プロフィール
アートディレクションや舞台の空間演出を中心に手がける田村先生。中でもオペラや邦楽など音楽の舞台に、絵画や映像を用いる画期的な演出方法が注目を集めています。

先生が手がけた空間演出の作品にはどのようなものがあるのですか?

わかりやすい例としては、毎年、東京芸術大学奏楽堂で行われている“和楽の美”という邦楽の演奏会があります。3年ほど前から、ステージング全般に関わっています。昨年は「邦楽で綴る『平家の物語』」というテーマで、本学の中島健太先生と一緒にフルハイビジョンのアニメーションを背景に使う試みをしました。例えば、竹やぶや月夜、建物などの背景を大道具でつくるのではなく、アニメーションで演出する。文字などの説明的なものではなく、もっと自然な形で観客に状況を理解してもらうことが狙いでした。また、革新的な取り組みだったと思う作品の例では、『ポッペアの戴冠』というオペラがあります。これはフラッシュによる文字と照明だけで演出をしました。
ただ、私は舞台やオペラだけにこだわっているわけではありません。商空間やプロダクト、グラフィックなども拡大解釈していけばすべて空間。つまり私にとって、媒体は何でもいいんです。

先生が手がけた空間演出の作品にはどのようなものがあるのですか?
和楽の美「平家の物語」東京芸術大学奏楽堂

授業ではどのようなことを教えていますか?

演出論や専門演習など、2年生以上を対象とした授業を担当します。演出論の授業では、技術的な話よりも考え方や切り口、面白さと難しさなどを教えたいですね。私自身は、面白さと難しさは表裏一体だと感じているので、つらいけど面白いというような話ができたらと考えています。
例えばデザイナーは仕事をしていく中で、クライアントが何を求め、何に困っていて、こちらから何が提案でき、それを実現するにはどういう技術と知恵が必要なのか。そういうことを繰り返し考えながら成長していくものだと思います。決まりきったプラモデルを組み立てるのではなく、どうしたら実現できるのかを考えながらつくるほうが面白い。そういうことを演出の実例を通して伝えられたらと思っています。

最後に、学生にはどんな人材に育ってほしいですか?

当たり前のことですが、学生たちはまだ経験値が少ないですから、そういう意味では自信を持っていないと思います。単純にうまく絵を描くとか、うまいデザインをするということだけが勝負する基準ではありません。ですから、例えば絵を描くことが苦手な人がいても、それを自分自身の特長と捉えて、「それなら、こうしよう」と別の発想ができるような人になってほしいですね。学生の頃の私は、芸術系の大学にいる人間としては致命的ですが、どうしても作品をつくることに自信が持てなかったし、リアリティを感じませんでした。そこで考えを突き詰めていくと、私は作品が社会と接する接点の部分に興味があるのだとわかり、それで作品とその背景、つまり社会とつなげるためのものをつくる人になろうと思ったんです。そんなふうに、ウイークポイントを含めて、自分に何ができるのか考えられる人になってほしいですね。

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